第42話　着信

　家の固定電話が2コール鳴って止んだ。


　その着信は昼夜を問わず、決まって私が部屋に一人きりの時にだけかかってくる。
　おそらく三〜四か月に一度くらいの頻度だろうか。結婚して家を出てからずっと、引っ越しや電話器の買い替え、また二度の電話番号の変更まで経たのにも関わらず、私しかいない時にお知らせのようにかかってきては、2コールだけ鳴ってから止んでしまう。

　ナンバー表示を契約していない我が家の着信は、誰が、何の目的でかけてきているのかわからない。


　最初のほうこそ、正体を突き止めようと切れる前に電話に出ることに必死になった時期もあった。その大半は真っ当な用件のものだったが、それ以外のものとして時々中に、無音、無反応のまま途中でツー、ツーと切れてしまうものが混じっていた。
　そこで最終的には、頑張って出たところで相手がわからないのだから仕方がないとやり過ごし、3コール目が鳴ったものだけを取るということが、すっかり体に染みついていた。

　特に今まで怖いと思ったことはない。けど、おそらく何か、意味のある通信なんだろうとは思う。前回かかってきたのは確か、入学式の前後。今日はまだ五月の頭だから、約ひと月。
　さすがに今回はちょっと間が短いなと思う。


　ねぇ、時々お知らせをくれるあなた。
ガイドなの？ツインなの？私に恨みがある人なの？天界なのか霊界なのか、大事なものでも見落としているサインなのかな。


　ねぇ、あなたは一体誰なんだい？



written by ひみ

⭐︎⭐︎⭐︎

実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説（笑）、ぜひお楽しみください。

⭐︎⭐︎⭐︎

遡ってもらうとわかるけど、私の実家は自営業をやっていた都合、各部屋ごとに電話機があって、電話番号も複数あったの。
そんな状況下じゃ、この着信音の主もかけてきたくても無理だったのね。

さぁて、一体誰なんでしょう。

⭐︎⭐︎⭐︎

←今までのお話はこちら

→第43話はこちら