碧海祐人

宅録音楽家 / シンガーソングライター 文章を書くのが好きです、行間を汲み取ってくだ…

碧海祐人

宅録音楽家 / シンガーソングライター 文章を書くのが好きです、行間を汲み取ってください。

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きっと春に雪が降るようなことじゃない

今日は知り合いが、少し前の約束をよく思い出すわね、と言う。どこか、もの思いに耽るような顔をして。 連絡が来る。明るくなっていく街からの光で部屋が青くなる頃。素直…

碧海祐人
3か月前
9

次の嘘は、君に喜ばれるだろうか?

蝉の抜け殻を足元に眺め、立ち尽くす青年を見た。 夕立の匂いが街に張り付いて、雲の影が魚影のように澱みなく進んでいく。 次の嘘は、君に喜ばれるだろうか?自我の隅っ…

碧海祐人
19分前

反復横跳びを始めるような気概で

自分のことが綺麗に模れそうな帰り道、蛇腹みたいになった私の創造性。片っぽから照らせば赤、片っぽからは蒼。 「伝わらないなら意味がない」なんてこと、ないよ?きっと…

碧海祐人
2日前
12

転写する旅.2

あなたが思うことは誰にもわからない。 日々、繋がりを問うように生きて、お為ごかしの通知と仮面のダンスパーティを生き過ぎて来た僕らには、もう自分の感覚なんてわから…

碧海祐人
1か月前
6

毎週誰かが新曲を発する。

毎週誰かが新曲を発する。ちゃんと良かったり、どこか良くなかったりする。 果たして、作られた物に生命一個体として全身全霊で向き合えているか?と、毎週水曜日に必ず思…

碧海祐人
2か月前
39

liner note___「遠吠え」

朝方の淡い水色と、夜去の群青。 何かを作ること、そこに渦巻くはかりごとと意志。 背後にある大好きな80s、汲んでオマージュして受け継がれてきた鮮やかすぎる愛。 作…

碧海祐人
2か月前
14

転写する旅

ある日空から落ちてきた探査船は、どうしても隠しきれない秘密を燃料に、裏の森に降り立った。木々の隙間からほのかな焚き火が見える。狼煙は空高く伸びている。星を眺めれ…

碧海祐人
3か月前
1

へらへらと石橋を叩くような。

最近気づいた事だが、フォーマルな場面や固い空気の中で、くだけた発言をする事が多い。そしてその後にへらへらする。この自分の笑い声に気づいた時には寒気がした。なぜだ…

碧海祐人
3か月前
16

社会と自分のどうしても繋がりづらい関係性

「tiktokをダンスなどで戦略的に〜」 「俳優業を専門でやっていくならマネタイズが〜」 カフェで細イケメン黒タートルネックがブランド物片手に流暢に吐き出す言葉たち。 …

碧海祐人
4か月前
15

抑えきれない気持ちがあるのなら、月を見て偲べば良い

表明すること。例えば有名な誰かが亡くなった時、何かを経験した時、人はSNSに、人生における大きな影響を長文で書き記す。 「いや、それ一人でやれば良くないか?」 と…

碧海祐人
4か月前
46

僕を支配する誰かのさみしさなど

綱渡りのような帰路で、心と穏やかな時が分裂する。この気持ちをどう伝えたらいいのだろう?わからないから、読み手にもこれを伝える為に、わからないものを書く。 まるで…

碧海祐人
4か月前
14

信じていた音楽は効力を失った

耳の聴こえないあの娘の事を思い出して嫌になったり、僕が座る岬にはもう何も無いのかもしれない事に落胆したり、「誰もが自分勝手だな」と思った自分が 、その最たるもの…

碧海祐人
5か月前
13

言葉がありふれた世界で、また君と交信したいと想う

僕らにできることなんてものすごく限られていると思う。それはそのはず。 三つ並びの席のど真ん中に腰を下ろす。それもそのはず。 反射する水面に、鏡に、強く期待を込め…

碧海祐人
6か月前
10

やさしいはなし

友人が去ってしまった店内はやけに静かで、ふと流れ出すMy foolish heart。薄暗い中に伸びるセードの影を眺めている。 今日この小さな喫茶店に辿り着くまでの、まるで日記…

碧海祐人
6か月前
8

読む気のない本を集めて、歌う気のない歌を作って

誰かの事を考えて言葉を待つその間に、渦巻いた血が歪さを掲げて追いかけてくる。 余裕がないと怒りに変色するのが早い。 せめぎ合う気持ちの奥で穏やかな言葉に変換する…

碧海祐人
6か月前
9

liner note?___「Opal];

 「Opal」に関して振り返っていきまス;// 目谺。 ・所カnn *歌詞;// ・聴こテ欲しい謇? <br>*結ビ&& 所感||"" いつかの心の状態について話そう。 横隔膜みたいなもの…

碧海祐人
7か月前
9
きっと春に雪が降るようなことじゃない

きっと春に雪が降るようなことじゃない

今日は知り合いが、少し前の約束をよく思い出すわね、と言う。どこか、もの思いに耽るような顔をして。

連絡が来る。明るくなっていく街からの光で部屋が青くなる頃。素直になって言うべき大切なことを隠す。これで、何回目だっただろう。

誰かが本当にいなくなってしまうような、そんな事が日常の真隣にはあるはずなんだ。それは、きっと春に雪が降るようなことじゃない。

今日も知り合いが、少し前の約束をよく思い出す

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次の嘘は、君に喜ばれるだろうか?

次の嘘は、君に喜ばれるだろうか?

蝉の抜け殻を足元に眺め、立ち尽くす青年を見た。

夕立の匂いが街に張り付いて、雲の影が魚影のように澱みなく進んでいく。

次の嘘は、君に喜ばれるだろうか?自我の隅っこで、裏切られるギリギリをにやけながら歩けたらと思う。時間はもうない。厳密には、ずっとあり続けるし、ずっともうないような感じだ。

雨が夏の街を壊して、虫の声が少し止む。彼の頭の中にも大いなる何かが渦巻いて、瞬く間に次の嘘で、誰かへの筋

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反復横跳びを始めるような気概で

反復横跳びを始めるような気概で

自分のことが綺麗に模れそうな帰り道、蛇腹みたいになった私の創造性。片っぽから照らせば赤、片っぽからは蒼。

「伝わらないなら意味がない」なんてこと、ないよ?きっとその眼差しを止めることの方が意味ないんじゃない?
やめてー、強い言葉や誰かの意見で私を縛らないでー。自由になった角を知らないところで削ってくれたらそれでいいの。私は私で一所懸命なの。あなたもそうだろうけれど。

遍在のようなことを考えては

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転写する旅.2

転写する旅.2

あなたが思うことは誰にもわからない。

日々、繋がりを問うように生きて、お為ごかしの通知と仮面のダンスパーティを生き過ぎて来た僕らには、もう自分の感覚なんてわからないと思う。

自分に起きていることを客観的に観察しているふりをしてみたり、愛している人の境遇を憂いたり、または妬んだり、力無く握った拳がモルタルやベニヤを破壊しふと我に帰る時、生物として強く情けなさを思う。

もうどうでもよくて、誰かの

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毎週誰かが新曲を発する。

毎週誰かが新曲を発する。

毎週誰かが新曲を発する。ちゃんと良かったり、どこか良くなかったりする。
果たして、作られた物に生命一個体として全身全霊で向き合えているか?と、毎週水曜日に必ず思う。まるで研究者が恐る恐る顕微鏡を覗くように。マウンドのピッチャーがキャッチャーのサインに首を振るように。

およそ一年前に世界を模ったあのアルバム。もう誰もあの曲の話をしなくなった。奪われ続ける心と裏腹に、トップソングという名前の山から滑

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liner note___「遠吠え」

liner note___「遠吠え」

朝方の淡い水色と、夜去の群青。

何かを作ること、そこに渦巻くはかりごとと意志。

背後にある大好きな80s、汲んでオマージュして受け継がれてきた鮮やかすぎる愛。

作ることの途中に生じる副次的な苦しさ。

街にまとわりつく退廃、いけ好かない空気、地獄みたいな雲。

誰かからもたらされた譲れないもの。

___________________

かってえ言葉でニュアンスを伝えさせてもらいました。音

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転写する旅

転写する旅

ある日空から落ちてきた探査船は、どうしても隠しきれない秘密を燃料に、裏の森に降り立った。木々の隙間からほのかな焚き火が見える。狼煙は空高く伸びている。星を眺めれば吸い込まれるようで、量子的な何かに意識を食われる。気づけば真白の中にいて、またしても感動していた。

いつかの記憶で夏を象徴するような女性が、ある日夢に出てきたようで朝起きる。脳が認識を獲得していくうちにぼんやりと忘れる。最近出逢ったあの

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へらへらと石橋を叩くような。

へらへらと石橋を叩くような。

最近気づいた事だが、フォーマルな場面や固い空気の中で、くだけた発言をする事が多い。そしてその後にへらへらする。この自分の笑い声に気づいた時には寒気がした。なぜだろうかと深化していく。

主張ではなく、その人の自信。多くのステージに立つ人間は胸を張って大きな声で真面目な事を真面目な顔で話す。随分と立派そうである。
もちろん褒められるべき事だが、そこにある大きな違和感にいつも複雑な気持ちになる。どうし

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社会と自分のどうしても繋がりづらい関係性

社会と自分のどうしても繋がりづらい関係性

「tiktokをダンスなどで戦略的に〜」
「俳優業を専門でやっていくならマネタイズが〜」
カフェで細イケメン黒タートルネックがブランド物片手に流暢に吐き出す言葉たち。

その間の僕の心はというと、

「ああ!駄目だわ!無理すぎる!劣等感!気持ち悪すぎる!心がキツい!」
でした。

いや、別に良いのよ。ブランド物も、黒タートルネックも(なんで起業してますよ系ビジネスマンチックな人ってみんな黒タートル

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抑えきれない気持ちがあるのなら、月を見て偲べば良い

抑えきれない気持ちがあるのなら、月を見て偲べば良い

表明すること。例えば有名な誰かが亡くなった時、何かを経験した時、人はSNSに、人生における大きな影響を長文で書き記す。

「いや、それ一人でやれば良くないか?」

と、思ってしまう僕は性格が悪いんだろう。中にはそこまでの感動や影響を受けてもないくせに(そういうのって作品や人柄から結構わかりますよ)軽々に載せやがる輩もいる。「今日は尊敬する〜さんとワークショップでした。光栄で、実りある時間でした!」

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僕を支配する誰かのさみしさなど

僕を支配する誰かのさみしさなど

綱渡りのような帰路で、心と穏やかな時が分裂する。この気持ちをどう伝えたらいいのだろう?わからないから、読み手にもこれを伝える為に、わからないものを書く。

まるで当たり前のように選りすぐられた果実、この無力さはきっと人にしか発生しないもの。詳らかにしていけば、澱みでしかないキメラのような歪な動物。ただし人はそれに従事する。

これは天体にケチをつけるようなこと。やめておくか、と思う。
そう、星や月

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信じていた音楽は効力を失った

信じていた音楽は効力を失った

耳の聴こえないあの娘の事を思い出して嫌になったり、僕が座る岬にはもう何も無いのかもしれない事に落胆したり、「誰もが自分勝手だな」と思った自分が
、その最たるものだったりする。

信じていた音楽は効力を失った。ずっと頼りきりで、プレイリストの一番初めにあったあの歌。僕らの天井を切り裂いた傷みたいなあの詩。
結局そうなってしまうなら、くだらないと思う。全てを捨てて意識だけの存在にでもなりたい。今なら、

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言葉がありふれた世界で、また君と交信したいと想う

言葉がありふれた世界で、また君と交信したいと想う

僕らにできることなんてものすごく限られていると思う。それはそのはず。

三つ並びの席のど真ん中に腰を下ろす。それもそのはず。

反射する水面に、鏡に、強く期待を込めて眼差しを送る。ような、そんな風に君の時間を貰った。さりげない優しさなんて存在しなかったはず。何かを最後まで走り終えることは最高速を捉え損ねることなんだと。

一時間前に飲んだアイスコーヒーが強く胃を軋ませる。

言葉がありふれた世界で

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やさしいはなし

やさしいはなし

友人が去ってしまった店内はやけに静かで、ふと流れ出すMy foolish heart。薄暗い中に伸びるセードの影を眺めている。

今日この小さな喫茶店に辿り着くまでの、まるで日記のようなくだらない、どこにでもある話をさせて欲しい。

急いで街を走り抜けて、それでも電車に乗れなかった時の寂しさだとか、誰かの苛立ちに満ちた行動が自分に向いた時の苦しさだとか、おおよそそんな感じであった。心。
小さな成功

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読む気のない本を集めて、歌う気のない歌を作って

読む気のない本を集めて、歌う気のない歌を作って

誰かの事を考えて言葉を待つその間に、渦巻いた血が歪さを掲げて追いかけてくる。

余裕がないと怒りに変色するのが早い。

せめぎ合う気持ちの奥で穏やかな言葉に変換する時の副産物はいつも疲れだけだ。

確かなことなんて何もないから奪われていく。
優しさの裏返しが見放すことになってしまいたくなくて伝えていたことすら、僕のためだ。

読む気のない本を集めて、歌う気のない歌を作って、素直じゃないと詰められた

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liner note?___「Opal];

liner note?___「Opal];

 「Opal」に関して振り返っていきまス;//

目谺。

・所カnn
*歌詞;//
・聴こテ欲しい謇? <br>*結ビ&&

所感||""

いつかの心の状態について話そう。

横隔膜みたいなものが動いて、その度にその表面のざらざらが酷く痛い。君にとって世界はそんなに美しいかな?もう終わった何かにすがりついたまま、時間をただ浪費していくのにはもううんざりなんだよ。かといって、きっともう何も変わら

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