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詩「のびた、のびてた」
『つめのびた』
違うよ、爪はのびてたんだ
君が今更気づいただけさ
『ほんとだよ
つめのびたんだもん』
嘘だね、爪はのびてたんだ
君が今更気づいただけさ
ほら、君は何にも言えない
僕は間違っちゃいない
ほら、もっと話してみなよ
僕は間違わない
僕は間違っていない
そうだろう?
詩「カナヘビいるよ!」
ママとパパがけんかした
家のどこにもいたくないからトイレにいった
そうしたら、自分でもびっくりするような大きな声が出た
「カナヘビいるよ!」
ママとパパがこっちを見た
せまいトイレによってたかって写真をとった
「ヤモリじゃない?」
ふたりとも同じことを言って顔を見あわせた
幸せだったね
詩「ことばと心がずれるから」
嬉しいとき
幸せなとき
満たされているとき
書きたくなるのに手が止まる
ことばが不思議と出てこない
辛いとき
悲しいとき
傷ついているとき
不思議とことばは浮かんでくる
だけど力が出てこない
夢じゃないから忘れはしない
だけど
心とことばはずれるから
書きたいけれども書けないんだよ
だけどもしも
心もことばも出なくなったら―
だったら今でいいのかな
ずれるくらいでいいのかな
お名前出すのも