倉島 保美

倉島 保美

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  • LogicalSkill の深い話

    LogicalSkill を指導する後継者を求めている。もし、その気があるなら気楽に相談してほしい。後に続く者が現れたとき、その助けになるように、ノウハウを書き残そうと思う。

記事一覧

考察では、結果から結論を導く

考察は、「なぜ、この結果でこの結論を導き出せるか」を論証するパートである。自然科学の論文で見られる Ablation Study も結果から結論を論証する方法と言える。しかし、…

倉島 保美
13時間前

図表の参照方法

図表番号を参照するとき、文末側で参照すべきと考える。しかし、図表の参照箇所についてはライティングの本での言及が見当たらない。そこで、学会論文とテクニカル・ライテ…

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パラグラフライティングでは、「分類」が意外とできない

昨日の記事で、パラグラフライティングの基本ステップが分類ー接続-展開であることを紹介した。この「分類」は簡単そうだが、できる人は少ない。まあ、「接続」や「展開」…

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パラグラフライティングでは、分類ー接続ー展開が重要

パラグラフで文章を書くには、分類、接続、展開の3つのステップを踏む。この3つが文章の論理性を生む。 パラグラフで文章を書くには、まず、整理できていない情報を思考…

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何でも揃えればよいというわけではない

並列するときは、説明を揃えようとするはずだ。しかし、揃えられるのは、重要性が等しいか近い情報だ。重要性に差があるなら、説明に差があるのも当然だ。 並列するなら、…

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なぜ、日を開けて見直すと不具合が見つかるのか?

日を開けて文章を見直すと、気づかなかった不具合に気がつくときがある。なぜ、気づかなかったことに気がつくかといえば、情報の非対称性が緩和されるからだ。 書き手は、…

2

技術文章の目的には2種類ある

技術文章の目的には、Technical purpose と Communication purpose がある。Communication purpose を忘れてはならない。 Technical purpose とは、技術的に何を研究・調…

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論理的な文章は、基本を学べば簡単に書ける

論理的な文章は、形が決まっている。だから、下記のような基本をマスターすれば、簡単に書ける。より詳細は、このマガジンの過去記事を参照してほしい。 ● 全体構成は、総…

論理的な文章には、定番の論理構成がある

各論は、「現状ー問題ー原因ー対策ー効果ー反論」の流れを意識するとロジックが組みやすい。各項目は、パラグラフを分けて、それぞれを論証していく必要がある。 「現状ー…

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論証不要な意見は、論理構成の単位にはならない

「このトピックは論証が不十分だ」と指摘すると、「皆が知っていることはに論証は要らない」と言ってくる人がいる。確かに、皆が知っていることは論証不要だ。その論証不要…

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ChatGPTの文章を分析する(5):書き直し

知識人の書いた文書を元に、ChatGPTで生成させた文章を分析する。数回に分けて、この試みをやってみよう。内容は、かなり難しくなるはずだ。誰も読まないような内容になる…

倉島 保美
10日前
3

ChatGPTの文章を分析する(5):伝達性分析

知識人の書いた文書を元に、ChatGPTで生成させた文章を分析する。数回に分けて、この試みをやってみよう。内容は、かなり難しくなるはずだ。誰も読まないような内容になる…

倉島 保美
11日前
2

ChatGPTの文章を分析する(5):論理性分析

知識人の書いた文書を元に、ChatGPTで生成させた文章を分析する。数回に分けて、この試みをやってみよう。内容は、かなり難しくなるはずだ。誰も読まないような内容になる…

倉島 保美
12日前
2

ChatGPTの文章を分析する(4):書き直し

知識人の書いた文書を元に、ChatGPTで生成させた文章を分析する。数回に分けて、この試みをやってみよう。内容は、かなり難しくなるはずだ。誰も読まないような内容になる…

倉島 保美
13日前
2

ChatGPTの文章を分析する(4):伝達性分析

知識人の書いた文書を元に、ChatGPTで生成させた文章を分析する。数回に分けて、この試みをやってみよう。内容は、かなり難しくなるはずだ。誰も読まないような内容になる…

倉島 保美
2週間前
2

ChatGPTの文章を分析する(4):論理性分析

知識人の書いた文書を元に、ChatGPTで生成させた文章を分析する。数回に分けて、この試みをやってみよう。内容は、かなり難しくなるはずだ。誰も読まないような内容になる…

倉島 保美
2週間前
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考察では、結果から結論を導く

考察では、結果から結論を導く

考察は、「なぜ、この結果でこの結論を導き出せるか」を論証するパートである。自然科学の論文で見られる Ablation Study も結果から結論を論証する方法と言える。しかし、考察と結論の区別が付いていない論文を目にすることもある。

考察は、結果から結論を論証するパートである。結果だけからでは唯一の結論が導けないことがあるのだ。つまり、結果だけから考えると、複数の結論の可能性が残る。そこで、考察

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図表の参照方法

図表の参照方法

図表番号を参照するとき、文末側で参照すべきと考える。しかし、図表の参照箇所についてはライティングの本での言及が見当たらない。そこで、学会論文とテクニカル・ライティングの教科書で調査で裏付けてみた。

実は、図表を文中のどこで引用すべきかについて言及している本を、著者は見たことがない。テクニカル・ライティングの世界では、重要ではないとして無視されているのかもしれない。あるいは、どこで述べるかは、習慣

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パラグラフライティングでは、「分類」が意外とできない

パラグラフライティングでは、「分類」が意外とできない

昨日の記事で、パラグラフライティングの基本ステップが分類ー接続-展開であることを紹介した。この「分類」は簡単そうだが、できる人は少ない。まあ、「接続」や「展開」はもっとできないのだが。

思考単位は、短期メモリで処理できる数で分類されていなければならない。短期メモリで処理できる数とは、7±2または4±1(この2説が主にある)だ。だから、できれば5まで、多くても7と考えよう。この数を超えるとオーバー

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パラグラフライティングでは、分類ー接続ー展開が重要

パラグラフライティングでは、分類ー接続ー展開が重要

パラグラフで文章を書くには、分類、接続、展開の3つのステップを踏む。この3つが文章の論理性を生む。

パラグラフで文章を書くには、まず、整理できていない情報を思考単位へと分類する。考えるときに人は、文という単位は使わない。文ではすぐに頭がオーバーフローだ。そこで短期メモリに入る程度の数(7±2または4±1と言われる)の単位で思考する。この思考単位を明確に意識する。つまり、どんなステップでロジックを

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何でも揃えればよいというわけではない

何でも揃えればよいというわけではない

並列するときは、説明を揃えようとするはずだ。しかし、揃えられるのは、重要性が等しいか近い情報だ。重要性に差があるなら、説明に差があるのも当然だ。

並列するなら、原則、説明を揃える。なぜなら、読み手に並列という関係を、読む前から伝えられるからだ。あるいは、読む前に構成が頭に入っているので、理解もしやすくなるからだ。だから、名詞の箇条書きなら、全て名詞で揃える。文の箇条書きなら、全て文で揃え、文末表

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なぜ、日を開けて見直すと不具合が見つかるのか?

なぜ、日を開けて見直すと不具合が見つかるのか?

日を開けて文章を見直すと、気づかなかった不具合に気がつくときがある。なぜ、気づかなかったことに気がつくかといえば、情報の非対称性が緩和されるからだ。

書き手は、多くの情報を頭で活性化させながら文章を書いている。文章として書いたことはもちろん、これから文章化しようとすることも頭に置いている。さらには、文章に関係した情報だが、実際には文章化しない情報も頭に置いている。しかも、これらの情報は、文章を書

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技術文章の目的には2種類ある

技術文章の目的には2種類ある

技術文章の目的には、Technical purpose と Communication purpose がある。Communication purpose を忘れてはならない。

Technical purpose とは、技術的に何を研究・調査したかである。たとえば、以下のような表現になる。
● ○○と●●を比較する
● ○○であることを見いだす
● ○○の原因を探る
● ○○の可能性を調査する

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論理的な文章は、基本を学べば簡単に書ける

論理的な文章は、基本を学べば簡単に書ける

論理的な文章は、形が決まっている。だから、下記のような基本をマスターすれば、簡単に書ける。より詳細は、このマガジンの過去記事を参照してほしい。
● 全体構成は、総論ー各論ー結論
● 各論のロジックは、現状ー問題ー原因ー対策ー効果ー反論
● 各論のロジックはパラグラフで表現
● パラグラフの接続は、Topic sentence で明示
● パラグラフ内の構成は、PREP
● パラグラフ内の文は、既知

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論理的な文章には、定番の論理構成がある

論理的な文章には、定番の論理構成がある

各論は、「現状ー問題ー原因ー対策ー効果ー反論」の流れを意識するとロジックが組みやすい。各項目は、パラグラフを分けて、それぞれを論証していく必要がある。

「現状ー問題ー原因ー対策ー効果ー反論」の流れをベースに、文章内容にあわせて少し変更する。たとえば以下のように。
提案:現状ー問題ー対策ー効果ーデメリットへの反論
トラブル解析:問題ー原因ー対策ー効果
論文:序論(現状ー問題ー原因)ー手法(対策)ー

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論証不要な意見は、論理構成の単位にはならない

論証不要な意見は、論理構成の単位にはならない

「このトピックは論証が不十分だ」と指摘すると、「皆が知っていることはに論証は要らない」と言ってくる人がいる。確かに、皆が知っていることは論証不要だ。その論証不要なことをパラグラフのトピックにしてはならない。論証不要なことは、パラグラフの中で前提や根拠として使うのだ。

皆が認めていることには論証は要らない。皆が認めているのだから、説得のための理由も具体例もデータも示す必要がない。たとえば、「主張に

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ChatGPTの文章を分析する(5):書き直し

ChatGPTの文章を分析する(5):書き直し

知識人の書いた文書を元に、ChatGPTで生成させた文章を分析する。数回に分けて、この試みをやってみよう。内容は、かなり難しくなるはずだ。誰も読まないような内容になるかもしれないが、このマガジンの趣旨が「ノウハウを後世に残す」ことなので気にしない。いつか、誰かの参考になれば。

対象文章:
新聞に掲載されていた知識人の意見文を、ChatGPTで改訂させた文章である(本記事の最後に掲載)。論理も説明

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ChatGPTの文章を分析する(5):伝達性分析

ChatGPTの文章を分析する(5):伝達性分析

知識人の書いた文書を元に、ChatGPTで生成させた文章を分析する。数回に分けて、この試みをやってみよう。内容は、かなり難しくなるはずだ。誰も読まないような内容になるかもしれないが、このマガジンの趣旨が「ノウハウを後世に残す」ことなので気にしない。いつか、誰かの参考になれば。

対象文章:
新聞に掲載されていた知識人の意見文を、ChatGPTで改訂させた文章である(本記事の最後に掲載)。論理も説明

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ChatGPTの文章を分析する(5):論理性分析

ChatGPTの文章を分析する(5):論理性分析

知識人の書いた文書を元に、ChatGPTで生成させた文章を分析する。数回に分けて、この試みをやってみよう。内容は、かなり難しくなるはずだ。誰も読まないような内容になるかもしれないが、このマガジンの趣旨が「ノウハウを後世に残す」ことなので気にしない。いつか、誰かの参考になれば。

対象文章:
新聞に掲載されていた知識人の意見文を、ChatGPTで改訂させた文章である(本記事の最後に掲載)。論理も説明

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ChatGPTの文章を分析する(4):書き直し

ChatGPTの文章を分析する(4):書き直し

知識人の書いた文書を元に、ChatGPTで生成させた文章を分析する。数回に分けて、この試みをやってみよう。内容は、かなり難しくなるはずだ。誰も読まないような内容になるかもしれないが、このマガジンの趣旨が「ノウハウを後世に残す」ことなので気にしない。いつか、誰かの参考になれば。

対象文章:
食品ロスに関して論じた社説を、ChatGPTで改訂させた文章である。6つのパラグラフで構成されている。第1パ

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ChatGPTの文章を分析する(4):伝達性分析

ChatGPTの文章を分析する(4):伝達性分析

知識人の書いた文書を元に、ChatGPTで生成させた文章を分析する。数回に分けて、この試みをやってみよう。内容は、かなり難しくなるはずだ。誰も読まないような内容になるかもしれないが、このマガジンの趣旨が「ノウハウを後世に残す」ことなので気にしない。いつか、誰かの参考になれば。

対象文章:
食品ロスに関して論じた社説を、ChatGPTで改訂させた文章である。6つのパラグラフで構成されている。第1パ

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ChatGPTの文章を分析する(4):論理性分析

ChatGPTの文章を分析する(4):論理性分析

知識人の書いた文書を元に、ChatGPTで生成させた文章を分析する。数回に分けて、この試みをやってみよう。内容は、かなり難しくなるはずだ。誰も読まないような内容になるかもしれないが、このマガジンの趣旨が「ノウハウを後世に残す」ことなので気にしない。いつか、誰かの参考になれば。

対象文章:
少子化問題について、ChatGPTに論じさせた文章である。今回はChatGPTによる書き直しではなく、Cha

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