橋本学

ハルカミライVo.

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入り口の入り口

2021年6月6日追加↓ ツアーオブバンドスターと言うワンマンツアーが先日沖縄公演にて終幕を迎えました。それに合わせてエッセイの有料記事も終わりにしようと思います。"自分の身の丈で出来る事を"と思い書いた物が沢山の人が協力してくれたおかげで身の丈以上の物になりました。なので書いた物は消さずに残しておきます。 またいつか書くべきだと思う瞬間に出会いたいもんだなあと思います。そのうち本出したりとか作品として形に残せたらなんて思ったり。その為にはバンドでしっかりやんねーとな!っ

    • 寝て見る方の夢の話

      2ヶ月ほど前メンバー皆とマネージャー(男)の5人で山口の実家に泊まった時、もう夜も更けた頃。いい感じに酔っ払ってさあ寝る前のしりとりの時間だと生き残った俺と俊と大地とマネージャーは「八王子しりとり〜」とかいう八王子にあるものとかバンドとかだったらなんでもいい酔っ払ってないとクソ面白くないお題(内容は超絶身内過ぎるので割愛)で爆笑しながらいつの間にか皆寝静まっていった。が、俺は何故だか眠れずに携帯を眺めて3時半になってしまった。すると たぶん小松「◎△$♪×¥○&%#?」

      • めんつゆとポン酢を間違えると心臓飛び出る

        確かあれは小学校低学年の頃だったと思う。土曜の昼飯にオカンが蕎麦を茹でてくれた。さぁ食おうと俺は虎が獲物を狩るようにがっついた。 「ズルルスパーーーーン」 壁にボールを思いっきり叩きつけたように蕎麦がつゆの中に跳ね返されていった。兄貴が爆笑していたのを今でも覚えているが兄貴のイタズラと言うわけではなくて間違いなく間違えたのは俺だった。俺自身がめんつゆと間違えてポン酢を出してしまっていた。肺の中全てが酸味に一瞬で掌握されてしまった。その日は食欲がなくなってしまい昼食は食べな

        • 下北沢は2人から

           俺は普段は酒を飲まないのだがその反動なのか本当にたまーーーに激しい話したい欲と飲みたい欲に襲われることがある。そんな俺はある日の夕方、予定の30分ほど前に辿り着いて下北沢でフラフラとしている。そう言えばどこの店で飲むかまだ店を決めていなかったな。今夜は肉が食いたい。特にハチノスが食べたい。そう思い俺は携帯でハチノスが食べれる下北沢の焼肉屋を調べた。・・・よし、ここにしよう。 ブブブ 携帯がなる。ちょうど先輩から連絡が来た。 「肉でいい?」 「はい!そうしましょう!」

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          少年野球をやっていたが野球少年では無かった現野球好き青年

          俺は最近になってから野球が好きになった。小学は地元の少年野球チームに入り中学は野球部に入っていたけれど、その頃は他人のプレーに興味など全く湧かなかったし努力が長続きしたことなど一度もなかった。どうすれば鋭い打球になるのか、どうすれば速く正確な球が投げれるのか当時ちゃんと考えたことも顧問の先生に聞いたこともなかった。  中学の顧問の先生はかなり変わった人で中間テストや期末テスト中は必ずと言っていいほど教卓の横で筋トレをしている。そして一息ついた後に仁王立ちで両手を腰に当ててオ

          少年野球をやっていたが野球少年では無かった現野球好き青年

          ありすぎる島なにもない島 その2

           この島にはナンバープレートの無い軽トラや原付が至る所にある。しかもどれも鍵は刺さりっぱなし。派出所もなければ駐在さんもいないのがこの島の平和さをさらに加速させて物語っている(代わりにある程度は海上保安庁が管理していたりする)。ガソリンスタンドすら無いのだからガソリンの補給もストーブを給油するように自分で注ぐ。当たり前と言えば当たり前だが目の当たりにするとすごく面白い。ガソリンが薄いピンク色だということを知っていただろうか。俺はこの島のおかげで知った。ちょっとしたボートの運転

          ありすぎる島なにもない島 その2

          ありすぎる島なにもない島 その1

          昼前の船着場は沢山の漁船、防波堤の先では数人が釣りをしている。1日に3本しか出ない連絡船を待つのはいつもは島の人と郵便屋さんしかいない。 「おう、おかえり」 タバコを咥えたケイジ君が俺とオトンを迎えてくれる。ケイジ君は親戚であり、連絡船ひらい丸の船長だ。オトンに顔が似ている。と言うか島の人はみんな島の人だよねって顔をしている。俺はオカン似だから受け継がなかったが俺の兄貴は若干だが”島の顔”を受け継いでいる。 ビーーーーーーー! 出発のサイレンが鳴り白い煙とガソリンの匂

          ありすぎる島なにもない島 その1

          少林サッカーが恐くて見れない

          トラウマとは厄介なもので小さい頃に恐いと思ったものは大人になっても恐い。ピーマンは食べれるようになったのにジェットコースターもある程度なら乗れるようになったのにブラックコーヒーも飲めるようになったのに少林サッカーは観れるようにならない。コーヒーに関してはカフェイン酔いをすぐに起こしてしまう体質なのだがそれすら楽しめて毎日飲んでいる。そもそもなぜ俺は嫌いな物と恐い物を比べようとしているのか、、と一瞬考えたが恐い=嫌いではない事に気が付いてハッと出来たので良しとしよう。  俺は

          少林サッカーが恐くて見れない

          下ネタは天才の所業

           あの太陽光で熱々になった陸上部の緑の肉厚マットにそのまま頭から突っ込みたい、そんな日もある。所謂良い話しか書いてないなぁと思い下らないことを書きたくなった男の末路。挙句の果てに陸上部の真似をして背面飛びで高飛びに挑んだ結果、顔面に自分の膝をクリーンヒットさせておでこを割るような日も悪くはないだろう。  俺は「良いヤツもいれば悪いヤツもいる」というのをあまり信用していない。良いヤツが四六時中良いヤツでいられるはずなど有りえない。それの逆も然りだ。「良い時もあれば悪い時もある

          下ネタは天才の所業

          バンドを知ったきっかけ、高校時代の親友

           今でこそ山口県ではWILD BUNCHというフェスのおかげでロックバンドが段々と地元の高校生や中学生にまで浸透しているのだが俺が地元にいた頃は全くそんなことは無かった。耳に入る全てがJPOPという大きなカテゴリーにしか無かった俺が、ちゃんとしっかりとバンドを認識したのは高校2年生の頃だったと思う。  俺の通っていた高校は総合学科で2年生になると授業を自分で選んで時間割を作れた。俺はとにかく音楽系の授業を取った。もちろん音楽が人より得意だなと思っていたのともう一つ理由があっ

          バンドを知ったきっかけ、高校時代の親友

          ひとり遊びの予兆

          「すみません、立ち読みはご遠慮ください。」 ブレザーの制服に赤のリュックを背負った俺はついにこの時が来たかと素直に終わりを受け入れゲオの漫画レンタルコーナーを後にした。高校時代は部活もやらずバイトも出来ず学校終わりはほぼ毎日漫画を立ち読みして相当な量の漫画を読んだ。迷惑極まりない。刃牙シリーズ、GANTZ、etc...確か注意された時は空手小公子 小日向海流を読んでいた時だと思う。恐らくこれが自覚した上での最初のひとり遊びだった。友達は割といたけれど4:6くらいの比率でひとり

          ひとり遊びの予兆

          髪を赤にした理由

          どうでもいい事でも裏付けがあればどうでもよくなくなる。面白くなる。何でサラダにドレッシングかけるか、とかそんな事でもだ。そんなの味気ない生野菜を食べやすくするためじゃないか!と俺も思っていたのだが本当の目的は植物油によってビタミンの吸収力がめちゃくちゃ上がるから、らしい。ノンオイルドレッシングはパッと見で健康的に見えるがあまり芳しくないということだ。ロックバンドの真ん中に立つ男がなにサラダの話なんかしてんだよ、酒飲んでタバコ吸って女をたぶらかせろよ!とかいうイメージなど知らん

          髪を赤にした理由

          免許更新は大冒険

          バンドマンの暮らしや感覚と世間のそれの違いを心底後ろめたく感じる瞬間が俺には3年に一度やってくる。免許更新だ。まず朝が早い。普段は夜遅くに寝て、起きるのは大体11時。しかしこの日は8時に起きる。早く寝ようと思ってもなかなか寝られず寝不足の体をシャワーで叩き起こす。9時15分八王子発の電車に乗り府中の試験場に向かう。出勤ラッシュの時間帯は過ぎているので電車の中は空いていてここまでは実に居心地がいい。武蔵小金井駅で降りてバスに乗る。ここから俺の試練は始まる。3年に一度のバス。どの

          免許更新は大冒険

          カルチャーショック

          なんとかなる。そう俺に教えて背中を押してくれる人は東京で暮らすまではいなかった気がする。そして同時に、なんとかならない事を体感する重要さも養えなかった気がする。なんとかなると無計画で胸を張ってそもそも飛び込むことが無いせいで何も出来なかった後悔も生まれかったようだ。  田舎町の良い所でもあり悪い所でもある独特な閉鎖感は、閉鎖的でありながら独りで生き抜いて行く力は意外と身に付かないんじゃないか。俺はそんな風に思えた。なぜかと言うと、クタクタになった制服を着た30代と思われるア

          カルチャーショック

          兄貴

          Air Podsを買ってからどのくらい経っただろうか。夏休みで暇だからか俺が毎日閉じこもる喫茶店には10代の甲高い声たちと食器の音が戦争をしている。本来の用途である音楽を聴くと言うことにあまり使われなくなった俺のAir Podsは雑音を掻き消してくれるだけの超高級耳栓と化した。  兄貴から飯に誘われた。兄貴は東京で小学校の先生をやっている。夏休みの間は先生たちも暇が取れるようだ。時々こうやって兄弟で飲んだり食ったりするのだが兄貴の話を聞くのは楽しい。言うことを聞かない元気な生