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文章力を上げる意外な本1選!知らないと損する至極の一冊
文章力を上げる至極の一冊。
みんなが「そりゃそうだ」と思う本。
でも、すすめられても誰も読まない本。
それは、「中学国語」の教科書です。
「大人で国語の教科書を読む人なんているのかな?」
はい、ここにいます!
国語教育やIT教育に興味のある方と、このnoteを通じてつながれたらうれしいです。
この半年間、私が国語の教科書を使って勉強して気づいたことを紹介しましょう。
■ この記事を書いている人
・ Webコンサルタントで、大学の非常勤講師。
・ Webライティングの講義を担当しています。
0. きっかけは経済産業省の教育DX
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昨年(2021年)4月から小中高にタブレットが普及し、従来とは異なる革新的な教育が行われていることを昨年(2021年)11月に知りました。
タブレットを使った個人個人に最適化した学習で、先生の働き方改革にもつながる新課程の教育。
私は経済産業省で、教育DXを担当されている方のお話をお聞きする機会がありました。
同日、横浜の中高校を訪れ校長先生にお話を伺う機会も。
全教科の授業がほとんどプレゼン状態、教育のIT化も進みハイテクになっていることに感動しました。
いま、教育改革が行われているんだな。
1. 高校の「情報」の教科書
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時期同じくして高校の情報の教科書を買いました。
驚くべきことに、マーケティング用語が載っています。
PDCAを回すことやペルソナについてなど。
情報の教科書からは、歴史のようにIT関係の知識をすべて覚える印象を受けました。
のちに、中学の国語でより深く実践的に学ぶと知ることになります。
2.「小5国語」の教科書
今年(2022年)5月、岐阜県の中学の校長先生にお話をお聞きする機会がありました。
国語の教科書を持参して国語教育について聞こうと書店へ。
様々な教科書を取り扱う書店で、小中高の国語の教科書を片っ端から閲覧しました。
文章の型が出てくるのは中学で、高校にはありません。
小学校にも文章の型はやんわり出てきます。
小5の教科書には、取材ライティングがあります。
スーパーに行き、働く人にインタビューしてくる。
新聞を書く。
みんなの前で発表する。
意見交換する。
逆三角形型の文章構成、結論から先に書くこと、「見出し」「リード文」の書き方とあり、目が釘付けになりました。
新聞でもホームページでもどちらを作ってもよいとあります。
Web関係者として国語の教科書に「ホームページを作る」とあることがうれしい。
ちなみに、小6では新聞の読み方を習います。
様々な新聞を読み比べて、多角的に見るメディアリテラシーの力を身につけます。
小学校の国語教育では、情報の発信者としての「表現力」、情報の受信者としての「情報を読み取る力」を習得します。
3.「中1国語」の教科書
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中学国語の学習内容は「話す(聞く)」「書く」「読む」に分かれています。
私の時代は「読む」メインでした。
私は中学生のころ、光村図書出版の教科書で習ったので昔と比較してみます。
私の記憶では、習ったことが10%ほど、新しいことが90%ほど。
ここまで違うと、新しい本を読む感覚になります。
教科書の半分は「話し方」や「書き方」など実用面で構成されていて興味深いです。
ちなみに、中学の校長先生からはこんなことを教えていただきました。
全教科生徒によるプレゼンテーション形式の授業。
国語が「話す」力をつけるための位置付け。
教科書はすべてをやるのではなく、状況に合わせて補助的に使うもの。
4.「中1国語」が革新的
中1から中3まですべて素晴らしいのですが、「話す」「書く」は中1が最も習うように見受けられます。
私が特に感動したポイントを2つ、「これもあったらいいな」と思うことを2つ紹介しましょう。
1. 例文が豊富
様々なタイプの例文が豊富に掲載されています。
豊かな表現で、非の打ち所のない文章。
インターネット検索して例文を探すよりも、教科書を音読し覚えてしまったほうがいい。
応用が利く例文ばかりです!
一瞬中1と話がそれますが、中2教科書にメールの書き方まであることには大変驚きました。
2回目読んだとき気づいたのは、本文のなめらかさ。
すらすら読めて最初気づきませんでしたが、一文が短く、わかりやすく読みやすい。
宝箱を開く気分になる本です。
多くの方々の多大なご尽力によりできていることに、感謝の気持ちでいっぱいになります。
すべてが最高傑作なので、「まずはこの一冊!」と言いたくなります。
文章力を上げる本を読みたいとき、まずは教科書を読んだほうがいいでしょう。
その上で、より知りたい人は各分野の専門書を読んだらいいだけです。
ただ残念ながら、教科書は子どもが読む本だと思われていて、読まれません。
せめて自分だけは!と、勉強します。
かれこれ7回以上読んでいます。
驚異的に文章力が鍛えられる本として、心からおすすめできる一冊です。
2. 企画立案、調査、構成を重視
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中1の1学期に学ぶマッピング。
マッピングとは、中央にテーマを書いて連想する言葉を次々に書いて線で結んでいくこと。
思考の整理、発想を広げるのに役立ちます。
私はマインドマップを作るという言い方をしますが、子どもはマインドマップを作ることをマッピングと呼ぶようです。
私が今年(2022年)8月に中学で特別授業をさせていただいたときに、例文がマインドマップツールについてだったので、「マインドマップって生徒さんわかりますか?」と国語の先生にお聞きしました。
「マッピングという言葉を中1で習うのでマッピングという言葉を最初に出してもらえたらわかりますよ」と教えていただけて、助かりました。
むしろマッピングという言葉のほうが難解な気がするので、中1ですでに知っているのが不思議です。
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1年生の1学期で学ぶ「情報を整理して書こう」(P34-37)について紹介しましょう。
書く前段階の「企画立案、情報収集、構成」を重視すること。
マーケティングの考え方と同じです。
文章の作成方法について、教科書の流れは下記です。
私も日頃同じように書いています。
目的や相手を明確にして題材を決める
情報を集め、整理する
構成を考える
下書きをし、文章にまとめる
学習を振り返る
最後の「5.学習を振り返る」は発表です。
「ブレーンストーミング」など、(企画と関係ない仕事をしている)大半の大人はほぼ知らない用語が出てきます。
子どもは大人より次元の高い教育を受けているため、今後、年齢による教育格差はより開いていくでしょう。
インタビューで使える「質問で話を引き出す」聞き方についても、様々なコツが紹介されていることに驚きます(P116-117)。
文章の型としては、基本型である「序論・本論・結論」がわかりやすく図で紹介されています(P50図)。
もちろん、例文も秀逸です。
◆希望
いまのままでも大変素晴らしいですが、さらにこんなものもあるといいと思う2つについて述べます。
1) チャットの文章
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学生も社会人も、オンライン社会になったため、チャットの利用頻度が高くなりました。
メールよりさらに短く表現する力、質問に的確に答える力、コミュニケーション能力が求められます。
「Twitterの書き方が知りたい」
私が7月に行った高校生を対象としたアンケートにあった回答です。
Twitterは今の時代10代の7割が利用しているツールです。
Twitterの書き方、私も知りたいです。
ちなみに10代のLINE利用率はほぼ100%。
短い言葉でやりとりすることが増えています。
チャットのほうがTwitterよりさらに必要性が高く、社会に出てもリモートワーク等ビジネスの現場で使われる傾向にあります。
山口拓朗さんはチャットの文章について、1文の適切な文字数を説明された上で、こんな文型を紹介されています。
(略)チャットの文章の基本構成は幹→枝→葉。幹は最重要メッセージで、いわゆる結論、枝は結論に付随する理由や根拠、葉は具体例や補足情報。このような順番で文章を書くと正しく伝わりやすくなる」(山口氏)という。
先月(2022年)9月発売の日経トレンディ「ずるい!文章術」特集で紹介されていました。
山口さんがおっしゃっていることは「逆三角形型の文章」だと思います。
2) プレゼンの文章
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授業がプレゼン形式なので、確実にあったほうがよいもの、それはPREP法です。
PREP法は、話すシーンでも書くシーンでも使える「論理的でわかりやすく説得力のある文章の型(構成)」です。
短時間で伝えることができるというメリットも。
結論から伝える「逆三角形型」の応用形です。
Web記事作成(Webライティング)に適した文章の型でもあります。
今年(2022年)8月に特別授業をさせていただいたとき、中学の先生からは、「PREP法いいですね!日頃の授業のプレゼンに役立ち、入試の面接でも役立ちます!」と感想をいただきました。
私の特別授業の後で、国語の授業時間を何コマもかけて先生方がPREP法について指導してくださったそうです。
実際に各自作品を作るところまでフォローアップ授業をしてくださったとのこと、大変ありがたいです。
▼小津中学校さんの「Webライティング作品集」noteです。
▼私が1年前(2021年)に書いたPREP法の説明noteです。
※2025年2月に更新しました。
おそらく「チャットの文章」「プレゼンの文章」は、何か事情があってないのだと思います。
でも、あるといいな。
5. まとめ
教育DXがスゴイ!と感動してから、高校の情報の教科書を経て、国語の教科書にたどり着いた私。
特に、中1が革新的でした。
例文が豊富
企画立案、調査、構成を重視
十分に素晴らしい教科書ですが、さらにチャットやプレゼンの文章もあるといいなと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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[2022/12/28追記]
本記事は、「2022年よく読まれたnote」 No.2でした!
ありがとうございます!
[2023/1/9追記]
実際にプレゼンの文章の型について授業してきました!
Webライティングについて語っています。
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