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つれづれなる日々のこと

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2019年2月の記事一覧

ATMを利用していた幽霊のはなし

ATMを利用していた幽霊のはなし

先日、郵便局のATMを利用しようとおもい、先にひとり、年配の女性がいらしたので後ろにそっと並んだ。

そのATMは、個室というか、ひとりずつしか利用できないタイプのものだった。ちいさな郵便局に併設されているもので、土日に郵便局がお休みでもATMだけは利用できるようになっている。電話ボックスみたいな、ちいさなATM。

少しすると、その女性はATMの中をのぞき込んだり「あら、こんな札が立っていたわ」

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つぎからつぎへと、飛行機は。

つぎからつぎへと、飛行機は。

先日、羽田空港に行ってきました。

「旅する日本語」で企業賞を受賞して、そのテキストのパネルが飾られているんだよね、と夫に言ったところ、「せっかくなら、見に行けばいいんじゃないの?」と。

わたしが普段利用している沿線は、「羽田空港行き」の電車があるんです。そのため、小一時間くらいは電車に乗りますが、電車一本で羽田に行けるんです。便利! だけれど、あいにく、私は普段まったく飛行機には乗らないので、

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梅は咲いたか、桜も咲いたかな。

梅は咲いたか、桜も咲いたかな。

あと数日で二月が終わってしまうなんて。いくら何でも早すぎやしないか? とカレンダーを見ては、首をかしげてしまう。

そうは言っても、季節は少しずつ移ろいでいて、二月のはじめには実家のお向えに植えられた梅のつぼみがほころび始めていた。その梅の木に、メジロがとまっていたので、姉と「お父さんがメジロになってやってきたのかも」と涙ながらに話していたのを覚えている。

あわただしく毎日が過ぎていって、もうほ

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ニャーニャーとは、呼ばせないぜ

ニャーニャーとは、呼ばせないぜ

先日、言葉を覚え始めた幼い子どもと接する機会があった。わたしは子どもを出産していないし、これからもその予定はないので、積極的な子育てをしていない。

そのため、赤ん坊から、大きくなるにつれて「言葉を覚えていく過程」を目の当たりに体験したことがない。

はじめは、ママとか、パパとか、まんまとか、繰り返して言える言葉を比較的覚えて発しやすい、というのはあるのだろう。

友人の子どもは一歳半になるくらい

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同じ体験をしていても、記憶の中身はちがっている。

同じものを見ていたはずなのに、記憶に残っているものはかなり違うものだ。

先日、姉といろいろ話をする時間があった。そのなかで、姉は幼いころに「アコーディオン」が怖かったという。

アコーディオン? なんでそんなものが怖かったのだろう? 

わたしたち家族が毎年お正月に初詣へ参拝するお寺がある。幼いころからずうっと、お参りしていて、今年のお正月にも家族四人で行ったばかりだ。

姉が言うには、そのお寺

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単なる傍観者としての備忘録

単なる傍観者としての備忘録

先日、電車に乗っているときに目撃したことが、こころから離れていかない。わたしだったら、どうしていただろう? とずっと考えてしまって、良い行動はなんだったのだろう? と自問自答してしまう。備忘録として記しておきたい。

わたしは東急東横線の電車に乗って、待ち合わせの新宿に向かっていた。東急東横線は渋谷から先は副都心線と名前が変わり、新宿三丁目まで乗せていってくれる。

わたしは三人掛けの座席に座って

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おんな五人寄れば、思慮深い。

おんな五人寄れば、思慮深い。

先週末、大学のころに仲良くしていた女友達と集まった。わたしも含めて五人。知り合ってからもう、二十年近くになる。

わたし自身、個人的にちょこちょこと連絡をとって、ご飯を食べる子もいれば、もう、全然会っていなくて、三年か四年ぶりに顔を合わせる子もいる。

それは私以外でも同じことで、家が近いとか、職場が近いなどの理由でそれぞれ会っている。けれど、五人全員が顔をそろえるのは本当に久しぶりだった。

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「旅する日本語」で入賞しました

「旅する日本語」で、「奇偉」をテーマとして書いた作品が入賞しました。竹中工務店賞として選んでいただけたこと、本当にうれしいです。

入賞のお知らせを聞いたのは、一月の最後の週で、すごくびっくりしました。

というのも、吉玉サキさんが一月の中旬ごろに優秀賞を受賞されたというnoteを読んでいたからだ。

すごいなあ、活躍されていらっしゃるなあと思ったのと同時に、わたしもいろいろ投稿したけど、残念だっ

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疑ってかかるのも、必要なんだろうけど。

疑ってかかるのも、必要なんだろうけど。

本人を確認するための証明書類、っていうものは、あらめて考えるとなんだか不思議なものだとおもう。

わたしはわたしである。それは確かなのだけど、証明しろといわれると、どうすれば「わたしはわたし」と証明できるのかが難しい。

父の葬儀が終わり、世帯主を母に変更する手続きをおこなったときのことだ。

母は運転免許証をもっていない。パスポートも持っていない。本人確認書類を提示してください、と様々な場所で言

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疲れているときは、頭も目玉もはたらかない。

疲れているときは、頭も目玉もはたらかない。

こころに余裕がないと、SNSを見る元気がない。

ぱたぱたとせわしなく進んでいくタイムラインは、わたしとは、どこか時間軸の違う世界のできごとのようだ。

タイムラインに流れる情報は、流しそうめんみたいなもので、手を伸ばして箸でつかみあげないといけない。ぼんやりしていると、ただ目の前をするするするっと流れていってしまうそうめんと同じ。つかみあげて、食べたいと思わないかぎり、ただただ、流れてさってしま

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こどもたちの笑顔に、わたしは救われた

こどもたちの笑顔に、わたしは救われた

おおきな悲しみを胸に抱えていたときに、子どもの笑顔に触れてとてもほっとした。ただ、むじゃきに笑う。その笑顔に、わたしはとても救われた。

父の葬儀が終わり、すぐに済ませなくてはいけない手続き(父の年金受給資格の停止とか、世帯主の変更とか)をばたばたと済ませた。それらの手続きは、書類さえそろっていれば、取り立てて難しいものではない。

ただ、目が悪く、ちょっとひざに痛みを抱えている母がひとりで役所に

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健康について、気をつけたいこと。

健康について、気をつけたいこと。

自分の身体の調子をコントロールすることは、自分でしかできないことだ。

もちろん、外的環境からストレスを受けることはある。けれど、ずっとそのストレスに身をさらし続けるか、その場所を離れるかは、自分で決めるしかない。

「一回病院で診てもらったら?」と、家族や友人がなんども訴えても、実際に足を運ぶかどうかは自分自身である。また、「一回、検査してみようか迷ってる」と言いながら、ずっと検査しないでいると

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おかえりと、いえない旅路へ

おかえりと、いえない旅路へ

ばたばたと、父は駆け足で行ってしまった。

もう二度と、おかえりと声を掛けてあげることはできない。

すこしずつ、覚悟を決めていたけれど、やっぱり悲しくて仕方がないです。

*今週のnote更新は不定期になります。

ロボットのようなカラダと、お笑い芸人変身ウエア。

ロボットのようなカラダと、お笑い芸人変身ウエア。

ここ最近、すこし気を抜くと身体がだるい。風邪っぽいというか、熱っぽいというか。ただ、体温をはかってみると、まったく熱はない。

そんな日は、さっさと眠るにかぎる。そうすれば、翌朝は、ある程度復活しているし、なんともなかったようにスッキリしていることすらある。

ただ、どうも喉の調子がおかしい。

喉、と表現していいのかわからない。正確に言えば、鎖骨から胸のふくらみの上くらいまでの身体の部位(肺? 

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