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人とともに、長く愛される空間をつくるには?|インテリアデザイナー 渡辺力 インタビュー

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今回は商業施設を手がけ、数々のデザインアワードも受賞する、インテリアデザイナーの渡辺力さんにインタビューしました。

▲インテリアデザイナー・渡辺力さん(JOKE.)

そっと気持ちに寄り添う、思いが詰まった空間づくり

──まずは自己紹介をお願いします。

渡辺:JOKE.の渡辺力と申します。普段は、クリニックや飲食店などの内装デザインをおこなっていますが、最近では外装の段階から関わらせていただくことも多くなりました。

大学は東京造形大学でプロダクトを専攻し、その後は設計事務所を転々として自分がデザインできる案件の幅を広げながら活動。今年で独立して10年になりましたが、まだまだやりたいことはたくさんあります(笑)。

──小さい頃から家具や建物がお好きだったんですか。

渡辺:元々僕は絵画や彫刻が好きだったんですが、特に倉俣史朗さんの『ミスブランチ』や『アンブレラスタンド』を見て、デザインって自由で面白いことができるんだって感銘を受けて。そこから家具や照明を勉強していくうちに空間全部をやりたくなって建築も見るようになりました。

──2022年に手がけられた「KAMAGAYA ART CLINIC」は、彫刻的だったり、光の採り入れ方だったりという渡辺さんのバックグラウンドが現れている気がします。

渡辺:ありがとうございます。KAMAGAYA ART CLINICは、今まで手がけた中でも一番大きいものになります。

▲Photo:Masato Kawano / Nacása & Partners Inc 出典:JOKE.「KAMAGAYA ART CLINIC」


この案件を担当するにあたり、来院される方へヒアリングやクリニック周辺の調査など細かく情報整理していきました。その中で見えてきた情緒的な部分をマテリアルで表現しようと思い、心を落ち着かせる効果が期待できるパワーストーンや“繁栄”という木言葉があるブナを使用。極力意味のないマテリアルの選び方はしないように、且つみなさんの背中を押してあげられるような場づくりを心がけました。

▲Photo:Masato Kawano / Nacása & Partners Inc


外装の部分でも、クリニックの周りは光と風が気持ちよかったので、そのメリットを活かしたデザインにして、昼と夜の表情が異なる味わい深いものに仕上げました。

──写真でも伝わる、気持ちが安らぐ空間はマテリアルによるものだったのですね。渡辺さんのマテリアルの選び方が緻密なのだと感じました。何かこだわりはありますか。

渡辺:可能な限り経年変化を楽しめる素材を選びたいなと思ってます。何十年経っても美しく、病院やバー、レストランのスタッフの方たちが愛着を感じるようなマテリアルを探したいので、メーカーさんの工場へ見学しに行くこともあるんです。実際に見て選びたいのもそうだし、工場の方たちと話して思考を巡らせることも好きですね。現場では職人さんにお願いする立場なので、マテリアルの知識を蓄えておくという意味でも見学に行くようにしてます。


──マテリアルへの愛が感じられて素敵です。渡辺さんが今後していきたいことを教えてください

渡辺:見たり感じただけで、涙が出るようなものを造っていきたいです。
大学時代の恩師の言葉ではあるのですが、「夕日のようなデザイン」をしたいです。夕日の美しさって万国共通じゃないですか。それがただ美しいと感じるのか、切ないと感じるのか人それぞれかと思うのですが、何も感じないってことはないと思うんですよ。

仮に何も感じないほど心に余裕がなかったとしても、僕が造ったモノ、あるいは現象で、救われたり心が揺さぶられる、そんなデザインをしていきたいです。

知らなかったマテリアルを発見できる、Material Bank® Japan

──話は変わりますが、Material Bank® Japanを使ってみていかがでしたか。

渡辺:めちゃくちゃ便利です。すぐ届くのもありがたいし、返せるのはもっと嬉しいです。オフィスに溜まらないのは頭の整理にも繋がりますよね。今までもサンプル請求はネットからやっていましたが、必要なものだけを取り寄せたんですよね。
でも、Material Bank® Japanは見て・触って・返せる。その気軽さがいいなと思っていて。頼んでみて違ったなと思っても返送できるので罪悪感がないです。


──たくさんご利用いただいていますが、Material Bank® Japanを使ってみて生まれた変化はありますか。

渡辺:マテリアルがすぐ来ることによって、判断のスピードが上がった気がしますね。Material Bank® Japanはサンプルを同時配送でき、職人へも送れるので、より密なコミュニケーションが取れるようになったし、自信を持って引き渡しができていると思います。

──ありがとうございます! 実際に採用となったマテリアルはありますか。

渡辺:LIXILのタイルが採用になりました。ブランド自体はもちろん以前から知っていたんですけど、どういうものかを想像できていたから、正直詳しく見ることがなかったんですよね。それがMaterial Bank® Japanで検索してみたら、知らなかったタイルが出てきたんですよ。こういう知っているメーカーに知らないマテリアルがあるって発見ができたのは嬉しかったですね。

▲取り寄せて採用となった、LIXIL「火色音(ひいろね) 釉もの」

LIXIL「火色音(ひいろね) 釉もの」はこちら

このタイルは、釉薬のグラデーションが綺麗で品のある空間をつくるのにぴったりだなと思いました。取り寄せて良かったです。

──お役に立てて光栄です。最後に、Material Bank Japanに期待することを教えてください。

渡辺:全部は難しいかもしれないですけど、マテリアルを網羅して欲しいですね(笑)。知らないマテリアルをもっと見てみたいので、大手のメーカーさんもそうですけど、その地方特有の素材をつかったメーカーさんがあるとより嬉しいです。ぜひお願いします。

──ありがとうございます。たくさんのメーカーさまにご参画いただけるようにアップデートしていきます!

JOKE.

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