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【BL二次小説】 チャリデカ2《カジノ編》⑱


真「お客様、ドリンクいかがですか?」

鞠「!」

 

真波が小鞠にシャンパングラスを差し出した。

 

 

 

鞠「え……ああ、いただきます」

 

小鞠はグラスを受け取り、トレイの上にチップを置く。

 

 

真波は小鞠に笑顔で話し掛けた。

 

真「ご存知ですか?当ホテルのコンベンションホールでは、先週から最新ロードバイクの展示会を開催してるんです。だから今、その関係のお客様が多いんですよ。ロードお好きなんでしたら是非、昼間に御覧になってみて下さい」

  

鞠「え?ロードバイクの展示会ですって?」

 

小鞠は真波の説明に興味を持ったようだ。

 

 

 

鞠「そう、そうだったんですか、それで……。そういえば、あちらのプレイヤーもスプリンターだし、あちらはクライマー……」

 

小鞠は同じテーブルに居る泉田と東堂を見て納得したように頷く。

 

泉田と東堂は聞こえないふりをしているが、冷や汗でびっしょりである。

 

 

鞠「ボーイさん、アナタも……クライマー……」

 

真「そうです!オレ、クライマーです!すごいや!ホントに見ただけで判るんですね!オレ、昼間はその展示会の方でバイトしてるんです。今度ご案内しますよ!」

 

 

鞠「ええ。行けたら行きます。ありがとう」

 

真波の笑顔に小鞠の興奮も鎮まり、和やかな雰囲気となった。

 

 

 

 

 

黒「真波!ナイス!」

荒「スペシャルクリティカルだ真波ィ!ご褒美に今度奢ってやんぜ」

 

真「ご褒美ならオレ荒北さんと筆おろ「ハイご褒美消えたァ!」

 

荒北が全否定する。

 

 

 

 

 

荒「福ちゃん、作戦続行だ」

 

 

福「岸神、オレはプレイを続行したいんだが」

鞠「ええ、すみませんでした。続けましょう」

 

プレイが再開された。

 

 


 

  

黒「クラブのA、残ゼロです!」

 

荒「福ちゃん、あと少しだ。会話を引き伸ばしてくれ」

 

 

 

福「岸神。オマエはカウントしていないようだが」

鞠「クスクス。ボクにはカウンティングなんか必要ありません」

 

福「ほう。他にも計算方法があるのか?」

鞠「ボクには……幸運の女神がついてますから」

 

小鞠はニッコリ笑って言った。

 

 

 

 

黒「さすがにカードをすり替えてるとは吐かないスね」

荒「犯罪だからな。初対面の相手に明かすワケがねェ」

 

 

 

 

鞠「それより……ねぇ」

 

小鞠はまた興奮してきたようだ。

 

鞠「一度、直に触らせてくれませんか?アナタの筋肉(にく)……」

福「そんな趣味は無い」

 

鞠「誤解しないで下さい。性的な意味はありません。ボクはただ、その筋肉(にく)を揉みほぐして弾力を楽しみたいだけなんです」

福「充分性的行為だ」

 

鞠「だってアナタ、すぐに移動してしまうんでしょう?だったらもう、今夜しかないじゃないですか。もちろん、謝礼は払います」

福「金ならある」

 

 

 

 

荒「福ちゃん、もうあと2、3ゲームだ。キモイだろうが堪えてくれ」

 

 

チーム箱学のリーダーが、仲間達の目の前で犯罪者に凌辱されている。

荒北だって、いつまでもこんな光景見ていたくない。

会話を聞かされている全員が同じ思いだった。

 

 

 

 

鞠「じゃあ、アナタの望みは何ですか?ハァ……ボク、何でもしますから。ハァ……お願いです。アナタの筋肉(にく)、ああ、その美しい筋肉畑(にくばたけ)にダイブしたい!!」

 

 

 

黒「ダイヤのA!残ゼロです!!」

 

黒田が叫んだ。

 

 

 

  

荒「待たせたな福ちゃん。ラストリザルトだ」

 

 

  

ガタッ。

 

鞠「!」

 

福富が席を立ち上がり、小鞠を見下ろした。

驚いて福富を見上げる小鞠。

 

 

 

福「そんなにオレのにくに触りたいか」

 

鞠「……ええ!ええ、触りたい!触らせてくれるんですか?」

 

期待に満ちた表情で前のめりになる小鞠。

 

 

 

福「では、オレと勝負しろ」

鞠「勝負?」


 

福「オールインだ」

鞠「!!」

 

観客「「おおお!!」」

 

 

 

城のように積み上げた福富のコインを、オールインすると言うのだ。

ギャラリーは大歓声。

益々人垣は増えていく。

 

 

 

 

鞠「福富さん、アナタ……アナタ……」

 

小鞠はキョトンとして……。

 

 

  

鞠「最高(いい)!!」

 

恍惚の表情で叫んだ。

 

 

 

鞠「もちろん!もちろん受けますよ!ディーラーさん、彼と同額をベットします!」

 

小鞠は新開にプラチナカードを渡した。

 

 

新「かしこまりました。少々お待ちを」

 

 

 

チーム箱学のテーブルは最高潮を迎えた──!




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