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男性の育休・育児参加は未来への希望

記念日制定3年目、5/20(こづれ)子連れの日®にまつわるイベント2つと、新規事業の立ち上げで少しお休みしてしまいました!

5/20子連れの日®当日は、大人も子どももあわせて88人(うち34人がお子さん!)がQUINTBRIDGE(NTT西日本)に大集合しました!

今年のテーマは、昨年から徐々に義務化がすすむ「男性育休・男性の育児参加からの職場・社会のアップデート」。大人も子どもも入り交じるあたたかい空気に包まれたイベントのダイジェストをお伝えします。

子どもも立派な参加者

はじめは子どもも大人も一緒に、お気に入りの場所に座ってのオープニング。
子連れの日®の「最も身近なマイノリティな子育て世代から、多様性豊かな社会をつくる記念日」という趣旨から、「今日のゴールは、社会を変えるために「つながり」と「社会実装」をうみだすことです」
と司会が言ったところ、壇上にお子さん数人が上がってきてハプニング!

子どもたちが突然ステージに!

と思いきや、このイベントでは子どもも立派な参加者です。
(孫泰蔵さんが『冒険の書 AI時代のアンラーニング』にも昔は今のように、子どもと大人が明確に分断されていなかったとありますし、のっぽさんも「小さい人」と言ってましたね。)

壇上に出てきてくれたついでに、お子さん達にテーマに関連して「お家やお仕事でのお父さんについて教えて」と聞いてみました。

「お父さんは仕事の時はやけにテンション高い」  
「うちのお父さんは家でニコニコしている」
などいろんな意見をはなしてくれました。大学生2人にも聞いてみると、どちらも「週末は趣味で楽しそう」とのことです。

お子さんも一緒にお話を聞きました

ここで、子ども達には、小学生のお子さん向け遊んで学べる体験型ワークショップへ行ってもらい、残った大人とお子さん(&赤ちゃん)でじっくりパネルトーク&グループワーク。

パネルトークでは、男性育休の取得経験者に加え、中小企業の経営者と大企業のダイバーシティ担当者、そして男性の育児参加を推進する医師や、助産師、そして経営学者7人に、現場で起こっていることや、そこからの思いや考えをとことん聞きました。いくつか心に残ったポイントをシェアします。

社会が決めつけるのではなく、選べることが大切

自分が主体的に子育てに参加したく育休を取ったのに、周囲からは「奥さんを支えてあげてね」と言われ違和感を感じたというのは、2度の育休を取得した馬場さん。
『ポストイクメンの男性育児』という著書を出版されている現役医師である平野先生に「育休の意義や役割」についてお話を伺ったところ、
 
「誰もが自分の好きなスタイルで育休を取ればよい。しかし、「育休とは妻を支えるものだ」などと、社会が決めつけてしまうことは良くない。」というコメントをいただきました。

育休だけでなく、家族の在り方も、教育も、仕事への向き合い方も、自分の意思で「選べる」ことが大切だなと思いました。

多様な7人のパネラーによるパネルトーク

男性育休に取り組むのは、子育て世代だけの問題ではなく会社存在のため

子育て世代は今や世帯比率でたったの2割というマイノリティです。(0-5歳までの乳幼児の人口比率は4%と、8.9%といわれるLGBTQの方々の比率より小さい!)
それなのになぜ男性育休に取り組むのか。 NTT西日本のダイバーシティを推進する甲斐さんによると、「男性育休に取り組むのは子育て世代のためだけではない。これからますます加速する人口減においての事業継続のため、男性育休をきっかけとして、誰もが働きやすい職場をつくることが目的」ということでした。

数万人もの社員を抱えるNTT西日本でさえ喫緊の課題として取り組む人口減少・働き手不足の問題は、一企業にとどまらない、日本全体の抱える課題だと改めて気づかされました。

お子さんも一緒にグループワーク

個人にも組織にもイノベーションをおこす男性育休

実際の育休の取り方について、江崎グリコで育休を取得した木下さんにきいてみたところ、育休に入る最低でも1ヶ月前には自分の業務の棚卸しを行い、無駄な業務はなくし、整理してから、育休に入ることが大切とのことでした。
育休取得は、これからの人口減による人手不足の中、どの企業も余儀なくされる、無駄を省くことにも有効なようです。

また、育休取得者に「育休の復職してからの仕事への影響」を聞いたところ、集中力が増した、マルチタスクが得意になった等と、全員が育休は仕事にプラスの影響があったとのことでした。
もちろん仕事や収入だけでなく、一定期間仕事から離れる育休期間は、自分の人生に対峙する期間として、その後の人生感や仕事感に影響を与えることは間違いなさそうです。


このようなお話を聞いていると、男性育休が個人や職場に与える大きな影響の1つとして、オールド・ボーイズ・ネットワーク(※)の負の連鎖をストップし、女性活躍やイノベーションを促進する可能性を感じました。
※女性活躍やイノベーションを阻む壁として指摘される、男性中心の組織がつくり上げてきた閉鎖的な企業文化や仕事の進め方。

開放感あふれる会場で大人も子どもも対話を楽しみました

男性育休はこんな可能性を秘めているものの、人員の限られた中小企業でどのように男性育休を取得を可能としているのか、興國車輌の禿社長に伺ったところ、「制度ではなく、互いに助けあえるチームの関係性が大切」とのことでした。
そして、そんな組織の力の向上こそが、男性育休に期待できるイノベーションのひとつであるとのことです。
職場には負荷がかかりがちな男性育休をチャンスに変えるという発想は、どの職場もぜひ取り入れてほしいと思いました。

パネルトークの後は、来場者もゲストも混じってのグループでのワークを行い、甲南大学奥野ゼミの学生さんが中心となり、発表をしてくれました。(発表の内容はページの下をご覧ください)
そして終了時間ギリギリまで、ゲスト、来場者、そしてたまたまQUINTBRIDGEにお越しのメンバーの方々も交えて、今日の目的の一つ「つながり」を目一杯に楽しみました。

最後には再び壇上に上がってきた子ども達(こちらも予定にはなく)が、「忘れ物には気を付けてください!」と気の利いた言葉を添えながら、終わりの挨拶をしてくれました。
当然予定したものではありませんでしたが、小さい人たちも立派に役割を果たしてくれました。

「キャサリンとナンシーの金融教室」で遊んで学んだお子さんたち

男性育休からのイノベーションに向けての社会実装

このイベントを通じて一番心に残ったのは、どの職場も、日本社会全体が人手不足への対応やイノベーションを求められる中、男性育休は、子育て世代の課題を解決するだけではなく、これからの日本を救う希望のように感じました。
そのためには、取得率の開示や義務化など、まずは形から入るのもありかと思います。

そしてその際に、グループワークでも意見がでましたが、育休前など、ポイントごとに知っておくべき「知識」があります。(例えば、育休前ですと、夫婦での段取り相談や、仕事の棚卸しなど)

そんな知識を「まなび」、今日のような「つながり」を企業に代わってうみだす「社会実装」のために、子連れMBA®では、これらを人手不足に直面する企業に代わって行う、月額制の従業員支援&教育サービス「BrIdge with ペアレンツ(ブリッジウィズペアレンツ)」をリリースしました。

今年いっぱいはβ版(テスト版)として、今回のイベントでのアイデアや、企業のみなさまのご意見をもとに改善しながら、男性育休はじめ、子育て世代をきっかけとするイノベーションを、個人にも組織にも、そして社会にも生み出してまいります。

「自社でぜひ試してみたい!」
「
会社に入れてほしいけど、人事や社長をどう説得したらいいかわからない」
そんな働きかけからでも、お気軽にご連絡ください。


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