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あなたの権限委譲がうまく行かない理由(後編)

【部下が勝手に成果を出す仕組み作りのテクニック】

 私が実践を通じて「権限委譲したつもり病」から抜け出せたからこそ分かる、チームが成果を出すための具体的な権限委譲のコツについてまとめました。

この記事を通じて皆さんには、明日から実践できる権限委譲のテクニックを身に着けていただき、労力をかけずに成果が出せる体質になっていただけると考えています。

前編では、権限委譲が機能不全を起こしている真因を説明しました。

こちらの後編では、実際に権限委譲をどのように実施すると、成果が出るサイクルを生み出せるのか?を説明していきたいと思います。

成果が出る権限委譲のつのステップ

①事業あるいは組織の目的を共有する
②権限を委譲する意図を伝える
③目標を達成した状態を共有する
④実行プランの作成を依頼する
⑤定例ミーティングを実施する


①事業あるいは組織の目的を共有する

 当たり前のようですが、このコミュニケーションが欠落しているコトが非常に多いです。
ここでの目的とは、柔らかく言えば「そもそも私たちは何のために行動するのか?」ということです。
優秀な社員であれば、目的が正しく設計されていて、きちんと共有されていてれば、自走が可能です。
よくある失敗例は、目的が受け手の解釈によって如何様にも捉えられてしまうような抽象度の高い設定になっていることです。例えば、経営理念であれば「人々の生活を豊かにする」、経営戦略で言えば「ビッグデータカンパニー」、部門目標でいえば、「意識変革と労働生産性を高める」などでしょうか。
もちろんあえて抽象度を上げてボトムアップによって出てきた成果物を正とすることを目的としているのであれば良いですが、それだとしても何を持って正とするのか?が予め定義されていなければ良し悪しの判断は付かないものです。
そんな目的を投げられても大抵の場合、各人の視点は定まらないため、着地点がバラバラになって終わりでしょう。
大切なことは、関係者全員が向かう先の世界を共通認識できているかです。

②権限を委譲する意図を伝える

 これはモチベーションに関わるキーアクションです。全社員が優秀であって、目的さえ明確化していれば、自発的に考え行動してくれるわけではありません。
社員あるいは部下からすれば、権限委譲というのはチャレンジングな環境に投げ込まれるようなものですから、その不安に打ち勝つ以上の大義名分が必要でしょう。
なぜあなたに権限を委譲するのか?を伝えることによって、心の支えができるわけです。
 権限委譲の意図を伝える時に大切なのは、相手視点です。「成長してほしい」とか「期待しているから」とか「会社の方向性だから」という想いはマネジメント側の一方的な思いに過ぎませんのでNGです。
権限を委譲する相手のパーソナリティに応じて伝え方を変えていくことが必要です。
出世意欲が強い人、チームを大事にする人、承認欲求が強い人、などパーソナリティはそれぞれ違います。権限委譲が事業や組織にもたらす効果を淡々と伝えたところで相手には響きません。いかに相手と本心で向き合えるかがモチベーションアップの鍵だということです。


③目的を達成した時の状態を共有する

 目的に向かって行動した結果、どのような状態であれば成果が出たと言えるのでしょうか。目標の具体化状態の具体化がこのフェーズです。
例えば、収益ポートフォリオの安定性向上に向けて新規領域への投資原資の確保を目的として既存事業の収益性向上を目標に置いたとします。
収益性を1%向上させるのか5%なのか、どういう状態であれば収益性向上が実現したと言えるでしょうか。
達成状態を定義する際は、数値設定のように誰もが良し悪しの判断ができるような粒度を意識する必要があります。

④実行プランの作成を依頼する

 準備と共有のステップが非常に重たかったと感じるかと思います。ここまでやって始めてアクションの依頼をします。
ただ、「では、早速始めてくれ。進捗は定期的に共有してくれ。」はNGです。
移譲したとはいえ、その行動が確かに目標達成に向かっているかどうか、をマネジメントするのは経営陣あるいは上司の役割です。権限を移譲したのであって責任を移譲したわけではありません
そのため、走り出してもらう前に実行プランを練ってもらうことが成功確率を高めることになります。
例えば、誰を巻き込むべきか、どんな情報を集めるべきか、いつ誰が何を意思決定すべきか、制度やシステムの調整は必要か、など、何をアクションしないといけないのな?を洗い出し、スケジュール表にプロットしていきます。そしてこの時に重要なポイントは進捗度合いをマイルストンとしてスケジュールに落とし込むことです。
業務を進めていく中でクリアすべき関門が定期的に訪れるはずです。例えば、経営会議での承認、契約書の締結、システム開発の完了、必要人材の獲得、などです。
その関門のタイミングを想定しておくことで、遅延しているのか、前倒しで進んでいるのかの共通認識がもてるようになります。
次に重要なポイントは、予め阻害要因となる事案が想定されていて対策案がアクションに組み込まれているかどうかです。
大抵、業務が止まるのは「できない、分からない、難しい」という諦めです。どう進めるかという発想が欠落し、何かに阻害されることで「やらない」が選択されてしまうのです。
だからこそ、そもそも起こりうる阻害要因をどう乗り越えるか?をアクションに落とし込んでおいてしまうことで、停滞リスクを回避しようというわけです。

⑤定例ミーティングを実施する

 ここまで事前に設計されていれば、あとの推進はすべて任せて良いでしょう。
ただし、進捗するにつれて環境が変わり、想定外のことが頻発するでしょう。原則はそのすべてをどう乗り越えるか、の判断は任せるべきです。
その上で、想定していたマイルストンに沿った進捗がなされているかはマネジメントすべきです。
加えて、現場だけで解決できないレベルの阻害要因が出現したときには、経営陣あるいは上司にどう解決してほしいかという行動プランを添えてもらった上で、部下からの依頼を受ける場を設ける必要があります。
 このように定例ミーティングでは、目的に反れていないか?目標への進捗は順調か?超えるべき阻害要因は何か?を論点にすると良いでしょう。
 多くの組織では、先週何をしたのか?どういうことが起きているのか?を逐一報告するケースが頻発しています。
しかし、このような「部下が何をしているのか?」の報告は不要です。これから何をしなくてはいけないのか?という未来軸でのコミュニケーションを徹底しましょう。

 いかがでしたでしょうか。
これで具体的な権限委譲のテクニックがお分かりいただけたかと思います。
是非ともさっそく明日から実践いただき、皆様のチームの性質に合わせて柔軟にカスタマイズしていただけると幸いです。

 最後に、権限委譲は上記のステップで進めることがベースとなりますが、更にその要所要所で、推進力を加速させる、あるいは成功確率を高める工夫がいくつも存在するのですが、あまり書籍では語られていない印象があります。
 しかし、この細かなテクニックこそ成功確度を大きく向上させるノウハウであると考えています。
 私が実践を通じて失敗に失敗を重ねて有効なテクニックのみに絞った有料記事を作成中です。(※完成したら公開します。)

 これ以上に経営スキルを身につけたい方や経験値の時間を買いたい方に読んでいただけると嬉しいです。

それでは、また。

あなたの権限委譲がうまく行かない理由(前編) https://note.com/mem_yu/n/ne0b65272e010

vol.12

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