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ひとつなるもの すべてなるもの

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ひみの連載ストーリー
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#実話系不思議な話

第75話 スサナルの正体

第75話 スサナルの正体

 年明け早々、二日連続でヤマタ先生に会ってしまった。何度挨拶されてもその度に無視を決め込んでいるのだが、撃沈するのがわかっているはずなのに、めげずに彼は「こんにちは」と声をかけてくる。相変わらずのきつい香水の匂いが尾をひいて、纏わりついてくるようで喉が痛くなる。

 夜、布団に入ってからも、昼間会ってしまったことからヤマタ先生の意識が絡んで、まだ目を閉じただけだというのに学校の廊下で待ち伏せされて

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第69話 ふたご星の統合

第69話 ふたご星の統合

 夢を見ている。

 夢の中の私は、中学生の美術部員になっている。校舎に入っていく時に受付の横を通ると、見知らぬ受付職員さんが外部からの電話を受けていた。彼女はスサナル先生の名前によく似た初めて聞く名前を口にしながら、忙しそうに職員名簿を確認していた。

 そんな名前の先生、この学校にいたかなぁ。スサナル先生の間違いかなぁ。

 中学生の私はそのまま、顧問か誰かに言いつけられた用事を済ませて美術室

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第42話 着信

第42話 着信

 家の固定電話が2コール鳴って止んだ。

 その着信は昼夜を問わず、決まって私が部屋に一人きりの時にだけかかってくる。
 おそらく三〜四か月に一度くらいの頻度だろうか。結婚して家を出てからずっと、引っ越しや電話器の買い替え、また二度の電話番号の変更まで経たのにも関わらず、私しかいない時にお知らせのようにかかってきては、2コールだけ鳴ってから止んでしまう。

 ナンバー表示を契約していない我が家の着

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第26話 あかね空

第26話 あかね空



↑セッション受付中

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あかね空

 店を出ると雨は完全に上がっていた。

 たった二日間でここまで仲良くなった、SさんとTさんとのお別れも近い。
 というのも、大阪から合流した彼女たちは解散予定場所である南紀白浜空港までは向かわず、途中の駅から電車に乗って帰るという。

 少しだけ「小説」の世界を離れ、著者として個人的なわがままを言わせてもらえるならば、二日間の一期一会、この二

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第25話 雨空の品定め

第25話 雨空の品定め

↓陰陽の女神たちはいつでも手を差し伸べています。
その手を掴むかはあなたが決めてくださいね↓

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雨空の品定め

 ぱらぱらと小雨が降ってきた。 
少し重たい空の色とは対照的に、旅の全ての目的を終えた今、車内は静かに高揚していた。

 明確な一人を除いては、相手をツインレイだと断定するには早すぎるのはわかっていた。それでも残る三人も、心の中に各々この旅で思い至った男性を偲ばせ、そわそ

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第23話 羽音の導き

第23話 羽音の導き

↓闇を愛するお手伝いを。↓

羽音の導き

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 それから再び、登り道を行くことになった。
目指すのは、本殿と山頂の中間部にある玉石社。
おそらくは霊峰玉木山の中において、ここは要となるお社。気を引き締めて会いにいく。

 短い距離とはいえ、日頃の車移動中心の肉体には軽登山は堪える。山道特有の、丸太や石が埋まった歩幅の覚束ない段差も、徐々に、地味に体力を奪う。
 次第に息が上がってきた

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第21話 楽園の蝶と悲しみの泉

第21話 楽園の蝶と悲しみの泉

 ↓辛さの渦中にいる方に届け。↓

楽園の蝶と悲しみの泉

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 翌朝、旅館の朝食の席で、私は昨夜の“不動さん”との不思議な出来事を話した。
 だって電流ながれたんでしょう、そこまで行けばそれはもうツインレイ確定でしょうと、みんなは盛り上がって断定する。
「ひみちゃんそれ、気が急いちゃって他の人飛ばしてでも早く抱き合いたかったんでしょう。」

 そうなのかなぁと考える。
納得がいかない

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第20話 暗闇に駆ける閃光

第20話 暗闇に駆ける閃光

↓夏至の影響がとても出ています。軽やかに超えるお手伝いをします↓

↓本日時間未定で、わたくしひみも参戦します↓
実は私、○○なんです笑

暗闇に駆ける閃光

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 その晩、食べきれないほどの郷土料理と温泉とを堪能し、ロビーで四人、ひととおり喋り倒してから各々部屋に戻ったのは、夜十時をまわったころだった。
 持参した額を二枚、今は壁に寄せられた座卓の上に並べて見える角度を整えてから、私

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第19話 せせらぎに花の満つる

第19話 せせらぎに花の満つる

↓陰陽の女神たちの高次元エネルギーを体の芯に流します↓

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 三重県と和歌山県の県境を、熊野灘へと流れ込んでいく熊野川。その源流を辿っていくと、途中で一部、天ノ川と名前を変える地域がある。
奈良県の天川村付近、高天原の名に通じるという天ノ川は、澄んだ水の瀬をさらさらと優しく奏でている。

 天河弁財天から徒歩で南へ。空海のお地蔵さんがある橋のたもとから降りられる場所を探して、私たちは

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第18話 二柱の男神と弥栄の女神

第18話 二柱の男神と弥栄の女神

(ふたはしらのおがみといやさかのめがみ)

↓流れにまかせて。↓

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 関西国際空港は、夏からずっとリレーしている蒸し暑さと共に私たちを迎えてくれた。
 合流した二人を新たに加え、4人でレンタカーに乗り込む。
最初こそたどたどしく始まった会話だが、そこは同じ旅に申し込んだ者、まして女同士とあって、緊張を含んだ空気はすぐに溶けてゆく。

 先ほど羽田でもしてくれたまおちゃん自身のツイン

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第17話 空、渡る

第17話 空、渡る

↓陰極と陽極から上昇螺旋を描きます↓
重たい波動の流れとは対象に、現在軽い波動域は驚くほどびゅんびゅんしてます。
その流れに乗れるお手伝いをします。

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 空港でチェックインを済ませるとさっそく搭乗口を目指した。人がまばらにしかいない動く歩道を歩いていくと、髪をボブにカットした女性の後ろ姿が目に入った。

 あ、きっとあの人だ。そうか、同じく羽田発なんだ。

 ブログでたまに顔出しし

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第16話 ツインレイ

第16話 ツインレイ

↓陰陽の女神と共に、潜在意識と顕在意識に同時に直接働きかけて現実を変えていくお手伝いをします。
※時間枠拡大しました。“怖い“と思った方、なんだか気になる方、お待ちしています(^-^)

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 まおちゃんのブログには、もう一つ気になる単語があった。
双子の光線を意味する「ツインレイ」。
 今回まおちゃんは、セオリツヒメに繋がるお詣りを中心に、自身のツインレイに出会うきっかけとなるワーク

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第15話 六枚羽の輔翼

第15話 六枚羽の輔翼

↓実体担当meetooと高次元担当陰陽の女神達によるヒーリングエネルギーセッション↓

↑たくさんの光を流し込み、あなたの奥底のエネルギーをごっそり動かし軽くします↑

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 出発を翌々日に控えた晩、いつものように布団に入った私は、ぼんやりとセオリツヒメに思いを馳せていた。
…なんか、天女みたいだな。

 いつの間にかウトウトと夢と現を行き来しだした狭間の時、天女はとっくに消えていて、

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第14話 分かれ道

第14話 分かれ道

↓各記事たちのおうち笑↓
↓有料画像もただいま絶賛無料公開中↓

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 どのくらい長い間、怖さに身を浸していたことだろう。
呑み込まれないように、屈しないように牽制しつつも同時にすべてを体感しきる。
怖い怖い怖い、怖い怖い怖い…

「たのしーい!!」

 ぷわぁっと、弾けるような歓声があがる。子供のような声だと思った。
 その瞬間は唐突だった。
私の体の内側から、怖さの極から折り返した

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