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#コラム
熟練を見せつけるユーフォリックなダンス・ミュージック The Chemical Brothers『For That Beautiful Feeling』
イギリスのダンス・ミュージック・デュオ、ケミカル・ブラザーズは良質なダンス・ミュージックを作りつづけてきた。テクノ、ハウス、ロック、ヒップホップなどさまざまな要素が混在したトラック群は多くのリスナーに愛され、いまもなお聴かれている。
マンチェスターのアンダーグラウンドなクラブ・シーンから出発した彼らの旅を振りかえると、興味深い点がたくさんあることに気づく。ビッグビートというジャンルをメインス
実存は本質に先立つ 『aespa LIVE TOUR 2023 ’SYNK : HYPER LINE’ in JAPAN』@さいたまスーパーアリーナ 4/16
4月16日、韓国の4人組グループaespaがさいたまスーパーアリーナでおこなった『aespa LIVE TOUR 2023 ’SYNK : HYPER LINE’ in JAPAN』を観てきました。結論から言うと、とても素晴らしかったです。テクノロジーを駆使した演出からタイポグラフィーまでさまざまな仕掛けが飛びだすライヴは、視覚的楽しさでいっぱいだった。重低音を前面に出した曲群はレイヴィーと言え
もっとみる人々の不安や哀しみに寄り添うLoyle Carner『Hugo』の誠実な言葉
UKラップ・シーンにおいて、ロイル・カーナーというラッパーは独特な立ち位置を保ってきたと言える。サウス・ロンドンのランベスで生まれたカーナーは、グライムやUSヒップホップの影響下にありながら、それらの音楽とは毛色が異なるサウンドを作品では鳴らしているからだ。他のUKラッパーがアフロスウィングやUKドリルを定石とするなか、ジャズ、ゴスペル、ソウル、ファンクといった要素が濃い方向性を突きつめ、孤高的
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