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如来の祝福

如何なる衆生も等しく苦しみを抱え。
如何なる衆生も等しく幸福を願う。

ゆえに智慧ある者は平等心を培う。

一切は平等である。

皆等しく生命であり。
皆等しく幸福を望み。
皆等しく不幸を嫌う。

それゆえ如何なる特権があって自らの幸福だけを望むか。

衆生は等しい。
皆同じである。

皆平等に傷つき。
皆平等に幸福を望み。
皆平等に輪廻に彷徨い疲れている。

ゆえに私は自らの菩提心を震い起こし。
一切衆生を救いたいと強く発願する。

この世の全てに哀れみを向け。
一切衆生の為に私は奉仕する。

如何にして衆生が救われるかと問われれば。
それはやはり智慧であると私は答える。

諸々の苦しみは無明より現れる。
真理の体現者はその真実を説き明かし。
またそれらの滅尽をも説かれます。

自我と無知と苦しみ。
これらの滅尽を体得することが修行の目的です。

衆生は等しく苦に嘆き。悲しみ。うちひしがれ。自らの力で起き上がることさえもできず。ただひたすらに苦の連鎖に巻き込まれる。絶えず輪廻を流転している。

かように苦しみに嘆く衆生を如何にして見捨てることができようか。

無明に陥る衆生の苦しみは計り知れない。
彼らは拠り所なく。苦しみが何かも知らず。また苦しみの想起も知らず。また苦しみの理由も知らず。また苦しみが自らに依存していることも知らず。またそれら一切の解決方法も知り得ない。

衆生は暗闇の迷盲を彷徨っている。
絶えず苦しみを抱えながら。あたかも飾りのように。苦しみを抱えて歩いている。衆生は自らの苦しみを理解することなく。深海の如き苦の深淵に深く沈みゆく。

ゆえに衆生に与えるべきは苦楽を越える智慧であり。智慧を以て幸福を与え。智慧を以て衆生は救われ。智慧を以て苦しみは滅ぼされ。智慧を以て正しき見解と認識を得られる。

智慧なくして幸福になることはあり得ず。
智慧なくして不幸を取り除くこともあり得ない。

無明を滅ぼす智慧こそ救いである。

衆生救済という大目的は智慧によって行われる。

古の聖者から古今東西の聖者まで。
目覚めし者は智慧を以て衆生を救済する。

聖者は智慧を具足するがゆえに。
全ては智慧でしか救われないことをよくご存知であられる。

偉大な聖者方がただひたすらに智慧を与えるのはその為である。

智慧によってのみ衆生は救われる。
ゆえに慈悲に満ちた聖者は絶え間なく救済の智慧を衆生に与え続ける。

一切衆生の幸福は智慧によってもたらされる。

一切衆生の苦しみからの解放は智慧によってもたらされる。

一切を具足する全智の智慧は。全ての疑念を払いのけ。全ての苦しみを滅尽する。

すなわち全智の智慧こそ如来であり。
全智の智慧こそ修行者が求めて止まないニルヴァーナである。

永遠の楽土は智慧そのものである。

ゆえに智慧を具足する為。
あなたは修行に励まなければならない。

修行なくして智慧は得られず。
修行なくして幸福はあり得ず。
修行なくして不幸は消えない。

ゆえにあなた自身の為にも。
また苦しめる者の為にも。
あなたは全力を以て修行に励まなければならない。

救いは智慧にあり。智慧は修行の果報として生じ。修行は正しき発願から生じる。

ゆえに偉大なる如来に強く願いなさい。

どうか私をお救いくださいと。
どうか苦しめる者をお救いくださいと。

そしてそれら一切を果たす為に。
私に真理のダルマをお与えくださいと。

どうかその無限の哀れみによって。
私を真理の正道にお導きくださいと。

どうか私に御慈悲をお与えください。
私を救いの道であるダルマに帰入させてくださいと。

どうか私に苦しみを滅尽する為の修行をお与えくださいと。

如来への正しき祈願によって。
あなたはダルマの正道を歩むことが出来る。

如来に全てを明け渡し傅きなさい。

自力の道は難行です。
ゆえに他力の道に進みなさい。

他力本願の道は速やかにあなたを救い取る。

これより他力の道。
すなわち信仰行について詳しく説きます。

他力とは完全受動の世界である。

一切は如来のおもしべすままに。
私はあなたの道具。
あなたは私の操縦者。

私はあなたの赴くがままに動かされる。

私はしもべ。
あなたは主。

私はあなたの召し使い。
あなたは私の偉大なる主。

ゆえに私はあなたの命令に絶対的に従う。あなたが与えた物を食べ。あなたが与えた服を着て。ただただあなたに仕える。

私の全てをあなたに明け渡す。
身と心と命と魂を。
私の全てをあなたに差し出す。

それゆえ私はあなたの所有物。
あなたは私の所有者。

ただあなたのおもしべすままに。

たとえ千の苦難が私を襲おうと。
私は生命の所有権をあなたに与えてしまった。それゆえ私には悩みも憂いも存在しない。

私はただの道具である。
それゆえ如何なる難事もただあなたからの愛として受け入れる。

私は全ての苦しみを受容する。
全てはあなたの愛だから。

何故に苦しむことがあろうか。
全ては喜びである。

如何なる悲痛もあなたの愛。
如何なる困難もあなたの愛。
如何なる苦境もあなたの愛。

全てはあなたの愛。
ゆえに恐れることは何もない。

全てはあなたの祝福なのだから。

それゆえ私には苦しみも恐れも存在しない。
全ては如来の恩寵と祝福である。
この世の全ては実に喜ばしいことである。
それは歓喜の沙汰である。
一切は如来の御慈悲であられる。
ゆえに私もあなたに救われる。

この世の唯一の救い主。
それは如来であられる。

全てはあなたのおもしべすままに救われる。

ゆえに私は恐れなくあなたに全てを捧げる。

自己の全てをあなたに捧ぐ。
それゆえ最高の幸福を享受する。

私はただあなたを愛する。
気が狂ったようにあなたを愛する。
私にはあなたしかいないのです。
ゆえに愛する主よ。
どうか私の全てを奪い去りたまえ。
私にはあなたしかいないのです。
あなただけが私の所有者。
あなただけが私の全てを救い取る。
ゆえに愛する仏よ。
どうか私の罪穢れ全てを滅ぼしたまえ。
どうか私の穢れた疑念全てを拭い去りたまえ。

私には力がない。
自らを救い取る力がない。
ゆえに愛する仏よ。
どうかその無限の哀れみによって。
この無知なる私をお救いください。
愚かなる私に慈悲の恩寵をお垂れください。
私はあなたに傅くしか道がないのです。
ゆえにどうかこの哀れなる私をお救いください。

愛しき仏よ。


信仰行とは。
絶対者への愛。
またそれに付随する明け渡しの実践。
そして召し使いとしての態度である。

絶えず如来の御名を唱え。
如来の讃歌を歌い。
如来を愛し敬い。

敬々しく如来に敬礼し。礼拝し。供養し。布施し。如来に全てを捧げ奉る。

如来への奉仕に人生を捧げ。
ただ如来に奉仕させて頂く喜びに満足を表す。

如来に仕えることは喜びであり。
如来への要求なき奉仕は最高の果報である。

何物も求めることなく如来に仕えよ。

さすれば牟尼の王者はあなたに慈悲の恩寵をお与えくださる。

然るにそれは祝福であり。
限りない果報であり。
三界全ての富よりも遥かに価値あるものである。

ゆえに一心に如来に仕えよ。
揺るぎなき献身を以て一切に仕えよ。

奉仕の心こそ信仰の核心である。

如来は全ての正しき道をご存知であられる。
ゆえに我々が自己本位で考えた計画など無価値なものであり。全智者たる如来のおもしべすままに人生を生きよ。それこそが最高の人生となる。

それゆえ全てを如来に委ねよ。

水滴の如き知性で何を考えようと無駄なことである。如来は無限の大海であられる。如来は智慧の海であられる。我々が小さな知識であれやこれやと考えて何になる。ゆえに絶対者であられる如来に全てを捧げ委ねよ。如来があなたを導いてくださる。正しき道に赴かせてくださる。この世でただ一人。如来だけが全てをご存知であられる。ゆえに完全に人生の主導権を如来に明け渡しなさい。それがあなたの最高の幸福となる。

如来を誰よりも深く敬い愛しなさい。
如来を誰よりも正しく強く信じなさい。

それが信仰行の基盤となります。

信愛こそ信仰行の真髄です。

如来を信じ愛しなさい。

この世の行為者は如来ただお一人。
全ては如来が為さっている。
ゆえにあなたの全てを如来に委ねなさい。

あたかも母親が幼子の面倒を見るように。
如来があなたの一切の世話をなさる。

ゆえに安心なさい。
全智者たる如来に一切を明け渡したなら。一体何を憂うことがあろうか。何を思い煩う必要があるか。それは全く以て無意味な悩みであり。如来に全てを明け渡せばそのような些細な苦悩は泡沫の如く消えてしまう。それゆえ如来に余すとこなく明け渡しなさい。完全なる明け渡しを以てあなたは救われる。全ての苦しみを滅尽し。完全なる幸福を成就する。それが信仰行の果報です。

ここに易行たる信仰行の果報を説きたもうた。偉大なる菩薩方とバクタ方に私は帰依を表する。

これらの果報を以て一切衆生が信仰行の道に邁進できるよう如来に祈願致します。

一切衆生幸福であれ。

あなたに如来の祝福があらんことを。。。



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