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#沖縄
【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第10話 七転八倒編(3)
【肉体改造】ウエイトトレーニングに没頭するフリムンに、師範から昇段審査を受けるよう指令が出た。
弐段を許されてから5年後のことであった。
前回の審査の時と違い、現役を退いてからかなりの年月が経っていた事もあり、フリムンは審査に向けある事に着手した。
そう、筋肉の質を変える「肉体改造」である。
空手用の筋肉とパワー用の筋肉は全く違う。
パワー競技に筋持久力やスタミナは必要ないが、空手の試合
【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第5話 上京編(2)
救世主声が聞こえた方向に目をやると、作業服を着たおっちゃんがタバコを銜えながら立っていた。
いきなり店の入り口からホフク前進で男が出てきたのである。きっと驚いたに違いない。
その声を聞いた瞬間、フリムンは心の中で神に感謝した。
しかし、それで痛みが消えるわけではない。
声を振り絞り、事の次第を説明しながら救急車を呼んでくれるよう哀願した。
すると、そのおっちゃんが「兄ちゃん少し痛むぞ」と
【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第7話 黎明期編(3)
【行ったり来たり漫才】遂に七戸師範との邂逅の瞬間がやってきた。
県大会では挨拶程度の会話しかできなかったが、これから行うのは挨拶なんて生易しいものではない。まかり間違えば、逆鱗に触れるかも知れない重大な話し合いなのだ。
意を決したフリムンは、一歩ずつ、一歩ずつ、高校時代からの夢を叶えるために道場までの階段を上り始めた。
しかし、途中まで来ると何故か突然心拍数が爆上がり。
呼吸を整えるために
【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第8話 暗雲編(2)
【大脱走】術後、そのまま入院する事となったフリムン。
病院のベッドで天井を見つめながら、あの東京での悪夢を思い出していた。
「俺はどうしてこんな星の下に生まれたのだろう」
生まれてこの方、上手くいった試しがなかった我が人生。
もうこのまま朽ち果ててしまうのだろうか。そんな事を考えながら、同好会の先行きや家族のことで頭を悩ませていた。
そんな入院中に、突如沖縄本島より先輩が二人お見舞いに来
【自伝小説】最南端の空手フリムン伝説|著:田福雄市@石垣島|第9話 逆襲編(1)
【死ぬこと以外はかすり傷】傍から見れば、順風満帆に思える空手ライフであったが、入門から僅か1年で引退に追い込まれるなど、先行き不安しか感じていなかったフリムン。
28歳になったばかりの若者に突き付けられた、余りにも酷なこの現実。
既にモチベーションを保つので精一杯だったが、安息の地へ逃亡するという選択肢はフリムンにはなかった。
「ここで逃げたら死ぬまで後悔する」
これまでも、そしてその先も