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めけめけの徒然なるままにアンチテーゼ
2019年2月14日 12:47
「ねぇ、ノブ。人を許すって、どういうことかなぁ」 アキは車の助手席でスマフォを眺めながら話しかけてきた。「どうもこうもなくなねぇ? 許すって、いうんだから、そりゃあ、許すんだろう」 ノブは追い越し車線に車をすべらせて白いワゴンを抜き去った後、また走行車線に戻した。「ノブってさぁ、そういうところ単純っていうか、シンブルだよね」 ラジオが夜の11時を過ぎたことを知らせた。ノブがアキを車に乗せ
2019年2月7日 17:43
誰もいない――つまり僕しかいない部屋の中で、こたつの中から人らしきうめき声が聞こえてくるというだけで、これはもう、ミステリーというよりはホラーである。 ホラーは困る。だから僕は謎を解くことにしたのだが、まずは身の安全を図るべきだろう。 速やかに部屋を出るか――冬のこの寒空に行く当てもない。誰かに助けを求めるか――まさか、こたつからうめき声が聞こえるからと、そんな理由で呼び出せるような知人友
2019年2月1日 10:17
その少年と出会ったのは、小雨の降る夕方の公園だった。「ボク、ひとりかい?」 そう声をかけるまでの間、私はタバコを1本吸い、自動販売機で缶コーヒーを買って飲み干し、パンパンになった携帯灰皿に吸殻を押し込んでからのことだった。「うん」 6月。長梅雨の真っ只中。天気予報を見る気にもなれない。「こんな雨の中で、何をしてるんだい?」 小学校に上がったかあがっていないかくらいの男の子