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パラグラフライティングでは、「分類」が意外とできない

昨日の記事で、パラグラフライティングの基本ステップが分類ー接続-展開であることを紹介した。この「分類」は簡単そうだが、できる人は少ない。まあ、「接続」や「展開」はもっとできないのだが。

思考単位は、短期メモリで処理できる数で分類されていなければならない。短期メモリで処理できる数とは、7±2または4±1(この2説が主にある)だ。だから、できれば5まで、多くても7と考えよう。この数を超えるとオーバーフローを起こすので理解できなくなる。そこで、短期メモリで処理できる数を越えるなら階層構造化する。思考単位を10個も次々と説明してはならない。思考単位は、短期メモリで処理できる数に分類する。

しかし、この数を無視する説明をよく見る。多いのは、プレゼンテーションだ。ひどいときは、数十枚のスライドを階層構造化せずに次々説明していく。1枚1枚のスライドが理解できても、全体の流れ、つまりロジックは理解できない。階層構造化してあっても、最初に目次を見せただけで、後は数十枚のスライドを次々説明していく。聴衆が、最初に示された階層構造をずっと頭に置いて、説明を聞き続くていると思っているのだろうか。次々説明できるのは、せいぜいスライド5枚までだ。短期メモリで処理できる数を無視した説明は多い。

さらに言えば、思考単位がそもそも見えない説明も多い。文章で言うなら、1、2文で次々改行されている場合だ。次々改行したのでは、どこまでが思考単位か分からない。プレゼンなら、スライドに Topic sentence が明記されていない場合だ。Topic sentence が明記されていないと、何を思考単位としたのか分からない。内容から思考単位を読み取れと言うことか?思考単位が見えない説明は多い。

実は、パラグラフ・ライティング初心者は、この思考単位を意識するのが難しい。なぜなら、パラグラフを使わない文章を書いてきたので、思考単位を意識する習慣がないからだ。つまり、ロジックを組む意識が希薄だったのだ。思いついたことをダラダラ書いてきたのだ。だから、「思考単位」と言っても、その概念すら理解できない。なので、初心者は、思考単位であるトピックを意識するのが難しい。

論理的な文章を書きたいなら、まずは思考単位を明確に意識して、分類することから始めよう。「接続」や「展開」はその後だ。

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