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朝ランからの朝マック、読書

最近、フローヨガで体調改善を始めた。
そうしたら、なぜか朝の4時台に目が覚める。
理由はよくわからない。

今日はなんの予定もない土曜日で、せっかく早起きしてもやることがない。
そこで私は、走りに出ることにした。

ウェストポーチを久しぶりに出して、水筒とスマホ、そして薄い文庫本一冊だけ入れる。
ちょっと重くなってしまったけど、まぁよし。


朝の住宅街を走り始める。

朝の静かな住宅街に、自分の足音がよく響いた。
国道を渡り、まっすぐ続く長い道に出ると、ゆっくりとスピードを上げた。

トットットッと心臓が大きめにリズムを刻み始め、体の中を血液が巡り始める。
私の血管の中は、首都高速のように赤血球が走り回っているのだろう。

20分ほど走ると「完全に走っている時の脳」になる。
脳内の圧力が高まって、シンと真空のように感じる。
そこには雑念が入り込む余裕がない。
不思議に心地よくて、ずっと走っていたいと感じる。

道端のハイビスカス

道端のおばあちゃん家みたいな懐かしい感じのお家があった。
ふと見ると、軒先の鉢植えに大きなハイビスカスが花を咲かせていた。

そこの住人は見たこともないけれど、この花が咲くのを楽しみに毎日世話をした人の存在を感じるような花だった。
花開くのを待つような、ひたむきで明るい心。
そういう心がこの世界に多ければ多いほど、世の中は平和になるんだろうな。

たっぷり45分ほど走ってもとの国道に戻ってきた時は、まだ6時半。
コメダもスタバも空いていない。どうしよう。
……そう思っていたときに、黄色の看板が目に入った。

朝6時台のマック

朝マックという言葉は謎に魅力的だ。
ちょっと良いことしているという幸福感が滲む。

店内には、オール明けっぽい、深夜テンションが抜けていない男子大学生のグループと、夜行でディズニーから帰ってきたらしい、とろんと眠たげに語り合う女子大学生のグループ。
大学生のうちに、と急き立てられるようにたくさん遊んだ懐かしい大学生の日々の断片が蘇る。

前髪を汗で張り付かせた私は、ミニッツメイドのオレンジジュースを吸い込む。
たくさん走った体に、爽やかなオレンジがぐんぐん吸い込まれる。

ハッシュポテトをカリッと噛むと、初めて食べた6歳ぐらいの時に戻れそう。
どうしてこんなに美味しいのかしら。
マックグリドルの程よい塩気と甘みは、いま求めていたものだった。

マックで読む本は、村上春樹さんのエッセイ。
「走ることについて語るときに僕の語ること」
これ以上、朝ランのお供に最適な本は見つかるまい。

最高の朝活。


ものすごく健康的。

これほどまでに充実した朝を過ごせるなんて思ってもみなかった。

最近はたくさん文章を書いているし、仕事でも考えることが多くて頭がずっと疲れていた。

たくさん走ってから水分をとるように、たくさん体を動かして頭を休めてから、本を読んだりものを書いたりすると、驚くほど心地よい。

日本を代表する物書きの村上春樹さんが、走る習慣を持っていることからも、物を考えることと頭を休めることはセットにしておいたほうがいいのだろう。朝マックには、ハッシュポテトがついてくるようにね。

考えすぎて疲れている人がいたら、私は朝ランと朝マックをおすすめしたい。

《おわり》

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