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世界遺産サンティアゴ巡礼路854kmを歩く -身にしみる人の優しさ/20日目-

●これまでの道のり
1日目 初日31km / 2日目 猛烈な筋肉痛 / 3日目 大自然の中で一人大泣き / 4日目 足の痛みと色眼鏡の妄想 / 5日目 痛恨のエクストラステージ / 6日目 後半、雨の中での迷い / 7日目 旅仲間との出会い / 8日目 誰かの玉ねぎを使うこズルい自分 / 9日目 心身追い込まれる中での不思議な感覚 / 10日目 タフな作家さんと歩きッコ / 11日目 仲間とゆっくり歩く日 / 12日目 作家さんの○歳の誕生日 / 13日目 アクシデント!出発点に戻る! / 14日目 初めてのヒッチハイク / 15日目 作家さんと歩きくらべ / 16日目 毎日歩くという日常 / 17日目 作家さんのいない日 / 18日目 電池切れで体調崩す / 19日目 体調不良で歩く中での自問


2014/3/11 Sahagún 〜 サンティアゴまで残り 368.7km

朝起きて、朝食をとる。

だけど体が動かないのでもう一度ベッドに横になる。

昨日の朝より調子が上がらない。

あまり気力はでないが、キリよく9時にヨシっと動き始める。

 

歩き始めたものの、お腹はキリキリ痛み、ゴロゴロなっている。

動悸が時々する。

左肩の肩甲骨周囲が強く痛む。

歩きながらまた思う。

なんでこんな辛いことを選択しているんだろうか。

何と闘ってるんだろうか。

 

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10km程歩いたのところで街があった。

カフェで暖かいものでも飲もう。

そしてトイレに行きたい。

しかし、小さな街に唯一一軒あるカフェは開いてなかった。

 

街のハズレのベンチでまた動けなくなった。

ほんの少しだか眠ってしまったようだ。

ここにいてもなにもならない、歩くしかない。

歩こう。

 

やっぱりお腹はゴロゴロ。

野外オープントイレはエチオピアにいた時に経験済みで躊躇なし。

我慢しきれなくなったので茂みにて用を済ます。

経験が生きたな。

 

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なんとか18km歩いて街についた。

アルベルゲも開いていた。

オーナーのおじいさんの出迎えの声。

スペイン語でわからないが、優しげな声に安堵する。

チェックイン時、おじいさんが自分の証明書に丁寧に丁寧にスタンプを押してくれるのを見て嬉くなった。

手続後すぐにトイレへ。

その後シャワーもせずベッドにもぐりこんだ。

着込んでも寒い。

また悪くなっている。

トイレに起きた時に、同じ巡礼者と挨拶。

調子がよくないと話すとすぐにどこかから薬を持ってきてくれた。

オーナーのおじいさんも心配してくれている。

もし必要なら明日40km先の街から君のために医者を呼ぶよ

そうおじいさんが言っている、と巡礼者の一人が通訳してくれる。

もう少し様子を見させてと伝え、薬を飲んでまた寝た。

 

夜に起きるとお腹は相変わらずだが寒気は治まっていた。

これ以上無理したら周りに迷惑をかけかねないと思ったので、明日一日休むことにした。

多少良くなっているので医者は必要ない、その代わりもう一日ここにいさせて欲しい、とおじいさんに伝える。

おじいさんは、もちろん大丈夫と言ってくれた。

 

今日歩いた距離 18km

今日までの合計距離 503.7km

サンティアゴまで残り 350.7km

経由街 Sahagún – El Burgo Ranero