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【役員インタビュー】ヘルスケア業界に生活者視点を~マクロミルの可能性は無限~/執行役員 吉田昂平インタビュー

変化の激しい時代の中で、マクロミルの経営を担う役員たちは、どのような戦略を立て、どのように取り組んでいるのでしょうか。マクロミルの多様なバックグラウンドをもつ役員たちにインタビューを行う企画。

今回は、2023年7月に執行役員に就任した吉田昂平へインタビューしました。2021年5月に開始した「ライフサイエンス事業」において現在注力していること、今後の展望、30代で東証プライム企業の役員となったキャリアプロセスについて、広報の井上が話を聞きました。


執行役員/吉田昂平のプロフィール

筑波大学大学院 人文社会科学研究科修了。2012年マクロミル新卒入社。データベース事業部門の営業担当からスタートし、日用消費財メーカーを担当する営業部門の営業マネジャー、営業部長を経験。2020年7月にライフサイエンス事業本部を立ち上げ、本部長に就任。製薬企業向けにマーケティング支援を行う株式会社マクロミルケアネット、脳神経科学・生理心理学的アプローチでビジネス課題解決を行う株式会社センタンの取締役を兼務。2023年7月より当社執行役員に就任。

ヒト臨床試験サービスの盤石化と、更なる事業の多角化

―ライフサイエンス事業において、現在最も注力していることは何ですか。

マクロミルの「ライフサイエンス事業」では、未病・健康維持に係るヘルスケア領域(※1)における生体データの取得、ヒト臨床試験(※2)の実施支援など、ヘルスケア・ライフサイエンス領域に特化して顧客企業のビジネス支援に取り組んでいます。

2021年7月のマクロミル公式noteでは、当時の「ライフサイエンス事業」の取り組みについて紹介しましたが、現在は、大きく二つのことに注力しています。

一つ目は、ヒト臨床試験サービスの盤石化に向けたサービス力の向上です。色々な取り組みを進めていますが、特に「試験企画・プランニング力の強化」と「マクロミルモニタ向けプラットフォームの開発」が直近の重要なイシューです。

まず「試験企画・プランニング力の強化」についてですが、これまでは顧客企業側で検討した試験デザインに対して、どのようにオペレーションとして実現するか、といった点に重きを置いていました。しかし直近では弊社内に当該領域に関するナレッジが蓄積されてきたこともあり、さらに複数の経験豊富な専門人材に参画いただいたことで、試験検討段階での企画提案や、試験デザイン全体に対するコンサルテーションといった部分まで、踏み込んでご支援することが可能になってきています。単なるオペレーション支援に留まらず、顧客企業のビジネスゴールを理解した上で戦略的なエビデンス構築のご支援をするべく、「企画・プランニング力の強化」につながる取り組みを積極的に推進しています。

「マクロミルモニタ向けプラットフォームの開発」については、モニタに対して臨床試験に関する情報提供や啓発活動を行ったり、実際の試験において被験者のリクルートから試験中の被験者管理までを一気通貫で実施したりできるようなプラットフォームを目指して開発を進めています。このプラットフォームによって、ヒト臨床試験に参加するモニタ数の更なる拡大や、試験オペレーションの効率化、被験者管理の品質向上につながることを期待しています。

二つ目は、ヒト臨床試験サービスに次ぐ新たなソリューションの拡充です。複数の新サービス開発を同時並行で進めていますが、例えばその中でも形になりつつあるのは、ヘルスケア領域や機能性商材に特化した研究・マーケティングコンサルティングサービスです。生活者ニーズ起点による研究戦略の策定から、エビデンスを生活者に魅力的に伝えるためのコミュニケーション戦略の策定・施策実行にいたるまで、顧客企業が機能性商品を企画し世に出していくまでのプロセスに伴走し、ワンストップで支援するユニークな取り組みです。サービス開始直後から非常に反響が良く、現在大手の食品企業様を中心に多くの引き合いをいただいています。

また直近ではヒト臨床試験サービスの提供で培ったノウハウを活かし、治験(※3)の領域での支援も開始しました。この領域においても前述の「試験企画・プランニング力」や、「マクロミルモニタ向けプラットフォーム」といったアセットが大きな強みになると考えています。このように顧客提供価値の継続的な向上を目指して、ヒト臨床試験サービスを起点に新たなサービス・プロダクトの開発を同時多発的に行い、積極的に事業の多角化を図っています。

※1 病気ではない未病状態における健康の維持や増進のための行為や健康管理
※2 食品・化粧品・サプリメントなど非医薬品の領域で、有効性や安全性を示すために行う試験
※3 「新薬の候補」を用いて、国から医薬品としての承認を得るために行う臨床試験

サイエンスと生活者の「共創」を身近なものにしていきたい

―今後の展望を教えてください。

ヘルスケア業界は人の健康や生命にかかわる領域ということも有り、サイエンス(エビデンス)が重視されることは当然なのですが、その一方で「生活者の声を活かす」、あるいは「生活者にわかりやすく、魅力的に伝える」といったことの優先度が低くなってしまっていると感じます。その結果、生活者にとってもサイエンス(エビデンス)は難しく、遠い存在となっているため、自身の健康課題を解決してくれるサービスを適切に選ぶことが中々できていないのではないでしょうか。

このような状況を課題と感じる顧客企業が増えているようで、最近では「生活者を深く理解したい」「生活者の声を踏まえて研究を進めたい」といったお声をお聞きするようになりました。その一方で、「生活者理解のやり方が分からない」「生活者理解に多くのコストがかかるので気軽にできない」といったような悩みをお伺いすることも非常に多く、マクロミルとしてもっと何かできることがあるのではと考え、日々試行錯誤しています。

例えば、ヒト臨床試験と生活者リサーチを一気通貫で統合的に実施することができるのではないか。試験計画の前段階でクイックに定量調査を実施し試験デザインに反映したり、あるいは試験終了後に被験者に直接インタビュー調査を実施したりしてみても良いかもしれません。そのために研究部門の方々が気軽に生活者リサーチができるような仕組みを開発して提供できないか。そもそもヒト臨床試験の実施コストが高いので、臨床試験のオンライン化・デジタル化を推進することでコストを下げ、その分を生活者理解に充当してもらうようなお手伝いができるのではないか。研究者の方々にもっと生活者を身近に感じてもらうために、長年マーケティングリサーチを生業にしながら、直近ではヒト臨床試験領域のナレッジも蓄積しているマクロミルだからこそできることがたくさんあると考えています。

中長期的には、生活者にとってサイエンス(エビデンス)をもっと身近に感じてもらうためにマクロミルができることも有ると思っています。例えば前述したモニタ向けプラットフォームをオープンなプラットフォームとして展開し、生活者に対してサイエンス(エビデンス)に関する有益な情報を積極的に提供し、もっと気軽に楽しく臨床試験に参加できるような仕掛けを用意しても良いかもしれません。あるいはマクロミルの中立的なポジションを活かして、業界団体やアカデミアの方々とも連携しながら、生活者にとって魅力的に伝わるコミュニケーション方法の検討や、世の中への発信といったことに挑戦することもできると考えます。

研究者にとって生活者が、生活者にとってサイエンス(エビデンス)がより身近な存在となることで、ヘルスケア領域において新しい価値を共に創っていくような関係性に昇華させることができるのではないか。マクロミルの豊富なアセットを活かしながら、そのような世界観の実現を目指していきたいと思っています。

マクロミルのアセットを活かし、キャリアの可能性は無限に

―これまでどのようにキャリアを描いてきたのか、プロセスやヒントを聞かせください。

実は明確に将来のキャリアをイメージして描いてきたわけではなく、その都度やりたい、やるべきだと直感的に思ったことをやってきた結果、今に至る、という感じです。まさか私自身が新規事業を立ち上げるとは思っていませんでしたし、ましてやそれがヘルスケアという領域になるなんて夢にも思っていませんでした(笑)。マクロミルのアセットを使いながら社会や顧客に対して価値提供を模索したことや、その価値を最大化するために試行錯誤してきた領域が大きくなり、結果として会社の方向性と合致したのかなと考えています。

よくメンバ-には「ベクトルを外に向けよう」という話をしています。ベクトルを内に向けること、例えば自身の成長やスキルが身につくこと、あるいは自身が評価されるといったようなことはもちろん大事なことです。ですが、それよりもベクトルを外に向け、何かを形にしたい、良くしたい、成したい、といった動機で無我夢中で取り組んでいたら、結果的に評価され、自身も成長していた、という方が充実した日々が送れるのではないかと思います。

私の場合はそれがたまたまヘルスケアという領域だったわけですが、マクロミルで新しくチャレンジしようとすればできることはたくさんあると思いますし、マクロミルが保有するアセットを活用すれば可能性は無限だなと感じています。まずは何でもいいので、自身が真剣にコミットできるイシューを見つけることが、キャリアを描いていく近道なのかもしれません。

あとは強いて私の特性をあげるとすれば、人よりも諦めが悪いことでしょうか(笑)。自分自身で「これだ!」と思ったことは、だれに何をいわれても気にせずに続けられます。ユニークなアイディアを出せる人はいても、実行に移し、そしてそれを継続できる人は少ない印象です。できるまでやれば、できる。とてもシンプルですが、諦めなければ必ず道は開けると思います。

―本日はありがとうございました!

<写真撮影>
広報・ブランドマネジメント部 クリエイティブデザインユニット
田代正和

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マクロミル 役員インタビュー企画


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