シェア
マカ・ママレード
2024年10月10日 22:21
(以下、『侍タイムスリッパー』の感想ですが、物語の核心に迫るようなネタバレがあります。ご注意ください。)作り手たちの時代劇への愛が見ているこちらにも伝わってくる、エンターテインメント作品でした。「低予算で時代劇を作る」という難易度の高い挑戦を、物語上の設定やスタッフの工夫で上手く乗り切っていたと感じました。例えば、昔に比べて高画質な映像を撮ることができる現代では、時代劇のセットや衣装など
2024年9月30日 21:47
(以下、映画『スオミの話をしよう』の感想ですが、物語の核心に迫るようなネタバレがあります。ご注意ください。また『オケピ!』と『刑事コロンボ』の「死者の身代金」の内容にも一部触れているので、そちらもご注意ください)内容は、適宜、加筆・修正します。『スオミの話をしよう』は三谷幸喜の5年ぶりの監督映画ということですが、見終わってみると、今までの三谷幸喜らしい作風が全体に見えつつも、新しい三谷幸喜
2024年9月26日 22:12
(以下、映画『ナミビアの砂漠』の感想ですが、物語の核心に迫るようなネタバレはありません。ただし、映画に関する情報を出来るだけ入れないで鑑賞したいという方はご注意ください。)映画の最初の方、タクシーの窓から顔を出して道路に吐くカナを見て、すっかり魅了されました。ピンク色の吐瀉物を、「ちょっと美しい」と感じてしまう不思議。あんなに軽やかに吐く人を、スクリーンで見たのは初めてかもしれません。そのカッ
2024年9月22日 10:02
(以下、『エイリアン:ロムルス』の感想ですが、物語の核心に迫るようなネタバレがあります。ご注意ください。)過去の『エイリアン』シリーズの設定や演出を上手くサンプリングしつつ、SFホラーとして手堅い造りを見せてくれる作品でした。「今までにどこかで見たことがある展開やシーンの連続だけど、組み合わせや味付けの工夫によって新鮮味のある映画に仕上がっている」という、今年鑑賞した映画で言うと、イーライ・ロ
2024年9月12日 22:54
(以下、映画『ランサム 非公式作戦』の感想ですが、物語の核心に迫るようなネタバレはありません。ただし、映画に関する情報を出来るだけ入れないで鑑賞したいという方はご注意ください。)ベン・アフレック監督の映画『アルゴ』を彷彿とさせる人質奪還モノに、バディものの楽しさが合わさった、見応え抜群の娯楽映画でした。ソウル、レバノン、スイスを舞台に繰り広げられるストーリーや、モロッコ内でのロケーション撮
2024年9月5日 22:18
(以下、映画『モンキーマン』の感想ですが、物語の核心に迫るようなネタバレはありません。ただし、映画に関する情報を出来るだけ入れないで鑑賞したいという方はご注意ください。)デヴ・パテルが俳優としてだけではなく、監督・ストーリーテラーとしての才能を全世界に見せつけた、素晴らしいアクション超大作でした。杉作J太郎さんが監督した映画を観た時に、「映画を撮りたい!」という凄まじい熱量を感じて感動した
2024年8月29日 22:15
(以下、映画『インサイド・ヘッド2』の感想ですが、物語の核心に迫るようなネタバレはありません。ただし、映画に関する情報を出来るだけ入れないで鑑賞したいという方はご注意ください。)前作に引き続き、誰も見たことがない「人間の頭の中」を、圧倒的な説得力と、遊び心を持って描き切る手腕には脱帽しました。「感情」をキャラクター化して、「意思がないはずのものに意思を持たせる」という、『トイ・ストーリー』や『
2024年8月15日 22:17
(以下、『ツイスターズ』の感想ですが、物語の核心に迫るようなネタバレがあります。ご注意ください。)まず、「女性が主人公」ということに対して、非常に誠実な作品だと感じました。劇中でタイラーが記者に向かって「彼女(ケイト)の記事を書け。」と言うところが象徴するように、ケイトが映画の主人公であることが徹底されており、男性の登場人物たちがそれを一切邪魔しません。主要キャラクターの一人であるタイラーは、
2024年8月8日 22:02
(以下、『デッドプール&ウルヴァリン』の感想ですが、物語の核心に迫るようなネタバレがあります。ご注意ください。)『デッドプール&ウルヴァリン』、ドルビーシネマで鑑賞しました。デッドプールが踊りながらローガンの死体を駆使して(?)TVAの職員を血祭りにあげるオープニングクレジットや、とある豪華出演者の死に様など、『デッドプール』シリーズでおなじみの「残酷ギャグ」が冴えわたっており、最初から最
2024年8月1日 22:10
(以下、『ロイヤルホテル』の感想ですが、物語の核心に迫るようなネタバレがあります。ご注意ください。)映画を見て、強く印象に残ったのは、「女性の笑顔」と「男性の笑顔」の違いです。劇中でハンナは「もっと笑顔を見せろ!」とパブの店長や客に言われます。また、言葉で言わなくても、店の常連ドリーなどはあからさまに不機嫌で暴力的な態度を見せることで、強制的に愛想よく振舞うようハンナを抑圧します。一方、パ
2024年7月25日 21:43
「今、映画館に行くとしたら何見ればいい?」と尋ねられたならば、一言「『密輸 1970』だ。」と答えておけば間違いない。そんな一作でした。本作の白眉は、水中シーンでしょう。海女さんや船乗りの男たちのキャラクターや関係性を描く手際の良さと、プロフェッショナルな仕事ぶりを堪能できるオープニングシーンも見応えがありますが、何といっても、クライマックスの海女さんVSヤクザのバトルシーンが圧巻です
2024年7月18日 22:25
(以下、『フェラーリ』の感想ですが、物語の核心に迫るようなネタバレがあります。ご注意ください。)本作は、主人公エンツォを、「妻ラウラと、リナとピエロという二つの家族」と「公道レースミッレミリアへの挑戦」の二つの要素を軸に描いています。そして、この二つの要素を両輪にして、映画『フェラーリ』はサーキットを颯爽と駆け抜け、劇場は興奮のるつぼと化す・・・とはならないところが、この映画の、特異な点だと思
2024年7月11日 22:29
(以下、『劇場アニメ「ルックバック」』の感想ですが、物語の核心に迫るようなネタバレがあります。ご注意ください。)上映時間が58分と聞いていたので、「見やすくていいな。」と思いながら映画館に足を運んだのですが、良い意味でとても長く感じました。主人公二人と一緒に年月を過ごして年をとったような感覚を覚えました。僕はコミティアなどで漫画の同人誌を出品していますが、自分が「井の中の蛙」だと知った時の焦
2024年7月7日 10:29
(以下、映画『バッドボーイズ RIDE OR DIE』の感想ですが、物語の核心に迫るようなネタバレはありません。ただし、映画に関する情報を出来るだけ入れないで鑑賞したいという方はご注意ください。)スクリーンを通して、ウィル・スミスとマーティン・ローレンスの仲の良さが伝わってくるかのような、安心感と安定感のあるアクション・コメディでした。惰性でシリーズを続けている感じではなく、新鮮味のある要