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ロボットのようなカラダと、お笑い芸人変身ウエア。

ここ最近、すこし気を抜くと身体がだるい。風邪っぽいというか、熱っぽいというか。ただ、体温をはかってみると、まったく熱はない。

そんな日は、さっさと眠るにかぎる。そうすれば、翌朝は、ある程度復活しているし、なんともなかったようにスッキリしていることすらある。

ただ、どうも喉の調子がおかしい。

喉、と表現していいのかわからない。正確に言えば、鎖骨から胸のふくらみの上くらいまでの身体の部位(肺? なのだろうか。それとも気管支か?)。

この部分が、呼吸をするたびに、「ガラガラガラガラ」というか「グルグルグルグル」というか、「ゴワゴワゴワゴワ」といった音を立てている。

ネコがのどを鳴らしていたり、ガラガラヘビの威嚇音とは違っているようで、ほかの人には聞こえない。けれど、身体の中で反響していることは確かなのだ。グルグルとか、ガラガラ、などの音を感じるたびに、どことなく気味が悪い。

その様子を夫に伝えると「なにそれ。ゼンマイ仕掛けのロボットみたい」とげらげら笑って、真剣に取り合ってはくれない。腹立たしい。けれどもたしかに、ガラガラガラとかグルグルグルなどと音が鳴るなんて、たしかにロボットっぽいなあと、わたしまで笑ってしまった。

のどの奥でグルグル、ガラガラと響くたびに、「ゼンマイをまかなくっちゃ、止まってしまう」と、思ったりしている。いや、ひどくなる前に病院に行け、ということなんだけれど。

真剣に話したことや、わたしがすることに対して、夫は笑って取り合ってくれないことが度々ある。

防寒着に対する感想もひどかった。

ヒートテックが今ほど流通されるまえに、ワコールだか、どこかの下着メーカーから薄手のあったか肌着が販売されていた。今でこそ、ヒートテックは冬の暮らしに欠かせないアイテムだと思うけれど、そのときは、まだ、その薄っぺらい肌着が、温かいものだという認識が薄かったのだろう。

寒がりの私は、その肌着を着用していた。肌着の色はいくつかあって、サーモンピンクのものと、水色の二着があった。

着替えの最中、ちょうど水色の肌着のみを着ている場面を目撃した夫は

「その、いとうあさこウエア、暖かいの?」と笑いながら聞いてきた。いとうあさこウエア? どういうことかと思いきや、最近ではその芸風を見かけないけれど、その当時女芸人の、いとうあさこさんがよくやっていた「浅倉南」のものまね? みたいなのをやっていた。「浅倉南、38歳! イライラする!」というもの。一度くらいは聞いたことあると思う。

その「イライラする!」と言っているときに着用しているレオタードが、わたしの肌着の色とかなり似ていたため「いとうあさこウエア」と命名されたのだ。

その肌着は少し前に捨ててしまったけれど、夫にとってわたしが着用するヒートテックは「いとうあさこウエア」としていまだに認知されている。黒いヒートテックであろうとも、グレーのヒートテックであろうとも。

夫がどういった目線でわたしを見ているのか、一緒に暮らし始めてもうすぐ十年が経とうとしているのに、あんまりよくわからない。



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