橋本学
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めんつゆとポン酢を間違えると心臓飛び出る
確かあれは小学校低学年の頃だったと思う。土曜の昼飯にオカンが蕎麦を茹でてくれた。さぁ食おうと俺は虎が獲物を狩るようにがっついた。
「ズルルスパーーーーン」
壁にボールを思いっきり叩きつけたように蕎麦がつゆの中に跳ね返されていった。兄貴が爆笑していたのを今でも覚えているが兄貴のイタズラと言うわけではなくて間違いなく間違えたのは俺だった。俺自身がめんつゆと間違えてポン酢を出してしまっていた。肺の中
少年野球をやっていたが野球少年では無かった現野球好き青年
俺は最近になってから野球が好きになった。小学は地元の少年野球チームに入り中学は野球部に入っていたけれど、その頃は他人のプレーに興味など全く湧かなかったし努力が長続きしたことなど一度もなかった。どうすれば鋭い打球になるのか、どうすれば速く正確な球が投げれるのか当時ちゃんと考えたことも顧問の先生に聞いたこともなかった。
中学の顧問の先生はかなり変わった人で中間テストや期末テスト中は必ずと言っていい
ありすぎる島なにもない島 その2
この島にはナンバープレートの無い軽トラや原付が至る所にある。しかもどれも鍵は刺さりっぱなし。派出所もなければ駐在さんもいないのがこの島の平和さをさらに加速させて物語っている(代わりにある程度は海上保安庁が管理していたりする)。ガソリンスタンドすら無いのだからガソリンの補給もストーブを給油するように自分で注ぐ。当たり前と言えば当たり前だが目の当たりにするとすごく面白い。ガソリンが薄いピンク色だとい
もっとみるありすぎる島なにもない島 その1
昼前の船着場は沢山の漁船、防波堤の先では数人が釣りをしている。1日に3本しか出ない連絡船を待つのはいつもは島の人と郵便屋さんしかいない。
「おう、おかえり」
タバコを咥えたケイジ君が俺とオトンを迎えてくれる。ケイジ君は親戚であり、連絡船ひらい丸の船長だ。オトンに顔が似ている。と言うか島の人はみんな島の人だよねって顔をしている。俺はオカン似だから受け継がなかったが俺の兄貴は若干だが”島の顔”を受
少林サッカーが恐くて見れない
トラウマとは厄介なもので小さい頃に恐いと思ったものは大人になっても恐い。ピーマンは食べれるようになったのにジェットコースターもある程度なら乗れるようになったのにブラックコーヒーも飲めるようになったのに少林サッカーは観れるようにならない。コーヒーに関してはカフェイン酔いをすぐに起こしてしまう体質なのだがそれすら楽しめて毎日飲んでいる。そもそもなぜ俺は嫌いな物と恐い物を比べようとしているのか、、と一瞬
もっとみるバンドを知ったきっかけ、高校時代の親友
今でこそ山口県ではWILD BUNCHというフェスのおかげでロックバンドが段々と地元の高校生や中学生にまで浸透しているのだが俺が地元にいた頃は全くそんなことは無かった。耳に入る全てがJPOPという大きなカテゴリーにしか無かった俺が、ちゃんとしっかりとバンドを認識したのは高校2年生の頃だったと思う。
俺の通っていた高校は総合学科で2年生になると授業を自分で選んで時間割を作れた。俺はとにかく音楽