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いつかの私と今日の私。

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最近の記事

心の夏やすみ

なんだか疲れてしまったね〜 まいってしまったね〜 と心の中でシンガーが流れてしまいました。 涙の河に溺れたくないので、とりあえずつらいことからは避難して、休暇を取ります。自分の心を守れる自分にはなまるをあげたい。 妊活を始めて気づけば一年半。フルタイムで立ち仕事をしながら休みの日はクリニックに通う日々。余裕もないのにちゃんとしなきゃに囚われて、つい自分で自分を追い込んでしまった。頑張ったら授かれると信じていたけれど、毎月当たり前のように生理がきて、心はどんどんすり減ってい

    • 学校に行けなかった私へ

      10年経って、 それなりに結構元気に、生きています。 学校いかなくてもいいんだよ。勉強しなくてもいいんだよ。そんなことしなくてもね、幸せになれるからね。大丈夫だよ。 ツイッターで目にした まい さんの言葉はあの頃の私を丸ごと肯定してくれた。紛れもなくずっと欲しかった言葉だった。 わりと長い間私に明るい未来なんてあるわけがない、私が幸せになれるわけないと、そう思い込んでいたので今でさえ涙が出そうになる。 学校に行けない理由は、当時も今もうまく説明ができない。いじめられたわ

      • 私と彼の出会い

        彼は私にとって大切で仕方ないライブの日に、私の後ろのあたりにいたそうです。上のリンクは私がライブの次の日に書いたブログ。 私は背が低くて、たしか5列目とかだったので隙間で壮平さんが少しでも見れるように微調整していた。けれど開演直前に長身の人が目の前に割り込んできて、視界は遮られてしまった。彼はそれを見ていたらしくて、本当に同じ空間にいたんだなって今でも不思議になる。終わってからの出待ちも複数人でしていたのだけど、そこにもいたとか。私の記憶は曖昧だけど、私の紺色のワンピー

        • 詩の世界

          最果タヒ展 われわれはこの距離を守るべくうまれた、 夜のために在る6等星なのです。 輪っかの中に入って文字を読むのは初めてだった。 印象的な言葉がそこに在って、ハッとさせられるような不思議な気持ちになった。 天井から吊るされている幾つもの言葉たち。 それらは空調の風にひらひらと舞い、白と黒の裏表、たくさんの言葉が私の目から頭の中にするすると入り込んでいく。くるくると廻るので一つ一つを読むことは難しいけれど、気づいたら夢中で言葉を追っていた。 揺れてなびく。音が無いかのよう

        心の夏やすみ

          愛と哀

          人間みんな誰しも、心の奥底まで理解して繋がり合うなんて不可能だ。一番近くにいる人とでさえ、それは容易ではないと実感している。 いつもいつも付き纏う劣等感に身を任せて、少し納得いかないところは見ないふりをして、全部私が悪いと謝っていた。それで済むから。私なんか、私なんか、が消えない。どうせ悪いのは私だ。 それに自分が感情的な女であることはありと分かっている。一番大好きな人に鬱陶しいなんて絶対思われたくない。 これまで何度もそうやってきたのに、今日はできなかった。もうそんな気

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          知らぬ間に、初夏

          窓を開けてレースのカーテン越しに浴びる、ささやかな光と風。少しだけ片付けをしたからか、部屋の空気はいつもよりいくらか余所余所しく、休日の空気を孕んでいた。窓を開けたままでも、もう肌寒くはなくなっていて、気づけば瞼の重みに身を委ねてしまう。 目が覚めたときにはすっかり西日が沈み始めていた。 さらりと泳ぐような雲と褪せた色の空。恋人から明日は雨が降るから洗濯物を取り込んでおいて、と連絡がきていたから、これは曇りなのだろうか。それともまだ辛うじて晴れているのだろうか。分から

          知らぬ間に、初夏

          飾らない、そのまま

          インドアモンスターなので、僕は。家にこもっていることは苦じゃないんです。今の状況は嬉しくないですけど。 と彼は自分の言葉で話した。 そう。私も家が本当に大好きで、休みの前日には必要なものを買って絶対に1日外に出ないぞと強い決意をするほどずっと家に居るのが好きだ。 なのに全然うれしくない。 むしろ働きたいとすら思う。 たまに外の光を見て、少しだけ光を浴びて、安心するのだけど全く健康的じゃない。なんにもしたくない。紛らわすために甘いお菓子を食べたり料理を作ったりするけど、

          飾らない、そのまま

          混ざり合う

          寝て起きたらいくらか冷静になり、あいかわらず答えは出ないものの、精神は少し落ち着いたように思う。 昨夜のお風呂で最近にしては珍しくandymoriを聴き、脱衣所だけ電気を点けてシャワーのお湯と一緒に少し泣いた。いつもはロフトで恋人と寝ているけど今日は一人で眠ろうと思った。 真っ暗にしてスマホの灯りを見つめていたら、ロフトから恋人が自分が下で眠ると話した。いつもより少し窺うような声色は彼なりの心配からだろうか。彼をソファで眠らせることは全くしたくなかったので、結局私は彼の温も

          混ざり合う

          思考回路とこの先と

          悩んでいる。思いっきり悩んでいる。 頭の中がずっとぐるぐるとしている。 私は社会人になってから割とずっと悩んでいる。自分の仕事が合ってないと何度も何度も思ってしまう。どう頑張ってももう頑張り方が分からなくて、頑張っても私のなりたい方向にはなれないと気づく。だから前職は意を決して辞めた。それでも決意には長いことかかって、次に働きたい場所の求人が出たことと、周りの後押しがあって、ようやくだった。 転職してまだ一年。 長くは続けられないね、と同期は口を揃えて言う。私もそう思ってい

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          朝のにおい、スカイブルーの空気、ピンク色のあさやけ

          恋人と朝までカラオケで歌い尽くし、とても気分がよかった夏の帰り道。並んだ影といつもより少しふわりとした足取り。あさやけに向かって帰るのはすごくいいことのようで、でも朝までずっとカラオケボックスにいたのが、もう立派な大人のはずなのにすこし悪いことのようでおかしかった。 一歩前を歩いて差し出す彼の大きな手と、振り返って私を見る顔がどうにも好きでたまらない。

          朝のにおい、スカイブルーの空気、ピンク色のあさやけ

          手持ち無沙汰で

          私の母は絵を描いて生きてきた。今はもう殆ど描いていないけれど、中学から絵を習い、高校では美術の学科へ、新聞社の賞を貰ったりコンテストでも入選していて、卒業後はデザイン事務所で働いた。そのころ母がデザインした包装紙は数年使われていて今もどこかできっと生きている。話を聞くたびに誇りであり、それと同じくらい羨ましくもあった。自分が作ったものが誰かの手に渡るってどんな気持ちなのだろう。 私はと言えば中学のときから写真を撮るのがなによりも好きだった。 ずっと眺めていた青い空と白い雲、

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          通り過ぎていく、春

          春なのに(自粛ver.) 江沼郁弥の最新の曲のタイトルをTwitterで見て、胸を突かれた。 春。新年度。新しい環境。はじまり。桜。 うららかでおだやかで、あたたかさも丁度よくって、売っているお洋服は淡いカラーばかり。つい浮かれてしまう季節。 なにをするにも理想だけ高い私からしたら、また切り替えて一からやればいいよって自分に言ってあげることのできる、唯一やさしくなれる季節だ。 そんな春が、来たかと思えば同時に通り過ぎていく。そんな感覚と共に私は家にいる。 マスクを付け自

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          きらめき

          好きなアーティストを聴かれてうまく答えられないのは昔からなのだけど、前の私は、この人が知らない私の大好きで大切な音楽を口にして適当にあしらわれるのが嫌だったから口に出さなかった。でも今はどれが一番大好きなのか大大大好きなものが咄嗟に浮かばない。大好きなバンドはもうほとんど解散した。新しい音楽も耳にするけど、あのころの大好きとは絶対的に違う。音に縋っていた、あのライブのためにそこまで生きていようと本気で思っていた頃とは。 みんなの普通のように働いて生活をするため、音楽を本気で

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          過去と今日の執着

          私は幼い頃から二十歳までずっと闇の中にいた。それは毎日生きていたくない、というただ真っ暗な闇。それなりに楽しいことはあったけれど基本的にはずっとそうだった。 この先の人生をいくら想像してみてもいいことはひとつもなくて、生きている意味が分からなかった。私を必要な人はこの世に一人もいないと疑わなかったし、むしろいなくなった方が、みんなにとって良いとさえ思っていた。 そんな私が恋愛に夢中になれるはずもなく、人を好きになることも殆どなかったし、好きという感情自体よく分からなかった

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          インターネットは広い海

          他人がどう思うかは知らない。私にとっての話だ。 小学四年生の私に、父は専用のノートパソコンを渡した。これからはインターネットの時代、将来パソコンを使えないと困るから。父がパソコン関係の仕事をしていたことも理由の一つ、私の手に渡したその選択は正しかったのだろうか。今はもう分からない。 でももし、そのときにパソコンを渡されていなかったら。今全く違う人と出会い、全く違う仕事をしていて、性格まで違ったかもしれないと思う。そのくらいインターネットは大きな存在だ。 小学四年生の頃、

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          空から氷が降った日

          私はバスの中から外を眺めていた。どしゃ降りかと思っていたが、目線を下に向けると白い粒が地面に叩きつけられては消える。氷か。いや、それを雹と言うんだっけ。 私の恋人は準備のいい男だ。持っていたバッグの底から黒い折りたたみ傘を私に持たせて、電車に乗って行った。雪が降ると聞いていたのに薄手のアウターで寒い寒いと言い放つ私とは違う。もちろん傘を持っていくなど思い浮かぶことさえなかった。 バスを降りると人の多さに今日が土曜日だったことを思い出す。おまけに近くで大きいライブがあるらし

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