記事一覧
EDPS/BLUE SPHINX(1983)
EATERファンページHP「極私的80年代ディスク・レヴュー」第四回、2000年
*EATERとは、1995年に創刊された、日本のオルタナティブ・カルチャーを扱う雑誌で、発行はテレグラフ・ファクトリー。80年代には「テレグラフ・レコード」という、日本における自主制作レーベルの先駆け的な存在だった。代表の地引雄一さんは、写真家であり、日本のパンク・ムーヴメントにおける東京の中心的な動向だった「東京
V.A. 《ホーンテッド・ウェザー》 compiled by David Toop
デイヴィッド・トゥープ《ホーンテッド・ウェザー》日本盤(STAUB-JP 2 / HEADZ 26)ライナー・ノート
*2004年に発表された、デヴィッド・トゥープの《Ocean of Sound》に続くコンピレーション第二弾のライナーノートです。国内盤はすでに廃盤のようで、Amazonでも高値がついているようです。
2000年の日本滞在をきっかけに執筆された同名の書籍にあわせてCDもリリースさ
「アンケート 私の好きな〈日本の〉一曲」 「ウルトラQ」メインテーマ/宮内國郎
『STUDIO VOICE』302号(2001年2月)
特集「日本の作曲家——伊福部昭からコーネリアスまで」、インファス
1968年生まれの私は当然「ウルトラQ」を同時代的には体験していないが、小学生の頃に見た再放送は録音(ヴィデオがなかった)してよく聞きかえしていたのを思い出す。物語の導入部からこの曲がフェイド・インしてくると、映像のないことがかえって想像力を増長し、いつもぞくぞくした。それは
タウン・アンド・カントリー インタヴュー
『STUDIO VOICE』365号(2006年5月)
タウン・アンド・カントリーの新作『アップ・アバーヴ』は、これまでの作品に顕著な反復やドローンを基本にしながらもモダンで洗練された楽曲から、ジャケットも含め、一種サイケデリックにレイド・バックしたものへと変わった。
3月1日に品川教会で行なわれたコンサートでは、CDでの作曲されたものとはやや趣を異にして、本人たちも言うように、以前のライヴよ
Alva Noto 『For 1 + 2』
Alva Noto 『For 1 + 2』 ライナーノート impartment 2010年
*本文にあるとおり、アルヴァ・ノトことカールステン・ニコライが、リチャード・シャルティエのレーベルLINEからリリースした作品。国内盤がシリーズの作品を2枚カップリングした仕様でリリースされたが現在は廃盤。そのライナーノートを書いた。自分で言うのもなんだが、いい解説と思うのでここに再掲します。
アルヴァ
「現代への扉 実験工房展 戦後芸術を切り拓く」
メディア芸術カレントコンテンツ 2013年03月29日更新
実験工房は、終戦後1940年代後半からそれぞれに交流のあった、造形作家の北代省三、福島秀子、山口勝弘、作曲家の鈴木博義、武満徹、音楽批評家、詩人の秋山邦晴、エンジニアの山崎英夫らが集まり始まった。当初は、北代によってグループとしての活動を視野に入れ、「アトム」と命名されていたという。そして、1951年に最初のグループとしての活動である、
HIDDEN MASTERPIECE(埋もれた名作500選) Walter Steding(Red Star)1980
『STUDIO VOICE』 2009年8月号
*STUDIO VOICE誌の企画、埋もれた名作500選で、私も、これは埋もれた名作だろうという一枚を選んだ。文章にあるように、「迷盤」という感じではあるのだが、これはこれで愛着のある一枚でもある。
1980年、スーサイドでも知られるレーベル、RED STARからブロンディのクリス・スタインのプロデュースによって制作された、ヴァイオリニスト、ウォル
オノ・ヨーコのアート
『サウンド&レコーディング・マガジン』2009年11月号
ショーン・レノンの母、ジョン・レノンの妻でありパートナーであるオノ・ヨーコは、それ以前にアーティストとして60年代初頭から前衛芸術運動であるフルクサスの一員としても活動していた。ジョン・レノンとの出会いも、1966年にロンドンのインディカ・ギャラリーでの個展『未完成の絵画とオブジェ』を、そのオープン前日にレノンが訪れたことがきっかけになっ
音楽(体験)と美術(鑑賞)のあいだ
『大友良英 音楽と美術のあいだ』展 会場テキスト 2014年11月
*2014年にICCで行なわれた『大友良英 音楽と美術のあいだ』展は、2008年に山口情報芸術センター(YCAM)で行なわれた展覧会「大友良英 / ENSEMBLES」において委嘱制作された《quartets》の再展示と、新作の《guitar solos 1》によって構成された。タイトルは、前年に逝去された後々田寿徳さん(多摩美
マクルーハンはメディア・アートを予見したか
未発表 2011年8月
*2011年、マーシャル・マクルーハンの生誕100周年にちなんで特集された某書籍のために依頼された原稿だったが、1日まにあわずに不掲載の憂き目にあった。写真は、文中で言及されている、エキソニモのインスタレーション、《SUPERNATURAL》(撮影:木奥恵三)で、ICCの展覧会「みえないちから」(2011)の出品作品でした。
マクルーハンは60年代には電子メディアの革命
イーノ・ハイドのめざす「ライクティ」の世界——スティーヴ・ライヒとフェラ・クティのデペイズマン
High Life/Eno・Hyde (BEATINK) 宣材冊子 2014年6月
イーノ・ハイドの二作目が早くもリリースされる。前作、というにはあまりにもまだリリースされたばかりの新作と言うべき『Someday World』は、二人のコラボレーションの成果として充分な内容を持っていたし、新しいユニットとしてのオリジナリティをすでに確立されたものでもあった。それはかつてのイーノによるコラボレーシ
カールステン・ニコライ オラフ・ベンダー ラスターノートン インタヴュー
『STUDIO VOICE』 2009年3月号
フランク・ブレットシュナイダー、オラフ・ベンダー、カールステン・ニコライの3人が1996年にスタートしたふたつのレーベル。エレクトロニック・ミュージックに特化したraster musicと、そのサブ・レーベルとしてニコライの運営するサウンド・アートや実験的傾向の作品をリリースするためのnotonが、99年に合併したのが現在のラスターノートンである。
HOSONO DISCS
『STUDIO VOICE』2008年9月号 特集「細野晴臣の楽しみ方!」 INFAS
はっぴいえんど『はっぴいえんど』
当時、論争にまで発展した、所謂「日本語によるロック」の嚆矢。そうした反応は、日本における米英産ロックの受容とは相容れない言葉による世界観が歌われた違和感に起因するのだろう。『風街ろまん』と比較すれば、まだ言葉や歌は攻撃的で、サウンドもよりロック的だ。唯一細野作詞になる「飛べな
ニック・ドレイク『ブライター・レイター』
200ロック人名事典(立風書房200音楽書シリーズ) 執筆者あとがき
2001年7月
*2000年代の前半、この手のディスクガイド本に何冊か参加した。もう20年以上も前のことなのかと驚きを禁じ得ないが、その最初の1冊が『200ロック人名事典』だった。200という数字にどういうこだわりがあるのかよくわからない。その後、プログレッシヴ・ロック、エレクトロニカ、ロック・ギタリスト、と続いたが、知り合い
リアルタイムであることとはなにか——放送および通信テクノロジーが媒介するイヴェント、その意義と可能性
『Technology×Media Event』
2018年10月13日発行 日本電信電話株式会社
2018年にICCで開催した、特別展 OPEN STUDIO リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC「“感じる”インフラストラクチャー 共感と多様性の社会に向けて」に際し、展覧会会場で配布された、立命館大学の飯田豊さんとの監修による小冊子『Technology×Media Event』