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「ボーカロイド」と聞くと、無性に恥ずかしくなる

「ボーカロイド」ーーーヤマハが開発した合成音声技術、およびその応用製品の総称。初音ミクに代表される、あれだ。

 今をときめく米津玄師も、昔はハチという名義でボーカロイド曲を投稿していた、という話は有名であろう。

マトリョシカ / ハチ


 「ハチの頃から好きやったし」というマウント、とりがち。

 私が現在のように邦楽のロックバンドを頻繁に聞くようになったのは大学に入ってからだ。中学生から高校生の間はそりゃあもう真っ黒に塗りつぶされたようなニコ厨(ニコニコ動画中毒者)であった。ニコ動御三家と呼ばれたボカロも東方もアイマスも一通り全部ハマったからな。


 思春期に熱中したものってみんな恥ずかしいよね?そうだよね?そうって言ってよ


出会い

 中学校1、2年の頃までは流行りのBUMP OF CHICKENやRADWIMPSしか聞いておらず、音楽にもさほど興味はなかった。

 ミュージックオブインターネッツへの邂逅は、ポケモンの動画を見ていた際に関連動画に表示されたこの曲だ。


トルコ行進曲/ オワタP

 ウッッワノリが昔の匿名掲示板。クラシックの替え歌という発想が面白い。\(^o^)/の誤用ににシュバってた人たち今も元気かな。
 
 とにかく、当時の自分にはボーカロイドはとても新鮮で先進的、かつオタク文化がために口外できない自分だけのものに思えた。

 ニコニコ動画特有の閉鎖的な雰囲気もあいまって、すっかりひっそりハマってしまった。関連動画に表示される動画を片っ端から視聴し、毎週投稿されるボーカロイド曲ランキングの動画をチェックしては検索した………



 自分から音楽を探す楽しみを知ったのはこの時だったんだ。



トーマ

 2012-14年ごろが私にとってボーカロイドの全盛期だ。はや7、8年経つのか。やたら高くて早口で息継ぎのない曲を原キーで一生懸命カラオケで歌ってたな。ボカロ一切歌わないのにカラオケいつも付き合ってくれてた岸本くんありがとうな。

 当時の違法ダウンロードサイトで500曲くらいmp3で落とし、精一杯ウォークマンに楽曲を詰め込んでは聴いていた。好みはこういうのだった。

九龍イドラ / トーマ


 素直にかっこいい。今聴いても新しい。トーマはトリッキーな曲展開や捲し立てるようなリズムのいい歌詞と、退廃的な世界観が特徴だ。

 アルバム「アザレアの心臓」を出し、急に行方を絡ませてしまったがために、半神格化されていたように思う。



 そういえば、この人は名前を変えて最近になって復活して話題になってたな。お洒落。。。音楽を続けていたことが嬉しい。

Lowland / gyoson

Neru

ボーカロイドで特に一番好きなのはこの曲。


脱法ロック / Neru

最底辺に沈め 沈め
社会不適合者に堕ちろ 堕ちろ
自殺点ばっか決めろ 決めろ
理想像なんて捨てろ 捨てろ
それが脱法ロックの礼法なんですわ

 偏差値ひっく。高校ならヤンキーとオタクしかいなさそう。目まぐるしいカッティングギター、ドラムの透き通るようなスネアの音、好みオブ好み。MVは見る脱法ドラッグやん。
 Neruは、命令文を多用し少し厨二病染みたロックライクな作風で人気を博していた。
 生まれて初めて買ったCDもNeruの「世界征服」というアルバムだったな。

 でも…初めて買ったCDがボカロです!ってなんだか胸を張って言えないな…

じん

 あと外せない投稿者がいる。カゲプロ……カゲロウプロジェクトという、少年少女のキャラクターを主人公としたストーリーのある音楽作品群を立ち上げた、じんだ。

夜咄ディセイブ / じん


 曲はめちゃくちゃかっこいいんだよな。なんだこのバッキバキのジャキジャキギター。好きやて。現ヒトリエでドラムをしているゆーまおのドラミングも大好きだ。

 俺は賛否否否両論だったアジカン「Re:Re:」のカバーも好きやったぞ。

 カゲロウデイズ。この単語もだいぶ小っ恥ずかしくなる。何を隠そうこれにもきっちりハマった。小説も漫画もしっかり揃えていた。
 また、MVに出てくるイラスト(しづ)が特徴的で、よく真似したな。この作品が好きになったおかげでイラストを描くことも好きになった。

 ファンのメイン年齢層が小中学生で低く、インターネット上では叩かれがちで、当時高校生だった私は非常に肩身が狭かった。
 それでも、人気はかなりあったように記憶している。
 ストーリーもキャラクターも良いし売れてたしなんでアニメ化しなかったんだろう?

「………クターズ」

ん?

「メカクシティアクターズ」

 なんか幻聴が聴こえるな。原作者がアニメに介入して意味不明脚本のめちゃくちゃになるなんてありえるわけないだろ。変なキノコでも食べたかな。

サマータイムレコード / じん



思春期とともに

 wowaka、40mP、DECO*27、junky、kemu、Mitcihe M、みきとP、ジミーサムP、ピノキオピー、れるりり、sasakure UK、日向電工、kz、黒うさP、ラマーズP、電ポルP、うたたP、ほぼ日P、さつきがてんこもり………

……挙げればきりがないが、あの頃、私はボーカロイドに夢中だった。紛れもなく思春期とともにあった音楽だ。

 現在はニコニコ動画も斜陽になり、ボーカロイド文化も下火になってしまった。盛者必衰の理か。少しも寂しい気持ちを持ってないと言えば嘘になる。



 思春期のことを思い出すのは恥ずかしい。それでも、音楽を愛していた気持ちは本当で、あの時の気持ちは忘れないでいたい。


ティーンエイジよ、永遠に
未来のことを睨みつけながら 行こう

ティーンエイジネクラポップ / 石風呂

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