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世界遺産サンティアゴ巡礼路854kmを歩く -甘え心と体調不良の中の最長距離 / 23日目-


●これまでの道のり
1日目 初日31km / 2日目 猛烈な筋肉痛 / 3日目 大自然の中で一人大泣き / 4日目 足の痛みと色眼鏡の妄想 / 5日目 痛恨のエクストラステージ / 6日目 後半、雨の中での迷い / 7日目 旅仲間との出会い / 8日目 誰かの玉ねぎを使うこズルい自分 / 9日目 心身追い込まれる中での不思議な感覚 / 10日目 タフな作家さんと歩きッコ / 11日目 仲間とゆっくり歩く日 / 12日目 作家さんの○歳の誕生日 / 13日目 アクシデント!出発点に戻る! / 14日目 初めてのヒッチハイク / 15日目 作家さんと歩きくらべ / 16日目 毎日歩くという日常 / 17日目 作家さんのいない日 / 18日目 電池切れで体調崩す / 19日目 体調不良で歩く中での自問 / 20日目 身にしみる人の優しさ / 21日目 歩かずに体を休める / 22日目 再開、今の一歩その瞬間に感じるモノが全て

2014/3/14 Puente Villarente 〜 サンティアゴまで残り 325.7km

朝またお腹を下す。

8時40分遅めの出発。

今日歩く距離を20kmか35kmか悩む。

その間にアルベルゲが無いのだ。

遅れているぶん取り戻していきたいので35kmと思うが気が重い。

歩きながら決めよう。

 

歩いていると頭にいろんな考えが押し寄せてくる。

自分で考えるというよりコントロール不能で考えが押し寄せてくる。

人を評価したり、時に蔑んだりしている。

感情もイライラしている。

キャンキャン吠え立てて足に噛み付いてきた犬も蹴飛ばしたくなった。

後10日ほどでこの路も歩き終わる。

ここで何を得られたのか。

そんな考えがまた浮かんできて焦る。

体が重くペースがあからずに休み休み行く。

体調を崩してから、重いバックパックを背負う左肩が異様に痛い。

 

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途中、大きなLeonと言う街があった。

数日前に体調を崩した翌日、ゼェンドン君がバスとタクシーで着いたはずの街だ。

ゆっくり体を休めながら観光すると言っていた。

自分は先を急ぐので歩きながら見て通り過ぎる。

 

 

15時頃にようやく20km地点到着。

遅いし、ペースが上がらないから今日はここで止めておこう。

しかしアルベルゲが見当たらない。

手元のリストではあることになっている。

とりあえずカフェで軽食。

席に座った時、ふと自分の甘え心を瞬間的にとらえた。

何かに甘えたがっている、寄りかかりたがっている。

そんな気持ちが客観的に見えた。

自分は怠けるもっともらしい理由を何かと探していたりするのだった。

後15km歩こう。

 

カフェを後にし、歩き始めて街が終わりかけた頃、アルベルゲが見つかった。

やっぱあったのか。

でももう歩くと決めたので先に行く。

軽く食事して少し元気がでている。

車がよく通る道のすぐそば傍の路を、休み休みだがもう後は淡々と歩いた。

後半は足の裏が痛む。

 

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夕日を浴びながら歩き、辺りが暗くなり始めた19時に目的地に到着。

アルベルゲの入り口で立ち話をしている外国人がいる。

ところが、日本人ですか?と日本語で話しかけられた。

聞いてみると日本に住んでいるというスペイン人だった。

少し話してとりあえずチェックイン。

気を入れて歩いてる最中はいいが、宿について気が抜けると足が痛くてまともに歩けない。

シャワーを浴びようとしたがヌルくて浴びれない。

また服を着る。

今日はシャワーは諦めた。

また悪寒。

ああ、やってしまった。

何度同じことを繰り返すのだろうか。

懲りないな。

自販機でコーヒーを買い、体を温める。

コーヒーを飲んでいると先ほどの日本在住スペイン人がやって来て、しばらく話し込んでいた。

 

外に出る意欲もないし食欲もないので、夕食は取らず、早めにベッドに入った。

ぶるぶる震えながら眠りにつく。

でも体調すぐれない中、最長距離を歩けた。

遅れも少し取り戻せた。今日のプラス15kmは大きいかな。

 

今日歩いた距離 36.2km

今日までの合計距離 564.5km

サンティアゴまで残り 289.9km

経由街 Puente Villarente – Villadangos del Páramo