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【BL二次小説】 チャリデカ2《カジノ編》②


広大なカジノフロアは大勢の客で賑わっていた。

 

手前に大量のスロットマシンがズラリと並び、奥へ進むとルーレット、バカラ、ブラックジャック、ポーカー等のテーブルが並ぶ。

キノやビンゴも開催されている。

競馬やスポーツに賭けることも可能だ。

奥へ行けば行くほどレートが高くなっていく構造になっている。

 

基本的に、プレイしている人はドリンク無料。

コーヒーやソフトドリンクからアルコールまで無料だ。

着席すると、カクテルボーイやカクテルガールがすぐにやってくる。

注文をし、受け取る時にチップを払うシステムである。

 

 

 

新「さ~て、オレ達は何をプレイしようか」

 

新開が指をポキポキ鳴らす。

 

荒「あ、オレぁギャンブルやんねーんだ」

新「ええ?」

 

荒北の返答に拍子抜けする新開。

 

 

新「尽八は?」

東「オレもやらん。どうしてもプレイヤーより、経営者側の視点で見てしまうものでな。ウチの旅館でも導入を検討しているところだ」

 

新開はガッカリする。

 

新「なんだよ二人共。せっかく来たのに。つまんないじゃないか」

 

 

荒北は不貞腐れる新開の肩に腕を回す。

 

荒「ついてってやっからァ、オメーだけプレイしろ」

東「オレも助言してやろう」

新「嫌だよ両側からギャーギャー言われながらプレイするなんて」

 

ブーたれる新開を連れて、3人はカジノフロアへ入って行った。

 

 

 

 

煌々と明るくきらびやかなネオン。

大音量のBGM。

コインの払い出される音。

あちこちで発生する歓声。

カジノフロアは、プレイヤーの思考力を麻痺させる魅力に満ちている。

 

しかし、奥へ進んで行くと、だんだんBGMも静かになり、照明も落ち着いていく。

はしゃぐ客も少ない。

高レートのコーナーは、静かにプレイする大人の場となる。

 

 

そして更にその奥へ進むと、重厚な扉が開かれており、その扉の向こうのフロアは全くの別世界である。

 

ドレスコードが設けられ、入口でチェックも行われている。

女性はカクテルドレス、男性はタキシードだ。

 

 

新「なんだい?あのジェームズ・ポンドな世界は」

 

新開は扉の向こうの社交界な様子を眺めながら尋ねる。

 

 

荒「あれは超ハイレートなフロアだ。最低チップは100$。金持ちだけが入れる部屋さ」

東「通称“クジラ部屋”。大量のコインを飲み込むという意味だ」

新「ひゃっ、100$?1万円じゃないか!1枚でも落としたりしたら大変だ!」

 

驚く新開に、東堂は不敵に笑って説明する。

 

東「コイン1枚落としたところで彼らは何とも感じはしない。実際クジラ部屋にはいくつもコインが落ちているのだ。そして誰も拾ったりしない」

荒「クジラ部屋のカクテルボーイは儲かるぜェ。なんせドリンク1杯運ぶだけでチップ1万円だ」

 

荒北もニヤリと笑う。

 

 

新「な、なんて世界だ……」

 

新開は全身の力が抜けていくのを感じた。

 

荒「ま、住み分けは悪りィことじゃねェ。それぞれ身の丈に合った部屋で遊ぶだけさ」

東「上を見てもキリが無いからな」

 

 

 

3人は引き返し、中レート程のフロアへ行く。

 

東「なにかプレイしたいものはあるか?隼人」

 

 

新開はざっと見渡して言った。

 

新「うーん、やっぱりブラックジャックかなぁ。簡単そうだし」

荒「新開ィ、こっちだ」

 

荒北が新開を手招きした。

ブラックジャックのテーブルを指差す。

 

荒「ここに座れ」

新「え?」

 

 

荒北は新開に耳打ちした。

 

荒「オレが勝たせてやんよ」

新「!」




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