世界遺産サンティアゴ巡礼路854kmを歩く -きっかけは空海のお遍路 / 26日目-
●これまでの道のり
1日目 初日31km / 2日目 猛烈な筋肉痛 / 3日目 大自然の中で一人大泣き / 4日目 足の痛みと色眼鏡の妄想 / 5日目 痛恨のエクストラステージ / 6日目 後半、雨の中での迷い / 7日目 旅仲間との出会い / 8日目 誰かの玉ねぎを使うこズルい自分 / 9日目 心身追い込まれる中での不思議な感覚 / 10日目 タフな作家さんと歩きッコ / 11日目 仲間とゆっくり歩く日 / 12日目 作家さんの○歳の誕生日 / 13日目 アクシデント!出発点に戻る! / 14日目 初めてのヒッチハイク / 15日目 作家さんと歩きくらべ / 16日目 毎日歩くという日常 / 17日目 作家さんのいない日 / 18日目 電池切れで体調崩す / 19日目 体調不良で歩く中での自問 / 20日目 身にしみる人の優しさ / 21日目 歩かずに体を休める / 22日目 再開、今の一歩その瞬間に感じるモノが全て / 23日目 甘え心と体調不良の中の最長距離 / 24日目 追い込まれた後半の大事な時間 / 25日目 山越え
2014/3/17 El Acebo 〜 サンティアゴまで残り 225.5km
7時半に出発。
昨日一緒に歩いたDKはケータイを見てのんびりしているようなので、挨拶して先に出る。
日が昇り始めて空が色付いていく、朝焼けもなかなか素敵。
前半はずっと山を下る。
足元はゴツゴツの岩や石ころの道でもどんどん踏み込んでいい勢いで歩いていく。
こういった道を歩くコツがつかめた。
怖がって腰が引けたり、足の置き場を頭で考えたりしてるとスピードは出ない。
地面の状態を目で確認し、その情報を体や足に伝えるつもりで体や足を意識すると、体が自然と的確に地面をとらえ歩いてくれる。
瞬間瞬間の情報を流れるようにつかむとよい。
こうして体を使っていると、体の感覚が目覚めてくるような感じがする。
下り終えると街があったのでそこで休憩。
カフェに入り何かつまもうかと悩んだがコーヒーだけ注文する。
するとそれを見ていたのか、ママがコーヒーに付けてちょっとした食べ物をサービスしてくれた。
心遣いがうれしい。
この街の辺りから桜をよく見るようになった。
まちにあったオブジェをよく見ると、日本のお遍路との友好記念のものだった。
このスペインの路と日本のお遍路は似ている。
元は宗教的な歩く道。
自分がこの路を歩く理由の一つはお遍路さんだ。
フランスで禅が人気で自分もニースにいる間に禅寺に少し通い、坐禅をくんだり、般若心経を唱えたりしていた。
その時、禅や仏教の歴史を調べていた。
そこで、空海が四国を歩いてまわった後に悟りを開いた話を知り、空海が歩く中で何を感じたのか知りたくなった。
それがここに繋がったのだ。
昼はカフェでのんびりできたし、あまり余計な考えに囚われず静かに歩ける。
そう言えば昨日から日中は半袖だし、桜を始め色々な花が道に咲いている。
この路をスタートした時は雪景色だったが、いつの間にか春の雰囲気だ。
目的地の一つ前の街のオープンカフェでおじいさんが手招きしてくれる。
少し休もうと思っていたところなので、おじいさんの隣に座りお茶を飲む。
スペイン語でいろいろ話してくれるがほとんど理解できない。
でもおじいさんが先に席を立つと自分の支払いも済ませてごちそうしてくれた。
今日二つも嬉しい心遣いをいただいた。
今日歩いた距離 31.9km
今日までの合計距離 660.8km
サンティアゴまで残り 193.6km
経由街 El Acebo – Cacabelos