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第36週(9/2~9/8)

▲Würzburg ヴュルツブルク
ドイツ・ロマンティック街道の起点の街。中央はマイン川。
Festung Marienberg(マリエンベルク要塞)から。

3日火曜日、ドイツ・Rüdesheim(リューデスハイム)の小道では、新物の白ワインFederweißer(フェーダーヴァイザー)が時期を迎えて売り出されています。味わうと甘味が相当に凝縮されているのが印象的で、10mlだけグラスに注いで提供するのも頷けます。自分にとっては馴染みがなくとも、地元民はこれで季節の到来を感じるのだろうと思い、感慨に耽ります。

中心地の小道

ユーロが使われる前の、まだドイツマルクだったころの「地球の歩き方」には、リューデスハイムの紹介に、日本人が団体で押し寄せるために異国情緒が感じられないという記述があります。そうした時代が去ったのか、たまたま時間を外したのか、散歩好きな地元民が集う、ライン川の悠久の流れと人の暮らしを眺められる異国情緒があります。

ライン川とテラス状のワイン畑をゴンドラから臨む
ゴンドラには窓がなく、開放的で気持ち良い

その後はスラヴな空気感を求めて東へ移動し、チェコ・プラハへ。
連日30℃を超える暑さは、憂鬱質で哀愁を帯びたメランコリックな街並みと不釣合い気味です。

サファイアのような天井が美しいスメタナホール
頻繁に開かれるコンサートのラインナップは名曲クラシック
この回の観客は観光客を中心に100人ほど。

6日金曜日、かつて学生時代に訪れたプラハの人気居酒屋は、相変わらずに営業しています。ビールを提供する男は、客が入店するなり無言でビールを置き、わんこそば方式のように杯が空けば注文せずともジョッキを出し続けます。450mlで68Kčのピルスナーウルケルが毎日どれほど出るのかは想像もつきません。男の手首を固定するサポーターがその仕事特有の職業病を物語っています。

店の中心に構えてひたすらにビールを注ぐ男は、自ら客と同じものを飲んでいます。それは水分補給のためのようであり、味の狂いを見逃さないためのようにも見えます。一見すると、無愛想な接客のように見えるかもしれません。しかし、それらは誇り高い職業観から生まれた、彼らなりの営業スタイルに見えます。

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