「全裸監督」や「イカゲーム」最近では「新聞記者」などヒット作というだけにとどまらず話題作を送り出してきているNETFLIX。
そのNETFLIX株が$700から$366まで急落し、マーケットがどよめいている。
しかし、これは予想できたことだと私は考えている。
1.NETFLIX株急落
まずは、「ファイナンシャル・タイムズ(日本経済新聞翻訳版)」紙が現状をうまく纏めているので抜粋したい。
この記事にあるように、デジタル配信サービス会社が乱立したことによる、競争の激化が要因になっているということは歴然たる事実である。
2.NETFLIX株はなぜ急落したのか?他社との競争だけではない原因
しかし、私は映画やTVシリーズなど長尺コンテンツの配信において、ファーストムーバーとも言えるNETFLIXの行先が怪しいと思うのは、競争激化だけが原因ではないと考えている。
コンテンツへの投資のみならず、海外進出、また、彼らの強みであるデータを駆使した優れたリコメンダーシステムなど、テクノロジーの力でCX向上にも投資を惜しまなかったことは高い評価に値する。
しかし、では何が足りなかったのかー
ビジネスの多角化である。
彼らのコア・コンピタンスである優れたテクノロジーと豊富なデータを駆使して、他のビジネス領域へ拡大しエコシステムを創造し顧客を囲い込んでいく。多角化の戦略への「本気度」がイマイチ見えないのだ。
同社のオリジナル作品というIPを用いてゲーム事業を始めたり、商品化を始めたりとぼちぼち新しい事業に手を出し始めているが、スタートが遅かったのではないか。昨今、噂に飛び交っているが、ブロックチェーンの技術を用いたメタバースやNFTなども、もっと早い段階で始めていても良かったのではないか、そう考えている。
先ほどの、ニーダムのマーティン氏の発言で将来的には、買収合併などが進み、3社程度しか生き残れないのではないかという指摘があった。
3.NETFLIXを買収するのはどこか?
さあ、ではNETFLIXを買収する企業はどこか―
私の予想はAPPLEです。
映像配信事業のサブスクリプションに苦戦しているAPPLE TV+。
名だたる映画監督やスタジオと組んでコンテンツ制作に意気込みを見せてローンチしたものの、とにかくサブスクリプションで観られるコンテンツ量が少ないのが目下の欠点。
この記事にApple TV+の厳しい現状が簡単にまとめてありました。
素晴らしい品質の商品を送りだし、プロダクトの力で素晴らしいエコシステムを構築しているAPPLE。
映像コンテンツのサブスクリプションという面では非常にまだ脆弱であるAPPLE。
この競争が激化する中で、生き残っていく覚悟があるのであれば、この半導体不足の中でもBuying Powerで圧倒的優位に立ち、売上高、純利益ともに過去最高を記録したAPPLEがNETFLIXを買収するということになれば、他の配信プラットフォームが太刀打ちできない最強のPlayerが誕生することになるのではないだろうか(独占禁止法について、上手くクリアできるかが高いハードルになってくるであろうけれど)。
一方、数年前から配信事業に本腰を入れたハリウッドスタジオ。この競争激化の中において、一社では到底太刀打ちできなくなるだろう。
かつてアメリカのHuluがそうであったように、数社が統合したプラットフォームが出来るのではないか、そう予想している。