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2024年3月の記事一覧

【飲めないブランデー】作・マイラ

【飲めないブランデー】作・マイラ

幾つになっても
お酒は全く飲めない私だから
あなたと一緒に飲む事は
出来なかった

だけど…
あなたが美味しそうに
静かにブランデーを飲む姿を
見ているのが好きだったなぁ

つまみはチーズとカシューナッツ
私は音楽を聴きながらつまみのチーズと
カシューナッツを食べている

そんなほっとする時間が好きだった

なのに…
隣にいないあなたを想いながら
何故だか飲めないブランデーを
買ってしまった私がい

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【詩】ひとつ捨てるなら

【詩】ひとつ捨てるなら

今日 ひとつ捨てるなら
賢さを捨てようか

愚かであれ
尊いと思えるほど

今日 ひとつ捨てるなら
器用さを捨てようか

不器用であれ
人を笑顔にできるほど

今日 ひとつ捨てるなら
完璧さを捨てようか

不完全であれ
成長して化けるほど

欠けているから 楽しみがある
欠けているから 愛おしい

~*~* Twitterの詩・改

▽▽▽ 朗読 ▽▽▽

ミクロマコさんに、朗読していただきました

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【掌編小説】春の栞

【掌編小説】春の栞

 小説のことを私は何の迷いもなく好きだと言える。
 自信や情熱などではなく、逃避や降参の思いだ。自分にはなにもない。個性や情熱やテーマがなにもない。『なにもない』すらなかった。
 遠い憧れであるものは実体を掴めない。だから私は小説を好きだと言える。
 そんな月並みの好きをもう一つ。
 クラスメイトの男の子。
 接点は、同じクラスであることだけ。どこに憧れたのかも言葉にできない。一挙一動を何故か気に

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【大人童話】お日さん たんぽぽ

【大人童話】お日さん たんぽぽ

1匹のウサギが おりました

ウサギは ブルブル震えます

お日さん お日さん お願いよ

ボクを あたためて下さいな

寒くて寒くて たまらない

そしたら お日さん

待ってておくれ

いま そちらに行くよ

と言いました

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

足元から 声がした

お日さんの声がした

ほら 来たよ

キミを あたためる為に

足元に居たのは たんぽぽ

キラキラ輝く たんぽぽ

さあ

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