ふわふわ会計 ①会計の定義をおさえる
マツオカ会計事務所では、社会福祉法人さん向けに「1から学べる社会福祉法人勉強会」を毎月1回開催しています。(令和6年3月現在 63回を開催)
ふわふわ会計 note版では、社会福祉法人の方々に限定せずに、会計に興味をお持ちの方に向けて、勉強会と同じような内容の記事を掲載していきます。
勉強のコンセプトは、井上ひさしさんの言葉です。
「やさしく ふかく おもしろく」
対象者
1から学べる社会福祉法人会計勉強会・・・社会福祉法人の管理職、会計担当者
ふわふわ会計 note版・・・会計にご興味をお持ちの全ての方
たった5分でリスキング
リスキングの必要性、リスキングが大切と言われていても、
すでにある毎日の生活、限られて時間の中で、リスニングを継続していくことは
相当意思が強くないとできないのではないでしょうか。
それならば、隙間時間に、5分程度であっても、効果が見込めるリスキングをしていければと思っています。
例えば、リスキングのために、ある分野の本を、新たに100冊読むよりも、既に100冊読んだ人から、大切なところの話を聞く方が、時間も短縮することができそうです。その上で、必要な本を読んでいけば、効果が高まりそうです。
ふわふわ会計では、私が100冊以上の本を読み、1万時間以上、学んできた中から会計の大切なところをお伝えしていければと考えています。
会計の知識を自分のスキルに
読んで下さった方が、会計の本質的なところを簡単な言葉を使って自分で伝えることができるようになれば、職場や取引先との間で一目置かれることにつながると思っています。
どのような仕事であっても、例えば、総務や経理以外の仕事をされていても、会計の本質的な理解は、自分のスキルの1つになります。
私が本質的理解にこだわる理由は、こちらに記載しています。
一度、ご覧になってください。
今回のテーマを選んだ理由
今回は、会計の定義(役割)について確認をしていきたいと思います。
ふわふわ会計と言いながら、テーマはお堅い印象を与えそうです。
しかし、お堅いテーマの本質的なことをおさえておくと、会計の意味や役割の理解につながります。
本質的な理解は、自分が発する言葉を変えてくれると思っています。
例えば、自分が管理職として、部下の方から質問を受けたとしましょう。
(この職場では、会計伝票に領収書などを添付することとしています。)
部下:「どうして、伝票に領収書を添付しなければいけないのですか?」
「どうして、領収書なしではいけないのですか?」
と質問された時に
自分:「以前から添付する形でやっているから」
:「規程で決まっているから」
という回答をすると、部下の方は納得はされても、スッキリはしない気がします。部下の方は、何かモヤモヤとしたものが残っておられるのではと想像しています。
このような部下の方からの質問に対して
なぜ、必要なのか。なぜ、規程ではこのように定めているかなどを
伝えることができれば、部下の方のモヤモヤも晴れるのではと考えました。
会計に関して、「なぜ」の部分を、ご自分の言葉にしてもらえるように
一つ一つテーマを考えています。
今回のテーマの説明
今回のテーマは、「会計とは」や「会計の役割」を会計の定義から確認する内容です。
ふわふわ会計のスタートはこの記事からはじまります。
会計の定義は、「経済的情報を貨幣単位によって記録し、計算し、報告する仕組み(行為)」と表すことがあります。
まずは、「会計」を辞書で確認してみましょう。
辞書の1の意味で、代金の支払いを「お会計」と表現することがあります。
日常的には、「会計」をこの意味で用いることも多いかもしれません。
ふわふわ会計で説明していく会計は辞書の2についてになります。
2の文章は、端的に会計のことを表現されているのですが、初めて会計を目にする人などには、意味を理解し会計のイメージを掴むには、難しいかもしれません。
経済的情報とは
経済的情報についても意味がわかりにくいところがあるかもしれません。
下の辞書から意味をまとめると経済的情報とは、「財貨(モノ)やサービスを作ったり、配ったり、消費したりする際の金銭的な情報」と考えることができます。
ふわふわ会計 (有料記事)
ふわふわ会計は、第②回以降、有料記事として掲載していく予定です。
第①回は、ふわふわ会計の内容を知っていただくために有料記事にはしていません。
ふわふわ会計 第①回のスタート
ここからは会計の定義について、例え話を使いながら、
ふわふわと説明していきます。
必ずしも正確ではない表現を用いているところがあります。
また、会計実務についての具体的な記載はありませんのでご注意下さい。
なお、「ふわふわ会計がどのようなものか」についての説明は、下の記事に書いています。
会計の定義
会計の定義を語る時、アメリカ会計学会のASOBAT(A Statement Of Basic Accounting Theory、基礎的会計理論に関する報告書 1966年)の有名な言葉を用いることがあります。
会計の定義を簡単な表現に置き換えて
識別=記録
測定=計算
伝達=報告
過程(プロセス)=行為
を、同じ意味合いとしますと、報告書(ASOBAT)の表現は、上で記載した、「会計とは経済的情報を貨幣単位によって記録し、計算し、報告する仕組み(行為)」と同じ内容を表していると考えることができます。
報告書の「識別や測定、伝達」という言葉は少し分かりにくいので
最初にご紹介した辞書で用いられていた「記録、計算、報告」という表現を使って考えていきましょう。この表現の方がイメージが湧きやすいと思います。
それでは、例を使って会計をイメージしてみましょう。
買い物と精算の例
登場人物 私(会計担当)と 友人
私と友人は、お弁当とジュースを買いに行きます。
ジャンケンで負けた方が買いに行くことになりました。
2人:ジャンケン
私:✊ 友人:✋
私が買いに行くことになりました。
お弁当はお弁当屋さん、ジュースはコンビニで買います。
お弁当屋さん 私 お弁当400円+サラダ200円
友人 お弁当600円+サラダ150円
コンビニ 私 ジュース200円+チョコ100円
友人 ジュース150円+プリン180円
お金は私が立て替えて、帰ってきてから精算します。
精算するため、レシートをもらってきました。
私:買ってきたよ。
友人:ありがとう。いくら。
私:ちょっと待ってね。
(レシートから友人分を探し、メモ用紙に書き出して計算する)
私:1080円。
友人:はい。(支払う)ありがとう。
2人で美味しく食べました。
私の精算と会計の定義
私の精算までの行為を、会計の定義に当てはめてみます。
会計の定義は、「会計とは経済的情報を貨幣単位によって記録し、計算し、報告する仕組み(行為)」です。
私の精算は、買い物のレシートから友人分の情報(経済的情報)をメモ用紙に記録し、支払額を計算し、友人に金額を報告したことになります。
このように、私たちが、日常的に行っているこのような行為は、会計の定義にそのまま当てはめることができます。無意識のうちに、会計を行っているとも言えるでしょう。
企業や法人の会計
企業や法人で行う会計が複雑そうに感じる理由の一つは、取引の回数がとても多く、しかも毎日毎日、継続して取引を行っているからです。
取引が多くなってきますと、記録や計算、報告の形も変化していきます。
取引が多くなっていく場合のやり方の変化を⇨で表してみましょう。
記録 メモ書き ⇨ ノートにまとめる ⇨ 会計ソフトを活用
計算 暗算や電卓で計算 ⇨ Excelで計算 ⇨ 会計ソフトを活用
報告 金額だけを報告 ⇨ 明細を書いて報告 ⇨ 決められた様式で報告
このように、会計の定義に沿った業務の流れは同じでも、企業や法人では会計ソフト等を用いて、組織的に会計業務が行われていることになります。
そして、会計の定義を大まかにでも理解しておくと、先ほどの部下からの質問への回答も変わってきます。
部下:「どうして、伝票に領収書を添付しなければいけないのですか?」 「どうして、領収書なしではいけないのですか?」
自分:「以前から添付する形でやっているから」
↓
自分:「会計は、経済的情報を記録して、報告していくものだから、
うちの会社では、記録するための根拠となる書類として、
領収書を添付することにしているんだよ。」
まとめ
会計の定義は、ご紹介した辞書では「会計とは経済的情報を貨幣単位によって記録し、計算し、報告する仕組み(行為)」と表現されています。
この会計の定義を、まず自分の生活に落とし込んで、シンプルな形に捉えていきましょう。日常生活の中でも会計の定義に沿ったやり取りが行われていることが分かります。
企業や法人で行う会計は、複雑で、あまり馴染みがないものと考えがちです。しかし、日常生活での会計と企業や法人の会計は、同じ定義にあてはめることができることを知っておくと、複雑に感じる企業や法人の会計が少し身近に感じてもらえるかと思います。
今回の説明は、以上になります。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。
ご案内
社会福祉法人さん向けの1から学べる社会福祉法人会計勉強会の内容を
書籍にしてしています。
(第1巻〜第9巻 出版中)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?