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大好きなギャルとの運命が変わった

私と彼女は、小学校と中学校が同じです
当時、私は勉強が得意な地味な子で、彼女は一軍のギャルでした


ギャルは広範な意味を持つのでギャルと言い表すのには抵抗がありますが、読んでくれている方にはギャルを想像していただきたい
目が大きくて、顔が小さくて、髪の毛とメイクを綺麗にしていて、持ち物がキラキラしていて、誰とでも話せて、でも明るいというよりは少しドライなギャル
「ギャル」とされる特徴を備えた彼女の外見は、とてもよく似合っていて、魅力があります

私は、彼女のことが特別に好きです

特別に好き、というしかない
その子のことは、誰よりも可愛いと思っているし、会いたくなるし、頻繁に考えてしまう
これだけでは、大切な友達に対する感情と同じですね
でもね、その子は友達ではないんです
私はその子と遊んだことはないし、たくさん話したこともありません
その子との思い出はかなり少ない
なのに、たまらなく好きなんです
はっきりとした好きな理由がないんです

私、思うんです
理由がない「好き」はやばいって
大好きだった恋人も、昔からお気に入りの本も、心が落ち着く場所も、みんな「好き」の理由は分かりません
理屈じゃなくて、何かのためじゃなくて、本当に心から惹かれているものです

ずっとずっとそうだった
小学校の頃からずっと

私は「勉強が得意な地味な子」でした
友達が少なくて、可愛くなくて、強みの少ない自分は、彼女と話せるような地位にいないと思っていました
私なんか、私なんか、と自分のことを卑下し続けた日々でした

彼女は私の憧れです
彼女みたいに可愛くなりたい、みんなと仲良くできるようになりたい、オシャレになりたい
私なんか、私なんか、私なんか

小学校、そして中学校と、私は彼女のことをめっちゃ好きだな、と思いながら見ていました
この子と私は交わらない世界にいる
悲しいことだけど、彼女の世界は彼女だけのもので、私はその世界が好きでした
好きだな、大好きだな
でももうきっと姿を見られないんだろうな


私たちは中学を卒業し、高校を卒業し、私は上京して大学生になってしばらくした頃、悲しい運命は素晴らしい運命へと変わります

同窓会をきっかけに、彼女と私は二人で飲みにいくことになったのです


彼女が来ることだけを楽しみに同窓会に参加した私は、ビールをいつも以上にたくさん飲み、彼女のところに行って話しかけました

「私、〇〇ちゃんに会いに、この同窓会にきたんだ」


彼女は言いました


私もまるりちゃんに会いたいってだけで、この同窓会にきたよ



世界は、中学生の私が思っていたものよりも、輝かしいものでした

彼女は、大きな目で私をまっすぐに見つめ、「会いたかったよ」と伝えてくれました

私の胸がかっと熱くなりました

恋愛している時のような嬉しい、恥ずかしい、愛おしい、という赤い感情が私を包み込み、赤に押し流されないように私はビールをまたたくさん飲みました

私がビールを飲むのと同じくらい、彼女はアイコスをすぱすぱしていました

夢のような気持ち、というか夢でしたから
彼女と一緒の時間を過ごすなんて
時の経過が私たちの巡り合わせを許可してくれたのでしょうか

特別に大好きな彼女と同じ気持ちであったことがわかったこの夜は、私を可愛らしい女の子にしてくれたと思います
私たちは二人だけの空間でたくさん飲み、たくさん吸い、今度一緒に飲む約束をしました

そのまま飲み続けた私が、一次会で帰った彼女に深夜に電話をかけて呼んでしまったのは恥ずべき思い出
仕事終わりの彼女を私はカラオケの外で座り込みながら待ちました
12月の寒い寒い風が吹く夜空の下です
ベロベロでしたが、甘い気持ちで待っていたのを覚えています
カラオケに駆けつけてくれた彼女のことは、やっぱり大好きでした


同窓会の幹事のOくんに感謝です
昨年もやったのに、同窓会を開催してくれ!と頼み込み続けてよかった
運命を変えたいという私の思いは強かったようです


彼女と飲んだ尊い夜の話はまた今度に
それはそれは素晴らしいものだったんだから
大好き、会いたくなってきた



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