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ひとりぼっちの宇宙遊泳。
要点:手が届きそうで届かない場所への憧れ。夢はいつも創造力の限界線の上にあること。
いつか宇宙遊泳がしたい。そう願っている。
太古の昔、詩人は鳥になる夢を見た。届かない空が憧れの器だった。科学が進歩した時代の僕らは、空にたどり着くことができるようになった。飛行機の切符を買って、空港に行きさえすれば良い手軽さは、憧れの器にはもうなり得ない。
僕らはその代わりに宇宙遊泳をする夢を見る。真空が生み
読書感想文(ハピネス)
要点:ハピネスを読んで思ったこと(まだ途中までだけれど)、吸血鬼に憧れを持つ理由、フィクションとの関係性
僕らは皆、吸血鬼に憧れている。ただし、僕らが憧れるのは、怪物となった吸血鬼ではなくて、人間に戻りたいと願う吸血鬼だ。
人と同じように生活したくても、血を飲まなければ生きていけない。人を襲いたくないという祈りと、極限の飢えとの狭間で、救いを渇望している姿は、僕らの憧れそのものだ。自分は怪物で
その先にはきっと何もない。
要点:夕焼けから生まれるノスタルジー、人生の捉え方。
眩しい夕暮れに目を細めている時に不意にわいてくる喪失感。西日の淡いオレンジに染まった壁に等身大の自分の影が映っている。
希望なんて大袈裟なものではないのだけれど、まだ知らない何かが世界には溢れていて、まだ何者でもない自分に可能性を感じていた時があったはずだった。
気がつくとそんな近未来のわくわくはどこかへ廃棄されていて、こうやって可もなく