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本の記録

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本を読んで覚えておきたいこと、感じたことのメモ ノージャンルで読みたい
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#読書

pink/岡崎京子

pink/岡崎京子

ワニを飼う女の子と愛とオカネの話。

さらさらとした画風の反面、中身はブラックユーモアが度々出てくる。そのギャップが黒さを際立たせる気がする。

南の島に行ったり、彼氏が文学大賞取ったりしても最終的には現実に引き戻される。

それがペットのワニがワニ革のカバンにされちゃうってことなのか。黒い黒い。

最後の秘境 東京藝大/二宮敦人

最後の秘境 東京藝大/二宮敦人

東京藝大生へのインタビュー等を通して、藝大の中身を紹介した本。モノを0から作る人って普段どういうことを考えているんだろう、と気になって読んでみた。

完全な偏見だと、東京藝大の学生は、とにかく自分の追求する分野(音楽や美術)に対して、尋常ではないほどの情熱をもって向き合っているとばかり思っていた。でも、本当は音楽も美術も嫌で嫌で仕方ないけど、自分自身に纏わりついてくるから仕方なくやる。という人も一

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傲慢と善良/辻村深月

傲慢と善良/辻村深月

婚約者同士である架と真実の間に起こる複雑な出来事を描いた小説。
ミステリー小説と思って、読み始めたが恋愛?小説なのかなと思った。

人間は、傲慢な側面と善良な側面を持っている。この本を読みながら自分と照らし合わせても、それはよく理解できた。ただ、傲慢さは一方で、善良ともなり得るし、またその逆も然りで、表裏一体の関係と思うとなかなか辛い。途中で読んでてブルーになった。

最後の真実の選択には、後味悪

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オーパ!/開高健

オーパ!/開高健

ずっと読みたかった本。
日本の反対側のアマゾンのことが精密に描かれていて、なんだか近い存在のような気がした。

ドラドっていう魚を釣り上げたときの描写が特に好きだ。
長時間の格闘の末に、手にした大魚の喜びがひしひしと感じられた。

最後に心に残ったところ。

女のいない男たち/村上春樹

女のいない男たち/村上春樹

短編集。
特に、シェエラザードと木野の話が好きだった。

どの話も最後は余白を残した形で終わっていて、自分の経験をそこに当てはめていくことのかな。と読んでて思った。

木野さんのお店はどうなったのか、猫はどこへいってしまったのだろう。

アルケミスト/パウロ•コエーリョ

アルケミスト/パウロ•コエーリョ

ピラミッドを目指す羊飼いのお話。
道中、色々な人に出会い成長していく。

考え方をシンプルに。
過去を振り返りすぎず、かといって先の未来までを見過ぎず、
今を淡々とこなしていけば夢に近づく。

やりたいことを1番阻むのは、それに踏み込む勇気が出ないということだ。

アヒルと鴨のコインロッカー/伊坂幸太郎

アヒルと鴨のコインロッカー/伊坂幸太郎

映画でもちょくちょく気になっていたこのお話をついに読んだ。

穏やかなストーリーに、どんでん返しが起こる。その瞬間が好きだ。
稲妻が走るほどではないが、伏線が1つ1つと繋がって分かっていく感じが良かった。

あこがれる隣人との関係、ただこのお話の関係はちょっぴり怖い。
タイトルの意味も、捉え方がいくつかあって面白かった。

観光の哀しみ/酒井順子

観光の哀しみ/酒井順子

観光している時に、ふっと感じる寂しさを言葉にした本。

ああ、わかるわかると思う部分もあれば、わからない部分もあり。

日本人は大仏とか桜とか見上げるモノが好きということには納得した。
(自分もそう)

それは、「誰かに見られている」ということに人間は興奮するからという理由。そして、日本人はそう感じる傾向が強いらしい。

そして、日本人は哀愁を感じるモノが好き。
そんな哀愁の集合体である観光に人は

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食卓は笑う/開高健

食卓は笑う/開高健

ブラックユーモア、下ネタ、ごちゃごちゃ入り混じった感じが最高。

途中の挿絵も、皮肉が効いていて良かった。

クスッと笑いたい時にまた読もう。

本日は、お日柄もよく/原田マハ

本日は、お日柄もよく/原田マハ

スピーチライターのお話。

日常のお話が、少しずつ壮大になり、最終的には政治のお話にまで広がる。
ところどころに、実際の政治情勢が出てきて、勉強になった。

スピーチライターに自分がなりきる気持ちで読めた。
人前で話すことが苦手だけど、
この本の中ではスピーチを楽しんでいる。

考え方では、大勢の前で話すことが楽しくなるのかな、
とも思った一冊でした。

仙台ぐらし/伊坂幸太郎

仙台ぐらし/伊坂幸太郎

仙台で暮らす伊坂さんのエッセイ。
短編小説も最後にある。

峩々温泉のところ、好きだ。

山の下に我々がいるという峩々という文字こそ、山に対する謙虚な姿勢、山があって私たちが生かされているというスタンスを表している。

峩々温泉に行ってみたくなった。仙人にも会えるかな。

1Q84 6/村上春樹

1Q84 6/村上春樹

ついについに読み終わった!

続きが気になって、ページをめくる手が速くなった時もあれば、その逆もあり。

2つの月がある世界、1Q84年に今は誰かが入り込んでいるのか。

青豆と天吾がその世界から抜け出し、また新たに誰かが1Q84年という世界に足を踏み入れていくのか。

1Q84年という世界に定員はあるのだろうか。
という気になることばかり。

1Q84 5/村上春樹

1Q84 5/村上春樹

少し今までよりボリュームアップしてた5。

時間はかかったが何とか読み終えた。

頭に残ったのは、天吾・青豆・牛河の3人全員に近づく「エネーチケー」を名乗る人物。不気味な存在で、何か6でその正体が明かされることだろう。

その「エネーチケー」の人物を天吾が自身の父親と重ね合わせた時にはゾッとした。もしかして、昏睡状態の父がなにかのメッセージを伝えに、3人に接触を試みようとしているのか。

早くすべ

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限りなく透明に近いブルー/村上龍

限りなく透明に近いブルー/村上龍

米軍基地のある街で若者がクスリとセックスに明け暮れる退廃的な生活を描いた作品。

鮮明でグロテスクな映像が頭の中に浮かび、何度か読み進めるのがしんどくなった。今では使われていない差別的な用語やクスリの隠語?も数多く出てくる。

主人公・リュウはそんな日々を観察する姿勢で眺めている。その姿勢は、この生活からは抜け出したいけど、行くアテがないからであると最初思ったが、読んでるうちにその考えはだんだんと

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