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逸走

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こんにちは。馳走(はせ・はしる)と申します。40を手前に発達障害の診断を受け、ついでにうつになりました。まさに人生「逸走」状態ですが、名刺代わりに本マガジンをお読みいただければ幸…
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#マンガ

日常とは「言葉にならない」ものなのだと『スーパーカブ』を観て思う。

日常とは「言葉にならない」ものなのだと『スーパーカブ』を観て思う。

 ようやくスギ花粉の季節も過ぎ去りまして、ヒノキ花粉症の方々は引き続きお大事にどうぞなのですが、私としてはようやくつらい時期を脱しました。徐々に気温も上がってきて、バイクなどに乗って外に出るのにはいい季節になってきました。

 引き続きの新型コロナ感染拡大の世の中ですが、バイクならば乗車中は基本的に360度ソーシャルディスタンスですし(何かと「密」になった時の死亡リスクはコロナの比ではありませんね

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<オススメ漫画>田島列島・作『子供はわかってあげない』能動性がドライヴ感を生み出すということ。

<オススメ漫画>田島列島・作『子供はわかってあげない』能動性がドライヴ感を生み出すということ。

 田島列島先生による『子供はわかってあげない』は、私の好きな漫画作品の一つだが、このたび映画化される運びとなったため、6月末の公開の前にオススメ紹介記事を書いておきたいと思い、キーボードを叩いている。

 先日『エマージング』の紹介記事を書いたらなんだかんだで作者の外薗昌也先生ご本人に届いたようで、それも踏まえてちょっとしたスケベ心も抱きながらこの記事を書いてますよ、ということは先に自白しておく。

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<オススメ漫画>外薗昌也・作『エマージング』を今こそ読んでほしい。

<オススメ漫画>外薗昌也・作『エマージング』を今こそ読んでほしい。

 田島列島先生の『子供はわかってあげない』が映画化されることを知り、それをきっかけとして週刊モーニングで短期連載された作品の中に多くのすぐれた作品があるのでそれを紹介していくシリーズの記事を書こうと思っているうちにダラダラと時間が経ってしまった。

 まずはきっかけとなった『子供は~』の紹介から始めつつ、などと思って紹介したい作品をリストアップしていく中で、この作品こそ今再評価されてほしいというも

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発達障害当事者の私が感じた『リエゾン-こどものこころ診療所-』第3回で「わかってほしい」こと

発達障害当事者の私が感じた『リエゾン-こどものこころ診療所-』第3回で「わかってほしい」こと

 3月19日発売の『モーニング』第16号に、『リエゾン-こどものこころ診療所-』第3回が掲載されていたので、さっそく購読させていただいた。今回も〈画のお芝居〉の機能がフルに生かされた素晴らしい演出があり、そこが発達障害の当事者として「(あくまでも私個人が)わかってほしいこと」と密接にリンクしていたと感じたので、そのポイントを拾い上げながらまたしても感想をつらつらと述べていきたいと思う。

第3回「

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『リエゾン-こどものこころ診療所-』連載第4回より 〈凸凹のひと〉たちの〈眼〉が我々に投げかける〈問い〉について

『リエゾン-こどものこころ診療所-』連載第4回より 〈凸凹のひと〉たちの〈眼〉が我々に投げかける〈問い〉について

 ちょうど私が発達障害に端を発する抑うつ状態の療養に入るのと時を同じくして連載が始まった『リエゾン-こどものこころ診療所-』に、勝手な縁と親近感を感じてすっかり毎週この作品を読むことが習慣となっているのだが、3月26日発売の『モーニング』2020年第17号に掲載の連載第4回目も非常に興味深く拝読させていただいた。今回も作品を通じての発達障害への学びは非常に多くあり(何度も繰り返す通り私は専門家では

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モーニング新連載『リエゾン―こどものこころ診療所―』の〈画のお芝居〉のすごさをみんなにわかってほしい。

モーニング新連載『リエゾン―こどものこころ診療所―』の〈画のお芝居〉のすごさをみんなにわかってほしい。

 先週から週刊コミック誌「モーニング」で、『リエゾン―こどものこころ診療所―』(漫画・ヨンチャン、原作・竹村優作)という連載が始まった。

どんな漫画? 『リエゾン―こどものこころ診療所―』はサブタイトルが示す通り児童精神科を舞台とする作品で、曰く、「生きづらさを抱えた親と子に向き合う児童精神科医を描く――。」とのこと。意図をひとことで言い切れる作品や企画にハズレなしの個人的経験則から、すでに期待

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