【抗がん剤治療】メンタル維持する方法(我流)

こんにちは

今日は抗がん剤治療というキーワードを聞くと正直ビビるし、副作用が嫌だと思う方向けに、治療も結構大丈夫だと思える私なりの考え方をまとめようと思います。

先ず、抗がん剤と一言に言っても、実はその仕組みが多種多様です。

その中には、副作用が少なくて比較的安全なものも含まれています。(これ重要です❗️)

もっと言うと、ドラマに出てくるような生き地獄のような治療で悶え苦しむというのは、その中の一部の薬剤の副作用であり、現代は副作用を抑える薬も出てきています。もっと言うと、ドラマは視聴者に一目瞭然になるためにオーバーに描くこともあるので、ドラマほどにはならないと思っていいと思います。

なので、「抗がん剤」と聞いてゾクっとした方は「それはどのような機序の薬ですか?」と先ず医師や看護師に尋ねることをオススメします。

では、本題に入ります。

抗がん剤にはザクッと3種類あると私は考えています。これは医学書の分類とも似ています。

1) 標的薬
2) 免疫調整薬
3) 無作為系

先ず(1)の標的薬はその名の通り、標的のみに特化して影響を及ぼします。

グリベック(イマチニブ)、Herceptin、VEGF阻害剤などが代表的でしょうか?

要するに、細胞の一部に存在する標的にのみ作用するように作られているので、髪の毛が抜ける、酷い口内炎の粘膜障害、などなど全身のありとあらゆる細胞が無作為に影響を受けることによって現れる副作用などは出ないメカニズムで作用する薬剤です。(例に上げた薬剤の中には、標的に対する抗体薬もあるので、別の分類の仕方もあるでしょう。あくまで私個人の考え方です。)

ターゲットのみに作用するといっても、そのターゲットが癌以外の細胞にも無いわけではない場合もありますし、薬である以上副作用は色々あります。ただ、ドラマや本などで出てくるようないわゆる典型的なThe抗がん剤のイメージとは異なるものと考えても良いでしょう。

機序としては、慣れ親しんだ抗アレルギー薬などと似ていると考えると、臆さず使用できるかもしれません。同時に、標的が何かによって、各々の薬剤に特化した副作用が出る可能性があるため、検査などは怠らず、医師の指示に従ってください。

次に(2)の免疫調整薬についてです。

私はリツキサン、ATG(抗サイログロブリン抗体)、ニボルマブ(チェックポイント阻害剤)などをここに入れています。

これらも標的に作用する薬剤なので、分子標的薬のように薬剤そのものでは従来の抗がん剤のような副作用は出ないメカニズムです。リツキサンやATGはターゲットの免疫細胞やそのターゲットをもつがん細胞を直接殺す薬剤ですので、ターゲットの細胞を減らすと同時に、一部の健康な免疫細胞も排除する薬剤です。ただ、ターゲットの細胞だけに作用するので、薬剤自体の副作用は非常に少ないと考えています。チェックポイント阻害剤も免疫に作用する薬剤ですが、単純化すると逆の働き方をします。簡単に言うと、免疫細胞の標的に作用して、免疫を上げます。ブレーキを抑えて、アクセルを踏み続ける免疫細胞に変化させるイメージでしょうか。それまでがん細胞を攻撃してくれなかった免疫細胞にがん細胞を攻撃するように働きかける薬です。

いずれも、作用した先に影響が出るのは免疫なので、私は免疫系と一括りにしています。これも基本的には標的の免疫細胞のみに作用するので、薬剤自体が広域な副作用を引き起こすわけではありません。免疫力が落ちて感染したり、免疫が自身を攻撃して自己免疫疾患(リウマチやSLEなどのイメージ)のようなことで、二次的に出てくる副作用にも個人差が大きいようです。

免疫細胞やがん細胞が死ぬ時に出る物質やタカが外れた免疫細胞が癌以外の細胞を攻撃する時には様々な症状が出る場合もありますが、根本的には免疫がコアです。そう考えると、「抗がん剤」という名前を聞いた瞬間のドキッとした感情は薄れませんか?

最後に(3)の無作為系です。

エンドキサンやシスプラチンなどの細胞を無作為に殺すことでがん細胞と健康な細胞の生き残り合戦になるのが無作為系です。

これらの薬剤は標的のみに限らず、広域な細胞をターゲットにします。なので、特に分裂が速い細胞に顕著に副作用が現れ易いと言われています。例えば、血球が全て減少したり、髪の毛が抜けたり、様々な場所の細胞が傷つくことで副作用が出てきます。脳の吐き気を感じる部分を直接刺激してしまうことで吐き気が出てしまうことが解明されて以降、現代はそれを直接抑える特殊な吐き気どめなども開発されています。いわゆるドラマで大々的にクローズアップされるのはこの無作為系の薬剤です。

これはトリビアですが、一般的にはがん細胞と健康な細胞のどちらが分裂が速いか知っていますか? 多くの方はがん細胞の方が増殖が速いと思ったのではないでしょうか? 私も最初この質問を聞いた時は即答で癌だと答えました。

しかし、ビックリ仰天❗️ 正常細胞の方が一般的ながん細胞よりも分裂が速いのです。がん細胞は私達の身体よりもノロマだから、両方の細胞を殺す薬剤を投与すると、正常細胞は分裂して回復してくれる一方で、がん細胞は分裂が間に合わずに縮小していくという原理です。(根治、ステージダウン、維持、と目指す目標の違いで使う薬剤が違いはあります。いずれにしても、人間の身体は潜在的に癌よりもしぶといし回復力があるのです。

こう言うと、構えてしまう方もおられるかもしれません。しかし、今は以前よりも副作用への意識も高まり、様々な対抗する薬剤が出ています。冷やすことで口内炎や爪への影響が軽減されると知られてからは抗がん剤投与中に保冷剤や氷、アイスなどで冷やして副作用を抑えるクライオセラピーも使用されます。

確かに、副作用が全て抑えられないのも事実ですが、早期から緩和ケアを導入することで、多くの副作用には様々な対向手段も出てきています。

私は抗がん剤治療の際に(1)と(2)は恐るるに足らない、そんなヤバい薬じゃないと思うようにしてます。

確かに、(3)の無作為系は構えます。でも、辛いとは言っても、「昔のように七転八倒で這いつくばって生き地獄を味わうほどの状態は回避できるよね。辛いけど、その都度薬で対処していけば乗り越えられるから大丈夫」と思うようにしてます。

「超大量抗がん剤での骨髄破壊的前処置での骨髄移植も、ぶっちゃけICUで生死を彷徨った時期と比べたら大したことなかったし、まぁ結構大丈夫なんじゃない?」と気楽に捉えています。

ここまでもう全然辛くなくてかすり傷程度って吹聴してしまうと、いざ副作用が出た時に「こんなはずじゃなかった」と思われてしまうかな? 

ただ、もし「“抗がん剤”という単語を聞いて内心ビビってるんだけど❗️ 」とか「内心不安で夜の眠りに差し障る」などの漠然とした恐怖心や不安で押し潰されそうな時には、「名前ほど大したことない。自分は大丈夫!! 薬ごとき恐るるに足らない」と何度か声に出して唱えてみてください。

多分、それで大丈夫な気になってきます。

あとは、これは長期闘病の影響なのかな? 自分の心と肉体を分けて考えます。頑張ってくれるのは身体。「身体よがんばれ」と自分の役割はあくまで身体がパフォーマンスを向上できるよう、出来ることをやるだけだと割り切っちゃいます。すると、自分は自分のできることをやるだけ、あとは身体の仕事とちょっと他人事でいられます。

色々なことを私事に感じると、「どうしよう」とか自分に出来ることや病気になったの原因などを探してしまいませんか? でも、他者であれば、自分にはコントロールできないと諦めることもできます。この諦めは、闘病を諦めるのではなく、自分が運転席で主導権を握っているという誤解を放棄するという思考の転換です。

なので、自分は助手席で同乗しているとか、自分は応援団とかくらいの気持ちでいるとわりと楽なこともあります。

闘病中の自分維持というか、最大限苦痛を抑えて楽しみは楽しむという方法は各々が模索し、試行錯誤の中で自分なりの方法を見つける必要があると思います。

私は「別に大したことない」と治療を割り切ることが自分に合っていると思います。逆に、検査などでは異常だと言われることを確信すること、あるいはかなり酷い状態を予想することでどんな結果でも動じづらいようにメンタルを調整します。なので、「副作用ヤバい!」とか「無理!」とか逆に過大評価することで向き合いやすくなるのであれば、そういう方法もあると思います。

ご自分に合った方法で治療中のメンタルを維持するよう工夫してみてください。

今を大切に!

そして、コントロール外のことは、ケセラセラと受け流す努力をしてみませんか?

ぜひサポートよろしくお願いします。 ・治療費 ・学費 等 に使用し、より良い未来の構築に全力で取り組みます。