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クラフトフェアまつもと/収穫③

表現の自由と、一期一会に翻弄されるジジイ。

さてクラフトフェアまつもとの最終回、3点目です。
1、2点と続けて女性作家さんでしたが、
こちらは男性の作家さん、野中麟太郎さんの作品です。
3点並べて見ると、私は普通の器では
満足できないヤバい人みたいですが。w

いかがですか?この仕上がり具合。
ぶっ飛んでますよねー。w
胴の部分を囲うようにぐるりと一周、
ランダムかつ粗いツブツブがごってりと。
作家の野中さんはまだ30代かな?
ツーブロックのロン毛を束ね、
足元は近未来感のあるスニーカー、
そこにロングジャケット、といういでたち。
いかにも感がブンブン香っていました。

なんでもこの器のシリーズ、
陶器の素材感、つまり原点となる
粘土の質感を表現したかったんだとか。
基礎となる器を制作後、あえて粒上の粘土を
釉薬で周囲に貼り付けたそう。
いわばパンの上に小麦の粒をたっぷり
トッピングしたような感じでしょうか?
※例えがヘンすぎる?

と、言葉にするのは簡単ですが、
実際は粘土の粒が器から外れないように
安定させるのは大変だったらしく、
何度も釉薬を塗っては焼き、塗っては焼き、
を繰り返したのだとか。
その作業がまた釉薬の変化を生み、
あっちこっちに垂れ下がったりはみ出したり、
ユニークすぎる景色を見せています。

面白そう、で終わらせない勇気と実行力。

おかげでグリップ感はすこぶる良いです。w
この器が手から滑り落ちる、
なんてことは考えられないほどに。
作家さんの狙い通り、土の質感が激しく、
ややもすれば痛いほどに伝わってきます。
ま、スポンジで洗うにはコツがいりそうですが。

ただこの仕上がり具合が美しいかどうかは
人によって評価が分かれるかもしれません。
でも私の判断基準はそこではなかったので。
シンプルに彼のチャレンジ精神や個性、
そしてそれを形にしてしまう行動力がスゴイ、
と思ったので、はい。

実際最終的にどれを選ぶかを決めるのも
非常に悩ましかったポイント。
サイズ感的にもう一回り小さく、
もっと丸っこいものもありましたし、
色も青かったり黄色かったりと多種多様。
どれも一点物らしい仕上がりでしたが、
私はあえて釉薬が垂れ下がりまくった、
最も破天荒な造形のものを選びました。
毒を食らわば皿、いや器まで、ですな。w

私にとっては益子で出会った山口さんと
双璧をなす、いや、嗜好や方向性は
全然違いますけど、まさにワイルドカード的な
存在になりそうな予感がします。

次もワクワクする出会いを期待してます。

さてさて、こうして総括すると松本らしい、
静謐な工芸品的な作品は一点もナシ!
個性やらアクやらの強い3点を
選ぶ結果となりました。w
なぜかはわかりません。
この日はそんな気分だったのでしょう。
でももちろんですがいずれも後悔はありません。
家に帰るまで、ニヤニヤが止まりませんでしたので。

次回こそは木工やら漆器やらガラス器やら、
松本っぽいものを選べればと思っています。
現時点で思っているだけで、
実際どうなるかはわかりませんけど。w

でもま、そこがまた面白いんですよね、
陶器市やクラフトイベは。
一期一会、次回もまた素晴らしい松本に
出会えることを期待しています!

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