傲慢と善良/辻村深月
婚約者同士である架と真実の間に起こる複雑な出来事を描いた小説。
ミステリー小説と思って、読み始めたが恋愛?小説なのかなと思った。
人間は、傲慢な側面と善良な側面を持っている。この本を読みながら自分と照らし合わせても、それはよく理解できた。ただ、傲慢さは一方で、善良ともなり得るし、またその逆も然りで、表裏一体の関係と思うとなかなか辛い。途中で読んでてブルーになった。
最後の真実の選択には、後味悪さを読む人に感じさせたかったのかなと思った。ただ、自分はそこまでそれを感じ取れなかった。順風満帆とは行かず、どこかひっかかりを感じる選択というのは、過去の自分にもあった。それを、無理矢理運命だと受け入れがちな自分に、ひっかかりを感じつつも前に進んでみるという新しい着地点を受け入れても良いような気がして、気が紛れた。
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