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東京じゃない場所へ。

原稿の繁忙期2月・3月を乗り越え、4月は新しい案件に取り組み…そんな日々に一区切りをするため、このGWは多めに休みをもらって久しぶりに旅行へ。

そう遠くない場所を選び、今回は山梨県へリピート旅行。忙しなく観光地を回るというより、美味しいフルーツでも食べてのんびりしたかった。

高尾、甲府…と山間が深くなるにつれて、濃い緑の景色が現れる。新緑が美しい季節だ。

ペンションに向かうため、曲がりくねった山道を何度も通る。たまに道端でトレッキングポールを持った元気なお年寄りたちが歩いているのを見ると、こんなに険しい山を登ってきたなんて、すごい!とエールを送りたくなる。


やがて田園風景の広がる民家が点在した道に入る。数キロおきに薬局やらカフェなどが現れるが、付近にコンビニは見当たらない。また、あぜ道を進むトラックの荷台には犬が乗っていたり、ほっかむりをしたお婆さんが、伸び放題の植物の葉をプチプチとむしっていたり…。5月のGWを迎えても、この地域一帯のみなさんの暮らしは、いつもと何も変わらないよう。こうした道を通るたびにわたしは、その土地で暮らす人々の生活に思いを馳せる。

もし病気になってしまったら、大雨が降って外に出られなくなってしまったら、停電が起きて何もできなくなってしまったら…——。

のどかな土地で暮らす、平安でのびやかな人々の暮らしに魅力を覚える反面、今の自分のあまりに便利な暮らしぶりと比べて、不安なことも大きいのではないか?と余計な心配をしてしまう。


わたしは”田舎”に触れたことがない。生まれは兵庫、そのあとも神奈川、東京と土地を転々としたが、幸い交通にも暮らしにも便利な場所に住んでいた。祖父祖母も東京に住まいを持っていたし、いつも何一つ不自由のない環境で暮らしを送ってきたのだ。

都会暮らしが悪いということではないが、だからこそ『田舎暮らし』でしか味わえない楽しさと感動に憧れるし、そしてその暮らしには”憧れ”だけではどうにもならない大変さや苦労があるものなんだろう、と思っている。

今回の旅行でもまた、山梨県の人々の暮らしに触れながら、都会暮らしの自分と、田舎暮らしの皆さんの生活について考えた旅行になった。生活のスタイルが違うからこそ、魅力に感じる部分が多いことも事実。便利な自分の生活に感謝しつつ、のびのびと自然に触れる暮らしに癒された。

そんなわたしは旅行に際すと、いつだって意図せず山奥の宿を選び山道を進むのであった。苺のフルーツタルトも、信州牛のステーキも、桔梗屋の信玄餅ソフトも、みんな美味しかった。この”美味しい”を作ってくれた方々に感謝。東京じゃない場所に行くことが、わたしは好きである。


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