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世界遺産サンティアゴ巡礼路854kmを歩く -山越え / 25日目-

●これまでの道のり
1日目 初日31km / 2日目 猛烈な筋肉痛 / 3日目 大自然の中で一人大泣き / 4日目 足の痛みと色眼鏡の妄想 / 5日目 痛恨のエクストラステージ / 6日目 後半、雨の中での迷い / 7日目 旅仲間との出会い / 8日目 誰かの玉ねぎを使うこズルい自分 / 9日目 心身追い込まれる中での不思議な感覚 / 10日目 タフな作家さんと歩きッコ / 11日目 仲間とゆっくり歩く日 / 12日目 作家さんの○歳の誕生日 / 13日目 アクシデント!出発点に戻る! / 14日目 初めてのヒッチハイク / 15日目 作家さんと歩きくらべ / 16日目 毎日歩くという日常 / 17日目 作家さんのいない日 / 18日目 電池切れで体調崩す / 19日目 体調不良で歩く中での自問 / 20日目 身にしみる人の優しさ / 21日目 歩かずに体を休める / 22日目 再開、今の一歩その瞬間に感じるモノが全て / 23日目 甘え心と体調不良の中の最長距離  / 24日目 追い込まれた後半の大事な時間

2014/3/16 Murias de Rechivaldo 〜 サンティアゴまで残り 258.2km

昨晩よく食べられたこともあってか、体調はすっかり戻った。

手元の街のリストに海抜○mと高度が書いてある。

それによると今日の道中には山越えがある。

どんな登りだろうかと歩きながら少し不安になっていた。

 

途中の街で休憩していると東洋人が歩いてきた。

話してみると韓国人だ。

向こうは日本人は初めてだと言って少し興奮している。

それから一緒に話しながら歩くことになった。

ニックネームはDK、26才。

彼は韓国の大学を出たあとにドイツの大学に留学して経済を学んでいるそうだ。

自分より一つ前の街から今日はスタートしているそう。

少し大きな彼はなかなか速いペースで歩く。

登りはついていくのがやっと。

  

次の街で一緒にランチをとる。

一緒に店を出るが、自分は水筒に水を補給してもらうためにレストランに戻る。

その間に彼は先に行った。

 

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ここから山越えが始まった。

でも景色が良いのでさほど登りも苦ではない。

ここのところ道路脇を歩いていたことが多かったので、なお緑が気持ちよく感じる。

 

少し歩いたところで視界が開けて地平線を見渡す景色が広がった。

そこで地べたに腰を下ろし休憩をとる。

景色を眺めながらバナナとミカンを食べる。

ここを歩き始めてから、果物の美味しさにあらためて気がついた。

 

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また歩き始める。

雪がまだ残っているところもあり、足元が悪い。

舗装された道路の脇に巡礼者用の路があるのだが、時々はアスファルトの上を歩いた。


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途中の小さな休憩所で、DKが休憩していた。

少しして彼は先に歩いて行った。

かわいらしいこの休憩所はコーヒーとビスケットを巡礼者に無料で提供していた。

ありがたい。

少しの小銭を寄付金箱に入れ、オーナーにお礼を言ってまた歩き始める。

 

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後半は下りのはずだが逆に登りもあり、なかなか堪える。

途中DKに追いつき合流する。

下りは最後の最後に急勾配でやってきた。

急な下りもなかなかに踏ん張り力を使う。

だいぶ下り、カーブを曲がったところで眼下に街が見えた。

まとまった感じのある素敵な村だ。

村の雰囲気もなんとなく心地よい。

また村からの夕焼けがとてもきれいでしばらく見とれていた。

夜はDKと一緒にディナーを取った。

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今日歩いた距離 32.7km

今日までの合計距離 628.9km

サンティアゴまで残り 225.5km

経由街 Murias de Rechivaldo – El Acebo