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『日本文化の核心』をともに読んで──読書会「ブックダイビング」に出ると何が起きるの?②

前回に続き、読書会をともに企画開催している仲間である、ゆーじんさん・ちさとちゃんと一緒に、読書会「ブックダイビング」について語った対談の内容をお送りします。

前回の記事はこちらです。
読書会「ブックダイビング」に出ると何が起きるの?①『暇と退屈の倫理学』編

『日本文化の核心』をともに読んで

まさき:
前回に引き続き、今回も「ブックダイビングに出ると何が起こるのか」という問いに対して、ゲストのゆーじんさんとちさとちゃんを交えて、3人それぞれが感じていることを話していきたいなと思っています。

前回もいろんな話題が出てきましたが、今回まず私からお話させていただきたいと思います。

「ブックダイビング」の第2回は、松岡正剛さんの『日本文化の核心』という本をテーマに全4回でやらせてもらいました。

松岡正剛『日本文化の核心 「ジャパン・スタイル」を読み解く』(講談社現代新書)

あの本を読んで面白かったのは、「日本文化」と言われても広くて、どう捉えたらいいか分からないものを、松岡正剛さんが丁寧に整理してくれていて講義を受けてるかのような感覚がありました。この本を切り口に「日本文化」という我々の日常に散らばっている文化の輪郭をしっかり捉えさせてくれたなと思います。

読書会の開催が正月のタイミングだったので、正月の行事や習慣、例えば初詣がどういう意味のある行いであるか、とか考えさせられましたね。

さらに日本文化というものをもっと知りたいという気持ちが湧いてきて、なんと滝行に行ったというのが自分の中で大きかったです笑。山岳信仰は多神多仏の日本文化の最たるものだと思い、味わいに行ってやろうと。本の影響を大きく受けて、そこまでやったのは、今でも「よく行ったな」と思ってます笑。

新潟県南魚沼市・八海山尊神社の節分祭(2月3日)で極寒の中行われた滝行

ゆーじん:
滝行に行って何か気づいたことはあるんですか?

まさき:
うーん、気づいたことっていうのはあんまりないかもしれないですね笑。

ゆーじん:
あんまりないんですね笑。

まさき:
うん、あんまりない笑。いいこと言おうかなと思ったんですけど、あんまりないかもしれないですね笑。多分そこまでまだ味わいきれてないという気がしてます。もっと頭だけじゃなくて、心も体も含めて飛び込まないと、なかなか真髄を味わいきれるものではないなと。そういう深さを感じましたね。

ゆーじん:
ああ、なるほど。いいですね。

まさき:
なので、もう少し山岳信仰を知りたいと思って、今度修験道の山伏の修行にも行ってくるんですけど、段階を踏んでいかないと分かんないな、というのが正直な気持ちですね。

ゆーじん:
分かんないけど、惹かれるものがあるということなんですね。

まさき:
すごい大事だなという感覚はあったんですよね。

神にというか、山に敬意を払ってお祓いをすることは、ケガレを取りに行くんですけど、ケガレ、つまり自分が今、変なものを背負っちゃってるときってあるような気がしてて。精神的にも、身体的にも。でも、そういうケガレをきちんと落として、自分の気持ちや健康を取り戻していく行いって大事だなと思うし、自然を頼りに、自然と共に生きるという感覚で、昔ながらの人がやってたとしたら、それは今の時代もあってもいいんじゃないかなと思ってます。お金払ってマッサージを受けに行くではない、健康の取り戻し方があるんだということを感じたんで、それをもっと知りたいな、体験したいなと思いましたね。

ゆーじん:
本を読んだから、今までやったことがないのに、やってみようみたいなことが起こってるってことですよね。

まさき:
まさにそうですね。あと、こういうことしたら参加者の人にも面白く伝えられるなと思って笑。この読書会はコミュニティなので、自分もこういう体験したよと共有できると面白いなっていうのもありました。

ゆーじん:
確かにブックダイビングの場合、いろんな参加者がいるから、「本を読んで、私はこういう体験をしました、こんなのやってみました」みたいな共有が面白いですもんね。

私の場合は『日本文化の核心』を読んで、変わったことが2つ3つあるなと思っています。

1つはあれから日記を毎日書くようになりました。読書会が終わってから4、5か月は経ってると思うんですが、ほぼ毎日欠かさず書けてます。

本の中で、土佐日記の話が重要なポイントとして出てきたと思うんですけど、「日本人って日記好きなんだな」と思ったし、ブログとかも日本は書く人多いし、Twitterも好きだし。そもそも日本人って「思いを読む・書く」とか、「歌に詠む」とかが好きなんだなって。参加者の中にも2人ぐらい、「私も日記長く10年とか20年とか書いてます」という人もいたので、自分も書こうと。今まで書こうと思っても書けなかったし、すぐ中断してたのが、こんな長く続いてるのは、ブックダイビングの影響だろうなと思っています。

あとは「お茶」ですね。お茶の話も本で出てきたんですけど、日本文化において、千利休が始めた茶道の影響がいろんなところにありますよね。「わびさび」とか。習ったこともなかったんですけど、「ちょっとやってみよう」と自己流で毎朝お茶を立てて飲むという笑。実は今朝も飲んできましたけど、茶せんで「シャカシャカシャカシャカ」とやって。寝起きですけど、それやると、「背筋が伸びる」というか、「整う」みたいな感じがします。

自己流なので、いろいろ間違ってるところはあるかもしれないんですけど、何となく日本文化の、先人の何かを受け継いでる感を勝手に思える感じがしてます。お茶がおいしいっていうのもあるんですけど、そこから1日を始めるのはいい感じがするし、それ以上に何かを受け継いでるような、そういう感覚がすごくいいなと思って。これも数ヶ月続いていることです。

まさき:
習慣化してますもんね、ゆーじんさん。

ゆーじん:
それまでも朝にいろいろやってたんですけど、それに組み込む形で、朝のルーティーンがおかげさまで充実してます。朝が整うと、それ以降も整いやすい気はしてますね。

そういえば、『暇と退屈の倫理学』を読んだ後に、僕はなぜか「瞑想を継続的にやってみよう」とシートに書いてるんですよ。それは「退屈に耐える」というか、瞑想は退屈の最たるものだと思ってるので、その耐性をつけるためだと思ったんでしょう。それもやってて、朝忙しいんですけど笑。ブックダイビングのおかげで定着してて、朝は瞑想して、お茶飲んて、日記を書いてみたいな。そして1日の活動に入るというのが、非常にいい流れだと感じてて、今、喋りながらも多大な影響を受けてるなと思いました。

まさき:
僕も日記や瞑想は、『日本文化の核心』を読む前からやってたんですけど、読んだことで、これはやり続けたほうがいいなと、自分が取り組んでいることの意味を深めさせてもらったなと思ってます。

日記って、例えば昔の人の日記を、現代の人たちが解読して、そのときの暮らしを想像する材料になっていると思うのですが、自分の日記も何千年後とかにいきなり掘り当てられて、自分の日記がその時代の暮らしを読み解く材料になったら面白いなって思ってます笑。

ゆーじん:
すごいですね、壮大なことを考えてるんですね笑。

まさき:
日記書くことも何かを引き継いでるというか、次世代に繋いでる感覚も持って書いてると思いますね。

次回またブックダイビングで全体を通して、「ブックダイビングに出ると何が起きるか」についてもう少し話したいなと思うので、一旦ここでTo Be Continuedにさせてもらってもいいでしょうか。

では、また次回お楽しみください。ありがとうございました。

次回のブックダイビングはこちらです📚

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