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LOG(ログ)と申します。 ライトノベル作家志望。 不定期にオリジナル小説を更新する予…

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LOG(ログ)と申します。 ライトノベル作家志望。 不定期にオリジナル小説を更新する予定です。

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  • 光と闇と、魔法使い。

    長編オリジナル小説『光と闇と、魔法使い。』をまとめたものです。 魔法が禁じられた大陸に住む少年の、祖父の失踪から始まる物語。

記事一覧

固定された記事

「光と闇と、魔法使い。」第1話

 地がうねる。立つのもままならない程、それは怒涛の勢いで少年の体を打ち付けた。耳を塞ごうにも両手が動かない。その場から逃げ出そうにも、足が言う事を聞かない。完全…

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7か月前

「光と闇と、魔法使い。」最終話

正しい力の使い方  帰り道、柚が身を寄せる家に着いた。すると畑仕事をしていた友明と和代の姿が見える。商人として店を出す以外にも、畑作業の手伝いをしているのだった…

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6か月前
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「光と闇と、魔法使い。」第55話

 終章・羽ばたき その後の彼ら 「それは無理な話だな」  目の前の商人にきっぱりと涼は言った。 「ええっ。ワタライさん、お金に厳しいなあ」  商人は頭をかきながら…

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6か月前
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「光と闇と、魔法使い。」第54話

光の祝福 「最果ての地で眠る光の精霊よ……今、沈黙を破りて我の元へ集え」  ルディは瞬間奇流に目を奪われた。そしてすぐさまスイに目を移すと、驚愕の表情を浮かべた…

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6か月前
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「光と闇と、魔法使い。」第53話

君に託した物 ルディは奇流に向かって声をかける。 「お前しぶといな。ただの人間の癖に、なかなかやるねえ」  奇流はそれに答えもせず、冷たくルディを見据えた。 「……

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6か月前

「光と闇と、魔法使い。」第52話

もう、やめましょう 「私の話が信じられないならそれでいい! しかし皆は騙されている! この男が国王になればこの国の壊滅は免れない! この男は自身の命を懸けて、こ…

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6か月前

「光と闇と、魔法使い。」第51話

処刑  中央広場に設置された処刑場。広場の高い場所に位置し、どの角度からもはっきりと見える。奇流がサイガに担がれて現れた時、人々のうねりは最高潮に達した。  奇…

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6か月前
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「光と闇と、魔法使い。」第50話

 第四章・決戦 家族が望むもの  サイガの告白に、一同は静まり返る。サイガはゆっくりと顔を上げると、息を吐いて続けた。 「不老不死などとくだらない欲望で俺の国は…

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6か月前

「光と闇と、魔法使い。」第49話

生きる理由  その言葉にその場にいた全員の動きが止まった。一番呆気にとられたのは当人であるカキザキだ。思わずナイフを落としそうになるのを何とか堪え、俊成に歩み寄…

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6か月前
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「光と闇と、魔法使い。」第48話

ワタライは負けない。 「空乃!」  空乃と風丸は奇流に駆け寄った。 「奇流ちゃん! 抜け出せたのね!」  空乃の笑顔に奇流は返事もそこそこに尋ねた。 「柚を……柚を…

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6か月前
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「光と闇と、魔法使い。」第47話

少年が出した答え 「一体兵士はどうなってるの」  うんざりした様子でカキザキは呟いた。そして振り返ると、視線の先に空乃と風丸の姿がある。二人は後ろ手に縛られ、何…

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6か月前
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「光と闇と、魔法使い。」第46話

ワタライのために、自分ができる事。  中央広場はざわつき始めた。国を騒がせたワタライ家の人間が処刑される。人々はそれを一目見ようと次第に集う。そこには柚の両親の…

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6か月前
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「光と闇と、魔法使い。」第45話

真実  どれくらいたったのか。奇流はその場に座り込んで考えていた。あれほど願っていた家族の自由。しかしそれと引き換えに、自身の闇の力を悪用される。もしかしたらた…

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6か月前
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「光と闇と、魔法使い。」第44話

取引 「副団長! 一体何が!」  何事かと複数の兵士が駆けつけた。すぐに目の前の状況に愕然としたが、奇流を確保するべく動き出す。しかしそれをカキザキは制した。 「…

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6か月前

「光と闇と、魔法使い。」第43話

私がいるから。 「君は頑固だねえ。お友達には会えないって言ってるでしょ」  カキザキは笑顔を浮かべて言った。そして片手で何かを叩く。 「っ……!」  柚の姿がそこ…

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6か月前

「光と闇と、魔法使い。」第42話

告白 「全くいいパフォーマンスだね……」  俊成は一枚の紙を手にして呟いた。そこには本日行われる、奇流の処刑の内容が綴られている。一つ息を吐くと紙を机に滑らせ、…

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6か月前
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「光と闇と、魔法使い。」第1話

 地がうねる。立つのもままならない程、それは怒涛の勢いで少年の体を打ち付けた。耳を塞ごうにも両手が動かない。その場から逃げ出そうにも、足が言う事を聞かない。完全に少年は圧倒された。
「死刑! 死刑! 死刑!」
 人の、いや群衆の叫び声だと気が付いた時、少年はようやく事態を飲み込んだ。
「ワタライに死を! 死の制裁を!」
 瞬間、胃の底から込み上げる不快感を堪える。目の前が真っ暗になり、足元がぐらつ

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「光と闇と、魔法使い。」最終話

正しい力の使い方

 帰り道、柚が身を寄せる家に着いた。すると畑仕事をしていた友明と和代の姿が見える。商人として店を出す以外にも、畑作業の手伝いをしているのだった。
「奇流、あんた学校が再建したら、通えるんだって?」
 和代は土まみれの手をはたいて白い歯を見せる。奇流もまた笑顔を向けて答えた。
「うん、いつになるかわからないけど」
 照れて頭をかく奇流の背中を友明は叩く。
「本当によかったな、奇流

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「光と闇と、魔法使い。」第55話

 終章・羽ばたき

その後の彼ら

「それは無理な話だな」
 目の前の商人にきっぱりと涼は言った。
「ええっ。ワタライさん、お金に厳しいなあ」
 商人は頭をかきながらしばし思案し、意を決して声を張り上げた。
「ええいっ! それじゃあ全部まとめて五百リッチだ!」
 涼は納得して財布を取り出す。ほっとした商人は頭をかいて言った。
「商人の半分は町を離れてここに世話になって……。まさかあんたがこうやって

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「光と闇と、魔法使い。」第54話

光の祝福

「最果ての地で眠る光の精霊よ……今、沈黙を破りて我の元へ集え」
 ルディは瞬間奇流に目を奪われた。そしてすぐさまスイに目を移すと、驚愕の表情を浮かべたスイの体が眩い。
「我は誓う。我が肉体が朽ち果てるまで、汝と共に在らん事を」
 そして次の瞬間奇流はにいっと唇を上げると、両手を振りかざし叫んだ。
「覚醒の眠り人!」
 スイの両手から神々しい光が形となって現れた。ルディはすぐに手をかざし

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「光と闇と、魔法使い。」第53話

君に託した物

ルディは奇流に向かって声をかける。
「お前しぶといな。ただの人間の癖に、なかなかやるねえ」
 奇流はそれに答えもせず、冷たくルディを見据えた。
「……何だよその顔は。うぜえな」
 そしてルディは首を鳴らすと、ゆっくりと奇流の頭上に移動する。
「お前の主人は俺なんだろ。俺の命令なしで暴走するなよ」
 奇流の言葉にルディは一瞬目を丸くし、その後腹を抱えて爆笑する。
「は? いいよ、ワタ

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「光と闇と、魔法使い。」第52話

もう、やめましょう

「私の話が信じられないならそれでいい! しかし皆は騙されている! この男が国王になればこの国の壊滅は免れない! この男は自身の命を懸けて、この国に復讐する気なのだから!」
 群衆は声を失った。事態を理解しようと曖昧な表情を浮かべている。しかし涼に気圧され、目を逸らせず、誰も涼を止められなかった。口を大きく開けて、ただその姿を目に焼き付けるしかできなかった。涼はサイガに向き直り

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「光と闇と、魔法使い。」第51話

処刑

 中央広場に設置された処刑場。広場の高い場所に位置し、どの角度からもはっきりと見える。奇流がサイガに担がれて現れた時、人々のうねりは最高潮に達した。
 奇流は力が出ない。圧倒的な強さの前に、どうすればいいのかわからない。鈍い思考回路を動かすが、頭に血が上って考えられない。
 もう、終わりなのか。
 奇流は今にも消え入りそうな意識の中、思う。
 ドクターは無事なのかな。
 こんな状況でも、真

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「光と闇と、魔法使い。」第50話

 第四章・決戦

家族が望むもの

 サイガの告白に、一同は静まり返る。サイガはゆっくりと顔を上げると、息を吐いて続けた。
「不老不死などとくだらない欲望で俺の国は襲われた。無論家族も戦火に散ったよ。父は王牙の刃に沈み、母は俺を庇って倒れた」
 ドクターも嫌気がさした当時の王族の欲望。一つの国を追い詰めた代償は、今ここに復讐者を生み出していた。
「王牙に入るには、相応の調査が入るはず」
 カキザキ

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「光と闇と、魔法使い。」第49話

生きる理由

 その言葉にその場にいた全員の動きが止まった。一番呆気にとられたのは当人であるカキザキだ。思わずナイフを落としそうになるのを何とか堪え、俊成に歩み寄る。
「……は? 何言ってんの? 王牙を解体なんてできる訳ないでしょ」
 しかし明らかにうろたえている。そんな様子を見て俊成はくつくつと笑いを堪える様子で答えた。
「王牙の解体は以前から出ていた案だよ……だってそうでしょ。最近は砦も強化さ

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「光と闇と、魔法使い。」第48話

ワタライは負けない。

「空乃!」
 空乃と風丸は奇流に駆け寄った。
「奇流ちゃん! 抜け出せたのね!」
 空乃の笑顔に奇流は返事もそこそこに尋ねた。
「柚を……柚を見なかったか⁉」
 すぐに二人の顔が険しくなる。
「場所はわからない。けど人質に取られてるって」空乃の言葉に奇流は被せる。
「ああ、そうだ。殺されるかもしれない。どこかにいるはずなんだ!」
 奇流は再び駆け出した。二人は慌てて追いかけ

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「光と闇と、魔法使い。」第47話

少年が出した答え

「一体兵士はどうなってるの」
 うんざりした様子でカキザキは呟いた。そして振り返ると、視線の先に空乃と風丸の姿がある。二人は後ろ手に縛られ、何も言わず正座をしてカキザキを見据えた。
「こんな子供にみすみす侵入を許すなんて、仮にも兵士の名前が泣くよ」
 カキザキは二人に歩み寄る。そして目線をあわせるようにしゃがむと、「ワタライ奇流のお友達?」と尋ねた。
「うん、大親友!」空乃があ

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「光と闇と、魔法使い。」第46話

ワタライのために、自分ができる事。

 中央広場はざわつき始めた。国を騒がせたワタライ家の人間が処刑される。人々はそれを一目見ようと次第に集う。そこには柚の両親の姿もあった。
「柚……奇流……」
 和代は両手を組んでいる。友明は肩を抱き寄せそっと見守った。人々のざわめきが辺りを包む中、二人は身を寄せ合って無事を祈る。
「イズミヤさん」
 声をかけられ振り返ると、雅恵が神妙な面持ちで立ち尽くしていた

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「光と闇と、魔法使い。」第45話

真実

 どれくらいたったのか。奇流はその場に座り込んで考えていた。あれほど願っていた家族の自由。しかしそれと引き換えに、自身の闇の力を悪用される。もしかしたらたくさんの犠牲が出るかも知れない。奇流はかぶりを振った。断れば殺される。この取引は奇流にとって圧倒的に不利な物だ。しかしさっさと突き返せる物でもない。奇流は額に拳を打ち付け悩んだ。
 スイにも会えなかった。奇流はスイの身を案じる。
「奇流君

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「光と闇と、魔法使い。」第44話

取引

「副団長! 一体何が!」
 何事かと複数の兵士が駆けつけた。すぐに目の前の状況に愕然としたが、奇流を確保するべく動き出す。しかしそれをカキザキは制した。
「いいよ、彼は逃げ出せない。逃げ出さない。だから手を出さないで、下がって」
 カキザキの言葉に兵士達は一瞬戸惑った表情を浮かべたが、カキザキの鋭い眼光にすぐに一礼してその場を去った。
「奇流!」
 柚が駆け寄ると、奇流は自身が起こした現状

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「光と闇と、魔法使い。」第43話

私がいるから。

「君は頑固だねえ。お友達には会えないって言ってるでしょ」
 カキザキは笑顔を浮かべて言った。そして片手で何かを叩く。
「っ……!」
 柚の姿がそこにあった。頬が赤らんでいる。城の地下一階に存在する拷問部屋。出入口に立つ兵士が、まだ幼い子供を前にカキザキに意見した。
「カキザキ副団長! 子供相手に手を上げるのは……」
 するとカキザキは笑顔を崩さず口を開く。
「何? それは私に意見

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「光と闇と、魔法使い。」第42話

告白

「全くいいパフォーマンスだね……」
 俊成は一枚の紙を手にして呟いた。そこには本日行われる、奇流の処刑の内容が綴られている。一つ息を吐くと紙を机に滑らせ、両手を組んで顎を乗せた。ふと目に入る一枚の写真。そこには幼き俊成が写っている。今とは想像できない無邪気な笑顔。そして隣に佇む一人の男。
「サイガさん……」
 俊成は写真の男を指でなぞる。精悍な顔つき。年月の差はあれど、その男はサイガで間違

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