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12.進化の過程で得た化学兵器〜其の壱〜


こんにちは!がっきーです!

今回は植物が進化の過程で得た化学兵器

ポリフェノールについてお話しします。

前回のおさらい

・運動で健康になる理由は明確にはわかっていないが

 その鍵を握るのがホルミシス

・苦痛と回復、両者のバランスが大事で

 どちらか一方を重んじてはいけない。

・ホルミシスは食事でも応用できその代表例が

 AMPK食事法

であることについてお話ししていきました。

まだ読んでいない方はぜひ

こちらをチェックしてみてください。




ポリフェノールのABC

ポリフェノールは野菜が作り出す独自の成分で

ベリー類に含まれるアントシアニン

緑茶に含まれるカテキンが有名ですよね。

見た目が鮮やかなフルーツや野菜の色素は、

ポリフェノールに由来し、

野菜が体に良い理由の一つとして

よくメディアに取り上げられています。

1番耳にするのは体の酸化を防ぐ働きがあるということです。

ポリフェノールには活性酸素を取り除く働きがあり、

細胞のダメージやDNAの損傷を防いでくれる

という考え方です。

ある程度までは正しいのですが抗酸化作用だけでは、

ポリフェノールの効果は上手く説明することができません。

そこで出てきたのがホルミシスの考え方です。

干ばつで十分な水が得られなかったりカビが繁殖したり、

植物は日常的に多くのストレスに直面しますが、

人間と違って逃げることができません

そのために植物はほぼ10億年かけて、

多様な化学物質を作り出すように進化してきました。

唐辛子の辛味成分カプサイシンは抗菌作用で、

カビの繁殖を防ぎ、緑茶のカテキンは

害虫の消化をブロック。

熟していない柿が鳥の襲撃を避けられるのは、

タンニンというポリフェノールの渋味のおかげです。

いずれも植物が進化の過程で備えた化学兵器であり

その本質は毒物だったんです。

そして、これらの成分が私たちの体に良いのも

ポリフェノールが毒物だからです。

例えば、赤ワインのレスベラトールはNrf2という

転写因子を刺激し体内の解毒スイッチをONにします。

本来のNrf2はフリーラジカルのような外部ストレスで、

活性化するタンパク質であり

これはレスベラトールが毒素として働いたおかげで、

スイッチがONになったということです。

同じようにほぼ全てのポリフェノールが、

人体に酸化ストレスを与え体内の炎症抑制システムを

起動させることがわかっています

炎症は怪我や感染を治すには欠かせないもので、

炎症がなければ肉体はうまく回復しません

長引く炎症は人体を内側から老化させる

そこで役立つのが炎症抑制システムです。

システムの全貌は明らかになっていませんが、

体内の脂肪酸やミネラルを使って働き始め、

様々な手立てを講じて炎症の慢性化を

ブロックしてくれます。

体内の炎症を防いでくれるだけでなく、

将来のダメージに備えて肉体を強化してくれます

結果、体が若返ることができるのです。

ポリフェノールが体内で少量の毒として働き、

体内に軽度の炎症を起こす
        
       ↓

炎症に反応して人体の抑制システムが起動し

肉体のダメージが修復する

       ↓

ダメージ修復のプロセスでさらに肉体が若返る

このようなポリフェノールの作用は

ゼノホルミシスと呼ばれます。

そして、AMPKの活性化を促せるのは、

ポリフェノールの導入です。

エネルギー効率やDNAの修復能力の改善

ミトコンドリア生合成の刺激など、

私たちの肉体を細胞レベルから若返らせてくれます

ポリフェノールの増量はアンチエイジング食の

第一歩とも言えますね。

ポリフェノールの量が最も多いものは….

ポリフェノールの量が最も多いものは

基本的にスパイスやハーブ類です。

しかし、いつもの料理にバジルやターメリックなどを

大量に使うのは難しいかもしれないですよね。

カロリーとのバランスでいえばベリー類、コーヒー

緑茶などで総量を上げながらトマトやビーツなどといった

赤紫色の野菜を増やすのが現実的です。

ポリフェノールがもたらす効果

ポリフェノールの効果をざっと箇条書きします。

・ポリフェノールを取ると癌や心疾患による

  死亡リスクが10-20%の範囲で低下する

・ポリフェノールの摂取量は1日500mg前後で最大化する

500mgは、

ブルーベリー100-150g

緑茶1杯

りんご1個

オレンジ1個

で摂取できます。

意外と簡単にできそうですね。

最後に

ホルミシスの基本概念である

少量であれば有用に働くというのが

ポリフェノールにも当てはまり、

野菜を食べると健康になる大きな理由の

一つとして機能していることがわかりました。

アンチエイジングを意識している人

美容に興味がある人には欠かせない成分ですね

さて、次回はAMPK食事法のふたつめ

ファスティングについてみていきたいと思います。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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