胤田一成

初めまして、胤田一成(タネダカズナリ)と申します。小説投稿サイト、【小説家になろう】と…

胤田一成

初めまして、胤田一成(タネダカズナリ)と申します。小説投稿サイト、【小説家になろう】と【カクヨム】を中心に短編掌編小説を書いています。主に恐怖小説や幻想小説を書いていますが、力の及ぶ限り、様々なジャンルの小説を書いていきたいと考えています。どうぞ、今後とも宜しくお願い致します。

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  • 奇妙な話【まとめ】

    身近で起こった奇妙な体験談を書き綴って記事にしようと考えています。週に二度ほどの頻度で更新できると良いかなぁ……と漠然と考えています。ホラー小説好きな方は是非ともお立ち寄りくださいませ。

最近の記事

奇妙な話:落下する幽霊

 これは月並みなお話かもしれないが、自殺した人の霊魂は土地に縛られるという。また、その幽霊は延々と自殺を繰り返すことになるようだ。俄かには信じがたいが、私の親戚の多くはこの説を支持していたりする。というのも、彼らのほとんどが「落下を繰り返す幽霊」を見ているかららしい。  祖母が暮らしている団地の近くに有名な心霊スポットがある。一見すると変哲のないマンションなのだが、「あそこには行かない方がいい」と親戚の者たちは口を揃えて言う。「剣呑な幽霊が出るからか?」と質問すると、現れる

    • 奇妙な話:宝船

       これはちょっとした笑い話になるのだろう。父方の家系に奇妙な気質を持った人々が多いことは先に述べた通りなのだが、普段は大方のことには寛容に受け止めるはずなのに、とある事実や事象に関しては頑なに首肯しようとしない節がある。  それは「未確認飛行物体(Unidentified-Flying-Object)」、通称・UFOのこととなると途端に狭量になってしまうのである。「神仏を信仰しているから、そんな科学的飛来物体をありがたく拝むのは間違っている」というわけではない。むしろ、多く

      • 奇妙な話:親子

        「あの光景が心霊現象だったら良い」と思うようなことが屡々ある。直視するにはあまりに痛ましい光景というか、胸を締め付けられるような情景というか――そういうことを目の当たりにしてしまうことが屡々ある。この挿話もそういった類のもの悲しい記憶を辿ったものである。  これは私が中学生だったころのお話である。私が住んでいたマンションは学校の真正面に建っており、ちょっと通りに顔を出せばタバコを吸いに休憩している教師とばったりと顔を合わせてしまうほど、都合が良いのか悪いのか分からない場所に

        • 奇妙な話:古井戸

           私の母校である高等学校は90年以上の沿革を誇る学校だ。それほどの歴史があるのだから、奇妙な噂の一つや二つは当然のようにある。いわゆる、「学校の怪談」や「学校の七不思議」といったものである。全てを把握していたわけではないが、それでもいくつかの話は聞き及んでいたし、興味本位ながら噂の真偽を確かめようとしたことがある。 「この学校には古井戸があって、それには良からぬ由来があるらしい」  とある社会科の教師が授業中の小話で、そんなことを漏らしたことがある。今考えてみれば奇矯な教

        奇妙な話:落下する幽霊

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        • 奇妙な話【まとめ】
          14本

        記事

          奇妙な話:学校の怪談に関する考察

           これも中学校時代の小話である。私の母校はどれも歴史が古く、中学校は創立七十年、高等学校に至っては創立九十年以上を数えるほどである。それほど由緒ある学校であるから、いわゆる、「学校の怪談」や「学校の七不思議」なるものが当然ある。真偽のほどは確かでないが、いずれの学校にもタブーやジンクスのようなものが存在したし、時には暗黙の了解として教師陣の方も「校則」を定めることもあった。 「午後五時以降はS棟(新校舎)に立ち入ることを原則禁止とする」  これは中学校の時の「校則」である

          奇妙な話:学校の怪談に関する考察

          奇妙な話:風呂場

          「どうにも困ったことになっちゃたのよ」従妹のRちゃんが麦酒をぐびぐびと飲みながら言った。年始になると親族一同が祖母の家に集まることになっているのだが、このお話もそのような折に聞いたものである。これから新しい一年が始まるというのに、困った話を打ち明けようとするRちゃんに辟易しながらも、一応は聞いておいてやろうと思って仕方がなく傾聴することにした。「どうやら、質の悪い幽霊を新居に連れてきちゃったみたいなの」  この手の話が唐突に語られることは私の親族の間では珍しくない。その日の

          奇妙な話:風呂場

          奇妙な話:腕

           これは友人のS君から聞いたお話です。私達が中学生だったころの話題ですから、二十年近く以前の出来事になるのでしょう――懐かしいことこの上ありません。こういった奇妙な話は時間が経てば、「なんてないことだった」と解釈されるものですが、今になっても皆目見当もつかない不可思議な体験談の一つだったりします。  S君の家はとある小学校の裏山の頂上にあり、中々の景観を誇る場所に建っているのですが、好んで近寄ろうという同級生はあまりいませんでした。というのも、S君の家の前には墓所が広がって

          奇妙な話:腕

          奇妙な話:エレベーターの幽霊

           これは叔父に聞かされた話である。新年会の何気ない歓談の最中でも、我が家ではこの手の話がちょいちょい語られる。怖がる親戚は殆どない。むしろ、酒の肴となって場を盛り上げる役割を果たす方が多いから理解に苦しむばかりである。  叔父の職業は配管工である。他にも色々と建築関係の仕事を手掛けているらしいが詳しくは知らない。とにかく、様々な建築現場の赴き、水道関係の仕事をしているようだ。建て増しした建築物の中には違法に近い状態にあるものもあるらしい。特に学校の配管は酷い状態のものが多い

          奇妙な話:エレベーターの幽霊

          奇妙な話:昆虫採集の記憶

           私の父親は経済不況の煽りを食らうまで、町の小さな居酒屋を経営していた。父は腕の良い料理人だったので、バブル経済が弾けるまでは相応の収入を得ていたらしい。とはいえ、飲食店の経営はそれなりに大変だったようである。明け方近くまで帰ってこないことも多かった。  それでも、父は父なりに考えがあったのだろう。ある晩、ふらりと帰ってきて、寝ている私の肩をゆすぶり言ったことがある。「カブトムシを取りに行こう」と。無論、幼少の私は歓喜して父親に縋りつくようにして後ろを着いて行く。寝静まった

          奇妙な話:昆虫採集の記憶

          奇妙な話:金縛り

           数年前から金縛りにあうことが屡々ある。疲労が私の脳みそを侵しているのだろうとは思うが、これもまた「奇妙な話」には違いない。レム睡眠とノンレム睡眠の周期に関わっているのかもしれないが、何とも言えない不吉な感じがするのも確かである。  人間誰しもが一度は経験するだろう現象だが、私の場合、金縛りに遭遇する際にいくつかの前兆が必ず現れる。  まずは、玄関の方からチャイムを鳴らすような音が聞こえる。当然の反応として、寝床から起き上がって訪問者を迎えようとするのだが、この時に肉体が全

          奇妙な話:金縛り

          奇妙な話:カラオケボックス

           大学進学をきっかけにアルバイトを始めた。近所のスーパーマーケットでレジ事務を担当しているのだが、地域密着型を謳っている店舗ということもあり、知人友人とカウンター越しに鉢合わせすることが屡々ある。  無論、仕事中なので私語は慎むようにしている。だが、「やあ、お久しぶり」ぐらいの挨拶はどうしても避けられない。お客様に気持ちよくお買い物をしていただくためにも、多少のリップサービスは許されている。あまり、良い印象を抱いていない知り合いに対しても笑顔で世辞を言う。これも仕事の範疇で

          奇妙な話:カラオケボックス

          奇妙な話:壁男

           私が暮らしている町はお世辞にも治安が良い地域とは言えない。警察官と不良少年が取っ組み合っている晩もあるし、精神を病んだ老人が往来で卑猥な言葉を突如として叫び出して驚かせる日もある。確かに彼らは迷惑な存在ではある。だが、自ら危険に踏み込もうとしなければ、実害を被ることは少ない。彼らのテリトリーを侵さない限り、牙を剥かれることはない。  彼らはある種のルールに則って生きているだけなのだ。そして、そのルールが自分にのみに適用されるものであることを理解している。干渉されない限り、

          奇妙な話:壁男

          奇妙な話:知らない写真

           最近、スマートフォンの調子が悪い。執筆活動の一部をスマホ端末で行っているため、操作が利かなくなったら大問題である。致命的なエラーが出てきてから、バックアップを取っても遅すぎる。「保存できるデータは前もってパソコンに移行させてしまおう」と私は考えた。聞くところによると、昨今のアプリケーションには【One Drive】という便利なものがあるらしい。さっそく、スマホとパソコンのデータを共有するために行動を起こすことにした。  インターネットを活用して手引きを読み込む。意外にもす

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          奇妙な話:序

           ホラー小説を書くようになってから、三年ほど経とうとしている。些細な出来事をきっかけに百物語を書こうと思い立ち、そのままズルズルと怖い話を集め続けている。とはいえ、そもそも純文学を中心に書いていたこともあり、いまだに恐怖に対する感覚は鈍いままだ。そう――、私は致命的なまでに恐怖に対して「鈍感」なのである。  私の家系は霊感が強い一族であるらしい。特に父方の親族には、「そういうものが見える」という者が多い。ここで言葉を濁してしまうのが悪い所である。はっきりと「幽霊が見える」と

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           皆様、こんばんは。連日連夜の猛暑も相まって、輾転反側しながらも夜を過ごしております。本来ならば、目前に迫った執筆予定を消化するべきなのですが、現実から目を逸らしたいがために、遂にブログに手を出してしまいました。  ここでは、他SNSでは書き切れなかった内容や情報を発信をしていきたいと思います。後は、日常で起きた不思議な事件や笑い話。または読書体験などを徒然なるままに書き綴っていこうと考えています。まあ、趣味アカウントですねえ……。 「胤田一成」という人間について興味がありま

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