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待つと言う修行

名前を呼ばれないと言うのは時間を持て余す

病院の待合室と言う場所には

名前を呼ばれるまでの間

何をしていたらいいのかと

悩んでしまう場所だ

本を読もうにも

周りの音が気になって集中できない

例えば壁にかけられているテレビの音

ワイドショー番組のやたらに甲高い声で話す

アナウンサーとか

後ろで小声でずっと何かしらを

話してる夫婦の存在とか

自分とは関係ない人の番号が呼ばれたりすると

気になって物語が頭の中に入ってこない

諦めて仕方なくテレビに視線を向けるも

画面のあちらこちらに文字が現れては消える

それがぱたぱたと忙しなく変わっていくのを

見続けるのが辛くなり止めた

スマホを取り出して

とりあえず適当にネットで検索

通販サイトやゲーム

SNSをチェックしたところで

そんなものが暇つぶしにはならないから

結局はまた本を手に取る事になる

まだ自分の番号は呼ばれない

物音や人の声が僕の頭の中で

球体的にゴロゴロとあちらこちらに転がり

落ち着きを妨げていく

じっと座っている事ができない人間にとっては

病院の待合室と言うのはなかなか辛い場所だ

時計の針ばかり見ている訳にも行かないしなあ

前に座ってる人の頭を見ていたって

それで何かが変わるわけでもない

心に我慢を強いるから辛いのであって

何も考えない何も焦らない

悟りの境地に至る精神面を

養わなければ耐えられそうもないが

それに今頃気づいたところで遅くて

心はザワザワと落ち着かないの

だから手の施しようもない

自分の番号が呼ばれるまで

あと12人ほど

まだ12人も、、

息を吸って吐いてとりあえず目をつぶって

大人しくその時が来るのを待つしかない

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