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【BL二次小説】 チャリデカ2《カジノ編》④


~課長室~

 

 

翌日。

金城の課長室で巻島を交えて3人で話す福富。

 

 

 

金「Mr.ピエールがイカサマ犯に苦しめられていたとは……」

 

肘をついて顔の前で指を組み、眉間に皺を寄せる金城。

  

巻「もっと早く相談して欲しかったっショ。せっかく教え子が警官になってるんだからなぁ」

 

金城の机の角に腰掛けて溜め息をつく巻島。

  

福「いや、だからこそ言い出せなかったのだろう。教え子に迷惑をかけたくなかったのだ」

 

二人の正面で足を広げて座っている福富が冷静に答える。

 

 

巻「まぁ、聞いた以上は全力で解決させるっショ」

金「ああ、当然だ」

 

 

金城の机の上には、今回の事件の資料が並べられている。

 

犯人の身元書類、被害額内訳、監視カメラの映像、使用されたトランプカード、口を付けたグラス等々。

 

 

金「岸神小鞠……か。女みたいな顔立ちだが堂々としている。捕まらない自信があるのだろう」

巻「グラスにDNAは残しても、カードに指紋は残さない。現行犯でないと逮捕されないってわかってるっショ。嫌な奴」

 

福「金城、オマエ手品得意だろう。すり替えの手口は見て判らないのか?」

金「得意と言っても素人レベルだからな。勿論監視映像は拡大してくまなく確認した。しかし判らなかった。余程手先が器用なようだ」

 

 

福富は資料を箱に入れる。

 

金「福富……頼んだぞ。Mr.ピエールはオレ達総北の恩師なんだ。恩返しがしたい」

 

福「金城。総北だけではない。Mr.ピエールはオレ達が一番輝いていた時代にロードレースを支えてくれた人物だ。箱学にとっても恩師に違いない」

 

巻「福富……」

金「ありがとう福富」

 

福「それに……」

 

福富は資料の入った箱を抱え、課長室の扉を開けながら振り向いて言った。

 

 

福「このジャンルは、ウチのチームに最適なエースがいる。まかせておけ」

 

 

 

 

 

~会議室~

 

 

福「概要は、以上だ」

 

福富はチーム箱学を会議室に集め、今回の事件をざっと説明した。

 

 

 

東「岸神小鞠。京都で小さな整体院を経営しているマッサージ師、か」

新「金に困ってるのか、カジノに恨みでもあるのか、手先の器用さを試してみたかったのか、単なる愉快犯か、誰かに命令されてるのか」

荒「動機なんか関係ねェ。捕まえた後でいくらでも吐かせてやんよ」

 

黒「身バレしてんなら、適当な余罪でしょっ引いたらどうスか」

泉「仲間がいるのかピンなのか判らない現状ではそれは逆効果だよ」

 

真「現行犯じゃないと逮捕出来ないってことは、イカサマする瞬間に立ち会えるってことですよね!楽しそう!」

福「問題は、そのイカサマをどうやって見抜くか、だ」

 

 

福富は議長卓に両手をついて前のめりになって言う。

 

福「これを単なるカードすり替えのケチな犯罪と思うな。被害額が半端ない。国営カジノの源は国民の税金だ。これは国に対する挑戦。れっきとした詐欺事件なのだ!」

 

 

それを聞いて、全員の気が引き締まる。

 

 

福「幸い……」

 

福富は議長卓から手を離し、ゆっくり歩きながら言う。

 

福「我がチームにはこの分野のプロがいる」

 

「え?誰?誰?」

 

全員が顔を見合わせる。

 

 

 

東「フフフ……。そこまで言われては仕方あるまい」

 

東堂が不敵に笑い、前髪をかき上げながら立ち上がる。

 

福「荒北」

東「なぬ!」

 

 

会議卓に両足を乗せ、ふんぞり返って座っている荒北を指差して福富はオーダーした。

 

 

福「オマエの出番だ。この事件、オマエが指揮をとれ!」

 

荒「ご指名あンがとねェ福ちゃん。期待に応えてやんよォ」

 

 

荒北はニヤリと笑った。




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