L'homme de blé

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    2020年9月渡仏後の記録です。

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フランス 滞在記 もくじ

・2024年09月23日 第36週(9/2~9/8) ・2024年09月15日 第35週(8/26~9/1) ・2024年09月15日 第34週(8/19~8/25) ・2024年09月10日 第33週(8/12~8/18) ・2024年09月10日 第32週(8/5~8/11) ・2024年08月27日 第31週(7/29~8/4) ・2024年08月20日 第30週(7/22~7/28) ・2024年08月20日 第29週(7/15~7/21) ・2024年08月13日 

    • 第36週(9/2~9/8)

      ▲Würzburg ヴュルツブルク ドイツ・ロマンティック街道の起点の街。中央はマイン川。 Festung Marienberg(マリエンベルク要塞)から。 3日火曜日、ドイツ・Rüdesheim(リューデスハイム)の小道では、新物の白ワインFederweißer(フェーダーヴァイザー)が時期を迎えて売り出されています。味わうと甘味が相当に凝縮されているのが印象的で、10mlだけグラスに注いで提供するのも頷けます。自分にとっては馴染みがなくとも、地元民はこれで季節の到来を感

      • 第35週(8/26~9/1)

        ▲Champs-de-Mars シャンドマルス公園 手前にエッフェル塔スタジアム、奥にアリーナがあります。 エッフェル塔頂上から。 29日木曜日、シャンドマルスアリーナでは、パラリンピックの"Rugby fauteuil"(車いすラグビー)のグループ予選が始まっています。 プールA第一試合は、フランス対デンマーク。 フランスチームが競りながら粘り勝つ展開で、まさに地元観客のサポーターの声援に押されて勝ち切ったような試合運びです。個人的には劣勢のチームが追い上げる展開が好き

        • 第34週(8/19~8/25)

          ▲エッフェル塔 当日券を買い求める人が並んでいます。 21日水曜日、日本人向け掲示板を通してまたひとつ家電を譲り渡すと、帰国に向けて着々と部屋が片付くことに清々しい気持ちがします。 帰国にあたってすべきことは、大家への退去通知、携帯や銀行口座の解約など、手続きが中心です。しかし家財を処分すると、目に見える変化を実感します。 モノの売り買いは、MixBやジモモなど、現地邦人向けの掲示板を通して約束を取りつけられます。パリには在留邦人が11千人(2023年10月)いるようです

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        記事

          第33週(8/12~8/18)

          ▲サンセバスチャンの海賊 手製のいかだで競うレースです。 12日月曜日、サンセバスチャンの料理学校では、同市が美食の街として知名度を得るに至った背景を職員が説明します。その要因に、素材の豊かさ、故Luis Irizar氏の功績、オープンコミュニティを挙げます。 職員は、素材が良ければ「魚にレモンを使うのは、何かをごまかすためだ」という挑戦的な見方を示します。 肉や魚を炭火焼きする調理スタイルのレストランasador(アサドール)は、素材を楽しむ一つの方法です。料理学校の職

          第33週(8/12~8/18)

          第32週(8/5~8/11)

          ▲大砲の発射 10日土曜日、スペイン・バスク地方のサンセバスチャン市庁舎前では、人々がArtillero dale fuegoを合唱しています。合唱が終わるやいなや大砲が放たれると、一週間に及ぶ祭りSemana Grandeが幕開けします。祭りの期間は有志団体による花火大会、音楽コンサート、スポーツ競技、パレード、地元の伝統的な行事などが市内で繰り広げられ、街が熱気に包まれます。 街の一角では、バスクの伝統スポーツであるぺロタのトーナメントが行われています。 種目の一つ

          第32週(8/5~8/11)

          第31週(7/29~8/4)

          ▲Cotswolds コッツウォルズ イングランド南西部の丘陵地帯です。 31日水曜日、イギリス・ロンドンからバースに向かうバス車内では、ウエストエンドの劇場に続いてこの日二度目となる放屁の巻き添えを食らいます。それらの凝縮された匂いが、国民の高たんぱく高脂質の食生活を伺わせます。 外食をすると、揚げものや茹でものなど簡素な料理が目につきます。 フランス料理において、"à l'anglaise"(イギリス風)という表現は、"cuire à l'anglaise"で水で野菜

          第31週(7/29~8/4)

          第30週(7/22~7/28)

          ▲パリオリンピック開会直前 26日金曜日18時ごろ、セーヌ川に平行して規制された区域では、小雨の中、開会式の観客が長い行列をなしています。ルーヴル美術館付近にて。 23日火曜日、"apéro"(アペロ)のために元同僚パティシエの自宅へ伺うと、彼は幼い娘をあやしながら"Chatereuse"(シャルトリューズ)やおつまみを出します。 ひときわ目を引くのは、部屋の壁にある畳一枚ほどの大きさはあろう立体地図です。それは彼の故郷である"Chambéry"(シャンベリー)を含むアルプ

          第30週(7/22~7/28)

          第29週(7/15~7/21)

          ▲Lago di Garda ガルダ湖 イタリア北部に位置する国内最大の湖です。揺れる水面とスカリジェロ城の堅牢な城郭が美しいです。 17日水曜日、料理学校の元クラスメートらとの、10日間北イタリア横断の旅は5日目を迎えています。日中にガルダ湖観光をした後に向かうは、旅の計画を立てるきっかけともなったレストランです。 ポー平原の真ん中に佇むその場所に半信半疑で近づくと、車を運転するセルビア人のクラスメートは、ミシュランがガイドを作る目的に適った場所だと言います。まさに車を走

          第29週(7/15~7/21)

          第28週(7/8~7/14)

          ▲Dominicanen ドミニカネン オランダ・マーストリヒトにある教会内の書店です。 8日月曜日、マーストリヒトのホテルでは、テレビが前日のフランス下院選挙の結果を報道しています。各勢力が三すくみとなり、首相の辞任が取り沙汰される状況は、フランス国内の政治的な分裂を象徴しているだけでなく、EU全体の統合の脆弱さをも浮き彫りにしているように見えます。 1992年2月7日、マーストリヒトではEUの礎となるマーストリヒト条約が調印されました。当時、フランスでもこの条約を巡っ

          第28週(7/8~7/14)

          第27週(7/1~7/7)

          ▲Grand-Place グランプラス(ブリュッセル) 7日日曜日、ベルギー・ブリュッセルでは地名や店名にHortaという表記をたびたび見かけます。ここにはアール・ヌーヴォー建築の先駆者Victor Horta(ヴィクトール・オルタ)の遺産が数多く残ります。 同氏の世界遺産に登録された邸宅群の一つ、"Maison et Atelier de Victor Horta"への訪問は予約が必須のようで、飛び込みの私はその場で入館を断られますが、外から見ても軽やかな曲線の装飾、境

          第27週(7/1~7/7)

          第26週(6/24~6/30)

          ▲下院選挙 日曜日18時半、職場の休憩室のテレビは20時の開票を目前にした下院選挙を報道しています。 30日日曜日、通常であればほとんど人気のない公的機関の職場も、大事な選挙日とあって、いくらか業務を控えています。 二年半勤務し、この日が退職日となる私にとって、最後まで仕事があることに喜びを感じるのは、この仕事を気に入っていたからかもしれません。転機を前にすると、過去の屈辱やプライドは些末なことになるのか、いま、職場に対して前向きの感情だけが心に残っています。 研修するに

          第26週(6/24~6/30)

          第25週(6/17~6/23)

          ▲Pont Alexandre III アレクサンドル三世橋(8区) 五輪でセーヌ川を見渡す観客席の裏側です。 17日月曜日、退職前最後のバカンスから明けると、同僚の私に対する目はどこか柔和に見えます。いよいよ別れが近いことを実感し、同時に新たな環境が迫ることに緊張を覚えます。 同僚らが投げかける別れ間際の常套句に、"tu vas me manquer"(君がいないと寂しくなる)に加えて、"Qu'est-ce qu'on ferait sans toi?"(君無しにどうす

          第25週(6/17~6/23)

          第24週(6/10~6/16)

          ▲五輪エンブレムを設えたエッフェル塔 11日火曜日、例のごとく料理学校でのセルビア人元クラスメートと食事。 偶然にも彼は私と同じタイミングで職場を退職することになったそうで、今夏以降の進路に悩んでいる様子です。 やりたいことと今の現状との間にどのような技術を欠くのか、と質問すると、彼は目を見開き、良い質問だと言います。かつて料理学校で私が別のクラスメートから受けた問いがいま、彼にも同様に響いているようです。 いまや星付きレストランの副料理長である彼には、異国での新規事業

          第24週(6/10~6/16)

          第23週(6/3~6/9)

          ▲選挙ポスター 9日日曜日はフランスにおける欧州議会選挙の投票日。"Rassemblement National"(国民連合)の党首Jordan Bardella氏の台頭がニュースを賑わせます。 8日土曜日、他レストランのチームと組んでの一週間かけての大仕事は終焉を迎えます。他チームとの協働は普段の常識を見直す良い機会です。 相手方のシェフは前菜の盛り付けで、数ミリの配置のズレも見逃さず、それが見た目のみならず他の要素の配置に影響を及ぼすとして、自分の部門シェフを叱責して

          第23週(6/3~6/9)

          第22週(5/27~6/2)

          退職を一ヶ月後に控え、最後かもしれない同僚との対面、最後かもしれない外出業務に感慨深くなります。一つ一つの振舞いを抜かりなく、漏れがないように、嘘が無いように、という気持ちが一層高まります。 同僚の上長料理人らが発する言葉は簡単な教えに立ち返り、どこか教訓を帯びて聞こえます。熱いものは熱いうちに、愛を込めて、というように。 料理、それはシンプルなことだ、と副料理長は言います。 料理において「愛を込めて」とはよく言われます。一見、不確実なものにも見えますが、その環境、その人

          第22週(5/27~6/2)