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フローリストへの道のり

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花に関わる働き方をしたくて一歩踏み出した私の出来事、心の動きを記録しています。
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貴方がいるから、お店に立つ楽しさってこれなのかもしれない。

貴方がいるから、お店に立つ楽しさってこれなのかもしれない。

雨の降る日曜日、お店にきてくれたとあるお客さんが私にかけてくれた言葉。

その言葉は私が抱えていた悩みも不安も、週末にかけて溜まっていた疲労もなにもかもを軽く吹っ飛ばしてくれた。

素直にうれしかった、そんな小さな喜びの出来事をここに綴っておこう。いつかつらくなってしまったとき、お店で働くことの楽しさを再び思い出せるように。

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いまの花屋で働くと決めたとき、中国語を話す機会はまずないだろ

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初めて花束を贈った日のこと

初めて花束を贈った日のこと

花束を贈る、それが私にはなんとも照れくさかった。

花が好きで、花に関わる働き方がしたくてフローリストになった私。それなのに今まで一度も誰かに花を贈ったことはなかったのだ。

お客さんの思いを乗せてその人にとっての贈りたい相手のために花束を束ねる。そんなことは日常茶飯事。けれど、自分が贈りたい相手のために、は思いつく限りは一度もない。

花の仕事をしているのに、と我ながら不思議に思う。

けれども

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フローリスト2年目へ

フローリスト2年目へ

来年の母の日は自信をもってお客さんの想いをカタチにできるようになりたい。

フローリストになり初めて迎えた母の日。怒涛の日々を終えた私は、一年後の自分に向けてそんな決意を綴っていた。

当時はフローリストなりたて。注文を受けることさえままならず、自宅用の切り花だったらまだしも花束やアレンジメントを頼まれるととたんに不安になり先輩フローリストにサポートをお願いしに呼びにいくこともしばしば。

去年の

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花に関わる働き方がしたいに舵を切ったら理想が現実に、2023年振り返り

花に関わる働き方がしたいに舵を切ったら理想が現実に、2023年振り返り

あけましておめでとうございます、そんな挨拶とともに私も仕事始めの日を迎えた。

31日までつづく繁忙期を乗り切ったら年始休み、あともう一踏ん張りだ。そう自分を鼓舞しながら過ごしていた昨年末が、もうすでに懐かしく感じる。1週間あった長期休暇もあっという間に過ぎ去っていってしまった。

そんな感想とともに綴りはじめてみた2023年の振り返りnote。

このnoteは2023年はどんな年にしたいのか、

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自分にとっての心地よさとは。

自分にとっての心地よさとは。

クリスマスメドレーに耳を傾けながら、手元にあるのはユーカリやコニファーなど自分で切り分けた葉物たち。

私の視界は花と緑でうめ尽くされていた。

どこにこれをいれてあげようか、どの場所にいれたらこれが活かされるだろうか、そんなことを考えながらただただワイヤーを片手にリースをつくっていく。

できあがったリースを眺めながら、私の心が求めていたものってこれだったのかもしれないと感情が少し動いたように思

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偶然とタイミングの重なりが道を切り拓いてくれるのかもしれない。

偶然とタイミングの重なりが道を切り拓いてくれるのかもしれない。

わくわくする方へ、と不安ながらも思い切って舵をきったあの日から気づけば8ヶ月が経っていたようだ。そしていまの私は花屋でフローリストとして、この言葉のとおり『花に関わる働き方』をしている。

言葉にしていけば、少しずつでも行動に起こしていけば。たとえ遠い未来のように思えたとしても、そうなったらいいなというおとぎ話を現実にすることができるのかもしれない。

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先日、私がいまの職場で働くことにな

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フローリスト1年目、初めての母の日を振り返って。

フローリスト1年目、初めての母の日を振り返って。

フローリストになって初めて迎えた母の日。

母の日は一年で最も忙しいともいえる、花き業界の繁忙期。

今週を乗り切れば、あと何日頑張ったら、明日を乗り切れたら。そう自分を勇気づけるかのように過ごした1週間だった。

できないことだらけ、うまくいかないことだらけ。自分はなんて役立たずなんだろう、そうひとりで落ち込んでは涙が出そうになったり疲れているのに眠れなくなってしまった夜もあった。

でも過ぎて

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フローリストになるための職業訓練校、卒業しました

フローリストになるための職業訓練校、卒業しました

職業訓練、友人からいま通っているんだと話を聞いたときの私はそんなものがあるんだねと他人事のような気持ちでしかなかった。

何気なく「職業訓練」と検索してみると、目に入ったのはどこかの誰かが書いたお金を貰いながら勉強ができるという見出し。ふーんと思いながらとりあえず記事に目を通してみる、けれど当時はまさか自分も通うことになるとはこれっぽっちも思っていなかった。

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花に関わる働き方がしたいと

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花に関わる働き方がしたい、やっぱり気持ちは変わっていないようだ。

花に関わる働き方がしたい、やっぱり気持ちは変わっていないようだ。

そう、やっぱり私の想いは変わらないのだ。

友人、家族、知り合い、前職の人、花業界で働かれている方々、少しずつだけれど花に関わる働き方がしたいんですと言葉にして伝えてきた。返ってきた言葉はいい意味でも悪い意味でも十人十色。

応援してるよ、あなたが花の仕事をしているのってなんだかしっくりくる。そんな言葉をもらうと不安がぽんと消えて心がじんわり温かくなった。

でも時として不安になるような言葉をもら

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週末だけ、花屋さんで働いてみることになりました

週末だけ、花屋さんで働いてみることになりました

学校へと向かう電車の中、ふとこのセリフが目に留まった。青山でネイルサロンを経営するアラサー女性・燿子が「二十七歳になりたくない」と話す主人公・華子に言うセリフ。

二十代は自分にとってのやりたいを頑張ってみる。

不安になるとつい忘れそうになるけれど、花と関わる働き方がしたいとわくわくする方向へ舵を切れたきっかけはそんな想いからだった。

そうだったそうだった、いまはとにかく頑張ってみるって決めた

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こうなりたいに近づくための一歩、花屋さんでの勤務が始まりました

こうなりたいに近づくための一歩、花屋さんでの勤務が始まりました

初出勤がんばろう、そんなツイートをした日から数週間。

出勤したのは先週末で4回目、そのうち1回はウェディング装花の手伝いだった。フローリストへの道のりはまだまだ始まったばかり、けれどあるある話として聞いていた「最初は花なんて触らせてくれないものよ」という噂話は私にとってただの噂話でしかなかったようだ。

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「これもご縁だからね」

よかったら週末だけでも働いてみない?と私を誘ってくれた人

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なりたかった自分に近づいているのに。

なりたかった自分に近づいているのに。

やりたかったことに近づいているのに、スタートラインがもう目の前にあるのに。

自分にとっての”やりたいこと”まであと少しのところで私はパタリと足を止めて、逃げ道を如何にかこうにか探そうとしていたようだ。

自分はどうしたいんだろう。覚悟を決めて新しい一歩を踏み出したはずなのにその覚悟が不意にいなくなってしまった。自分の中にあるはずの本音が分からなくなってしまったのだ。

それは突然の出来事。私は途

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自分の本音が分からなくなってしまったときには

自分の本音が分からなくなってしまったときには

私が悩んでしまうのはどうやら癖らしい。

先日、とある人に「悩んだときはどうしていますか」と尋ねてみた。するとその人からは「うーん、僕はそもそも悩まないようにしているかな」と返ってきた。

悩まないようにする、その思考がいまの私の中にはたぶんない。何か出来事が起こるとそれを頭の中で考えはじめて、どうしたものかとずっとぐるぐると頭を抱えてしまう。そして無意識のうちに「考える」から「悩む」へ勝手に移行

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一ヶ月遅れの出会いと別れの季節、5月からフローリスト1年目が始まります。

一ヶ月遅れの出会いと別れの季節、5月からフローリスト1年目が始まります。

3月は出会いと別れの季節。4月は新たな始まりの季節。

そんなイメージがあるけれど、私にとってのそれは世間一般と一ヶ月ずれてやってくる。

私にとって4月は別れの季節。5月から仕事も暮らしも新たな始まりを迎えようとしている。

花に関わる働き方がしたいと11月中旬から通いはじめたフローリストになるための訓練校も4月中旬で終わり。残すところ2週間をきった。

そして、5月から私は晴れてフローリストと

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